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人は、空気を泳ぐ生き物。

他人ごとを自分ごとに変えるスイッチはなんだろうと考えていたとき、思い出した。

高校時代、差別について話し合う授業で司会を担当したときグループディスカッションでみんなワイワイと雑談しているだけだった。

無意味なディスカッションの時間が終わり、わたしは淡々と、
「みなさんが考えるのはたった10分ですが、苦しんでいる人は何十年と苦しんでいます。」
と言って黙った。

教室はしんと静まり返ったまま誰もなにも言わなかった。わたしはそのまま、1分ほど待った。みんなが沈黙に耐えられなくなるまで。

「もう一度話し合ってください」
というと、今度は真剣に議論することができ、すばらしい意見が続出した。

担任の先生も、自分がこれまで見てきた同和教育に関する授業で一番良かったとほめてくださった。

情報ではなく、そこに流れている空気で人は動く。

人は、"空気を泳ぐ生き物"。

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