顔面負傷=蚊に食われた?

「あっちゃーん」
「はぁーい!」
「病院行ったよ、今日行けてよかった。」
「よかったー!」
「最初行った整形外科では、顔だから形成外科の方がいいよと言われてさ、2軒教えてもらったけど木曜休みで。明日にしようかとも思ったけど、あんまり放置したくないからさ、家戻ってパソコンで調べたら大きめ病院にも形成外科あったの。でも予約制で、しかも診療終わる30分前でさ。どうしようかと思ったけど、ダメ元で電話してみたら待っててくれるっていうからチャリでいってきた。よかったよー。」
「電話してみるもんだね!」
「うん。ひさびさに縫合したりCT撮ったり。そして生まれて初めて骨にダメージが」
「!!!!」
「かるくヒビが入っただけよ」
「えー!」
「もぐもぐしづらい。噛んだり口開けると痛くて。念のためのctだったけど、まさかほんとに骨いっちゃったとはね、、、、」
「ううー痛々しい、、、、、涙目」
「1ヶ月くらいはおしとやかにしてなさいと。大口あけずに」
「そかぁ、、、、」
「なんか、顎もいっぱい縫ったよ。内側と、外側と。合わせて9針くらい?」
「そんなに!!」
「細かく縫う先生だったみたい。そういってた」
「にしても、、、、」
「まぁ、昔さんざん縫われたからね、慣れてるっちゃ慣れてるw顔は初めてだけどさ」
「あいちゃんのお顔がああああ」
「顔の端っこだから大丈夫よ」
「でもぉ」
「パックリ切れちゃったもんはしゃーない。にしても何がどうなってあんなに切れたのやら。骨いったのは右側だけど、ウデのでかいかすり傷は左手だし。よくわからん。アクロバッティブに倒れたんだろうか」
「うぬ、、、、ふしぎ」
「膝とかあざだらけだし、身体ところどころ痛いし。諭吉が飛んだのも痛いわ」
「アザがいつの間にできるのはいつものことだけど、、、そんな怪我した割には冷静よね??」
「なんかもう、どうでもいいというか、関心がないというか。久しぶりに蚊に食われてかゆい、みたいな感じ?」
「?????」
「それくらい取るに足らない感じなの。毎日呼吸すんので精一杯なんだもん」
「???そんな状況だと余計落ち込みそうだけどねぇ」
「まぁそうかもね。元気だったらもっと大騒ぎしてたかも。あっちゃんがいなくなったダメージに比べたら蚊に食われたレベル、ってこと」
「うぬ、、、、、」
「所持金が、10000円なのか、10001円なのか、そんな程度の違いよ」
「そうなのか?!」
「そ、今の感覚ではね」
「ある意味強いんだと思うよ、、」
「なのかね、わかんないけど。アゴ裂けて縫って、骨にヒビが入っても、呼吸はしとるのには変わらない。ま、ちと不便ではあるがな」
「すげ」
「薬もでたし。これで1ヶ月ビール飲めなかったら発狂してるけど、明日くらいからは呑んで大丈夫ですと。それがでかいよ」
「そこ?そこなの??」
「そうだよ」
「はぁ、、、、ぽかーん」
「ただ、タバコは良くないみたいなので控えめにしないとだね」
「そっかあ」
「手足も動かせるし。抜糸しないとメイクはできないけど、もうすっぴんも慣れたし」
「うぬ」
「たいした問題じゃない」
「つええ」
「しゃーないもん」
「痛くないの?」
「多少痛いよ。あんまりもぐもぐ固いものたべられないし、口開けてあくびもできないからかみころすし、痛けりゃ頓服の痛み止め飲めばおさまるし。そのうち痛みもひくよ」
「さっぱりというか、あっけらかんだねー」
「そうかね。麻痺してんのかもね」
「うぬ」
「あっちゃんがいなくなった痛みはこんな風に思えないからさ、つらいのよ。まぁこんな風にさっくり思いたくもないけど」
「うう」
「でもまぁ、それ以外のことはわりと痛くも痒くもないこと多いかもしんないね。その時の精神状態にもよるけど」
「オレだったら心折れそう」
「てかもう折れてるからさ、これ以上折れても変わんないのさ」
「そういうもん???」
「さぁねー?少なくとも今の私はそんなかんじ。ネタだよ、こんな怪我。アゴさんさすりながら感謝したら骨くっつくかなぁ。」
「大王方式」
「そそ、あ、そういえば、昨日ふしぎな夢みた」
「どんな?」
