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【偽史】中国は歴史をパクったのか

※このnoteはYouTubeで視聴することも出来ます。

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こんにちは、今回はノアの方舟神話から古代中国史についてお話しさせていただきます、宜しくお願い致します。

世界には数多くの洪水神話が存在しています。
[旧約聖書]創世記のノアの方舟は有名ですが、
“ノア”という人物はウル人で、その子孫のアブラハムがウル地方のハラン市から出国して現在のイスラエルへ移り、そこに建国したのが第一期のイスラエル国です。

したがってイスラエル人、ユダヤ人、シオンという集団は牛をトーテムとしたウル人の一派です。

彼らは牛の他にも塩もトーテムとし、また家の守り神としてはミミズクやフクロウを大切にしていました。


この旧約聖書のノアの方舟よりも遥かに古い楔形文字で書かれた世界最古の叙事詩であるギルガメシュ叙事詩にもノアの方舟の説話が詳細にわたって記されています。

その主人公の名はノアではなく“ウトナピシュティム”とあり、このウトナピシュティムの名前にはウル語で「父」を意味をしてする「ピシュト」が結合形で入っています。「ウトナ」は「太陽の」という意味なのでウトナピシュティムの直訳は「太陽の 父の」という意味で、太陽の父は首長や族長と同義とされています。

また、ノアの名前を分析するとn.o.aの祖形で頭のnは冠音という飾り言葉であり、ノアの本体はo.aということになります。

oとaの間には「k」が脱落していると考えられ、ウル王朝時代には母音に「o」はなく「u」であったので、ノアの本体部分は「uka」でこのウカは「urku」ウルクが開音化した「urka」ウルカです。

つまりノアの原語は「ウルク」でこれはシュメール語での「牛人」を指しています。

※詳しくは川崎真治氏著書「日本語の謎を解く」をご覧ください。


[史記]をはじめとする中国史料には女媧(じょか)が大洪水を止めたという神話があり、続いて夏王禹(う)が治水に成功したとなっています。

[史記]の三皇本紀には次のようにあります。

※ 智謀=知謀=知恵のある巧みなはかりごと
《女媧氏の末年にあたり、諸侯の中に共工氏という人物があり、智謀に優れてよく刑罰を用いたので強大になり、覇者にはなったが王者にはなれなかった。
自ら水徳といい木徳の女媧氏の天下を奪おうとして洪水を起こし木を押し流そうとした。
そして火徳の祝融と戦って敗れると怒って不周山に頭をぶつけた。
すると天を支える柱が折れ、地を繋ぐ維がきれて天地が傾いた。
女媧氏は五色の石を練って天を補い、あおがめの足を切って地の四方を繋ぐ柱を立て、蘆の灰(船)を集めて大洪水をとどめ、冀州を救済した。
かくして地は平らになり天はおさまった女媧氏は没して神農氏がおこった》
というような説話があります。

これと似たような説話が[淮南子]という思想書にもあり、[史記]と[淮南子]を合わせたような説話が[論衡]の談天篇にも記されています。


女媧氏の姓は風で蛇の体に人の首をしていて女希氏と号しました。

共工氏は女媧氏の天下を奪おうとして祝融氏に敗れて洪水を起こしたとありました。

女媧氏は蘆の灰を集めて大洪水を止め冀州を救済したとありましたが、この冀州というのは古代メソポタミアの都市名でもありキシュ第1王朝のキシュと同音です。

シュメールでは紀元前2800年頃に大洪水があり、両河の下流は衰退し、それ以降の繁栄は上流に移っています。

そしてキシュ王のエタナ、エンメバラゲシ、アッガが次々に即位しましたが紀元前2675年代頃アッガはウルク王ギルガメシュと戦って敗れています。

この大洪水の後のキシュ王のアッガとウルク王のギルガメシュの戦いが[史記]の三皇本紀では共工と祝融の戦いに類似しています。

つまり共工がキシュ族で祝融がウルク族、そして大洪水を救済したとされる女媧は洪水当時強力な民族であったエラム族ではないかと考えられます。

エラム人とドラヴィダ人はエラム・ドラヴィダ語族で、インドの宗教文書である[ヴェーダ]では、ドラヴィダ人は蛇神ヴルトラを崇拝していたので、蛇トーテムだったことがわかります。
 


女媧は蛇の体に人の首を持ち、庖犠(ふっき)と共に蛇トーテム族だったので、女媧はエラム族だった可能性が高いです。

シュメールでは二匹の蛇が絡み合う図柄がサマッラ期の土器などから発見されています。

庖犠(伏犠)はフルリ人の漢訳だったので、ユーフラテス川上流のシリア北部に存在した古代都市国家エブラ王国にいたフルリ人ではないかと推測できます。

エブラ王国の説話は後世になりユダヤ人の旧約聖書に受け継がれましたが、この王国にいた人々こそサマッラ期以降のシュメール人の流れをくむ蛇トーテム族だったのではないでしょうか、彼らが蛇トーテム族だったため[出エジプト記]にはモーセがアロンの杖を蛇に変えた、という説話が残っているのではないでしょうか。

シュメールのサマッラ期の農耕と同じものがエジプトのゲルゼー期にも行われていたため、この間民族移動があったのではないかと考えられています。


話が逸れましたか、[旧約聖書]のノアは、ギルガメシュ叙事詩ではウトナピシュティムになっていて、中国神話では共工が洪水をおこして女媧が治めたとあり、古代オリエント史と古代中国史には共通する部分が多いことから、中国が正史と主張する[史記]の三皇本紀は古代オリエント史の借用だったのではないか、というお話しでした。


古代史には膨大な学説がありますので、今回の内容はそのうちの一つだと思っていただいて是非皆さんも調べてみてください。

下記の参考書籍も是非読んでみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。

📖参考書籍📖
川崎真治著書「日本語の謎を解く」「世界最古の文字と日本の神々」「古代史は身近にあり」
大野晋著書「日本語はどこからきたのか」「古典基礎語辞典」「日本語はいかにして成立したか」
田中孝顕著書「日本語の真実」
河合望著書「古代エジプト全史」
前田徹著書「古代オリエント史講義」
鹿島曻著書「日本ユダヤ王朝の謎」「日本ユダヤ王朝の謎続」「史記解」

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