「なんかね、景色の中の一部だけ、時空間のゆがみが見えたの。タイムマシンの通る道の中のみたいな。」
「へぇ!」
「景色の一部だけ破けた感じ?で、そのなかだけ時空が歪んでるーって思ってみてるの。ふしぎな景色だったよ、そこ入ったらあっちゃんに会えたのかな?なんて思ったり」
「夢のなかで?」
「うん、まぁ目が覚めてからね。キッチンでふらついたときも一瞬意識飛んでたから、なんか繋がりかけたのかなーなんて。あ、でも来ちゃダメって拒否されたから血が出たのか?w」
「かもしんまい」
「荒っぽいなぁ、骨までやることないのに」
「オレじゃないって!」
「でもさぁ、もぐもぐ辛いから食べれないじゃん?まともに。そしたら衰弱して死ぬんでない?」
「あいちゃんにその死に方は無理ですw」
「だよねー」
「でしょ?あ、ドラカフェほぼ満席」
「すごい!」
「ありがたいねぇ。それまではなんとかふんばるよ」
「だよだよ!」
「ヘッドセットマイク使おうかな、大口あけて喋れないから大きな声だせん」
「いいかもね!」
「人からパワーもらえるよ、やっぱり。楽しいあとは落ちたりもするけど。ちょっとがんばろかなって気になれる」
「うんうん!」
「うー、あくびすると痛い」
「大丈夫?なでなでするわけにもいかないし、、おろおろ」
「あたまなでなでなら大丈夫だからなでなでー」
「ほい!なでなでーなでくりー」
「くっ!!!」
「どした?!」
「自分で傷口パンチした、、、痛い、、」
「なんでやねん?」
「アゴって見えないから、時々手がぶつかるのよ、あいたたたた」
「大丈夫???」
「ん、なんとか、、、、ふぃ。傷だらけのローラだぜ」
「不死身のあいちゃん」
「やめれ!不死身とか!アゴ裂けたくらいじゃ死なないわい」
「ぷぷー!」
「やれやれ。家の中でこんな怪我するなんて、アホやねー」
「そうだよアホだよ!」
「アホだなぁ〜♪」
「それがどうしたアホだよ!」
「なつかしい」
「ぷぷー!」
「明日は都内の病院です」
「はーい!」
「てかもう今日か。今日マヤバースデーなんだけどさ、私」
「お!おめ!」
「なのに今日までビール飲めない悲劇」
「そこ?」
「大事だよ!大事マンだよ!」
「なのかぁ」
「ま、しゃーない」
「切り替えはやっ。マヤバースデーならケーキ食べないとね!」
「ケーキはなくてもいいよー、あなたが食べたいだけでしょ」
「てへっ」
「マックの桃シェイクにするか、寄れたら」
「わーい!」
「あれ、私のマヤバースデーなんだけどな、、、」
「よいさね、よいさね!バナナジュースもいいよね」
「そうね、飲みやすいし」
「あいちゃん、マヤバースデーおめでとう!!」
「ありがとー」
「むぎゅー!」
「ふふ」
「はっ!顎痛かった?大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「よかた!」
「、、、、、、」
「どした?」
「私はこれから、あっちゃんが死んじゃったこと受け入れて生きていけるんだろうか、って」
「うん、、、ゆっくりでいいよ、、そばにいるから、あいちゃんと一緒に」
「でも早めにお迎え願いたいす」
「またぁ」
「希望くらいださせて」
「うん」
「不安しかないもん」
「あいちゃんのまわりの人が、みんなが助けてくれるから。大丈夫」
「うん、、、、、」
「信じて?ね?オレもついてる」
「うん、、、」
「でも、ゆっくりでいいから、、ね?」
「うん、、、、」
「大丈夫」
「説得力があるような、あなたに言われたくないような、複雑や」
「まぁまぁ。よいではないか」
「読みかけの本を読み散らかしておる。何から読むかな」
「気の向くままに!」
「そね、、子守唄を、、って、やっぱりいいや」
「ドンドンドン♪ドンキ♪ドンキホーテ♪」
「やっぱり、、、、」
「安くなるぅ!駅の近くにドンキできたね!」
「びっくりしたわー、それで歌ってたのか?って思って」
「行こうね!ドンキ!」
「通ったらよってみようか」
「うん!」

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