1200人の前で喧嘩を売った話(5)
前回の続き。
ついに第5話です。
学年代表に選ばれた私は、ついに全校生徒&全職員約1200人の前で喧嘩を売ります。というか意見文を読みます。笑
なんてこったい。
ちなみにですが、もちろん校長も教頭もいました。
今回は全校生徒の前で発表するわけですが、他にも発表する生徒が6人ほどいて、発表の順番はくじ引きで決定しました。ここはもう運ですよね。
私はとりあえず、一番最初と最後じゃなければいいと思っていました。
皆さんも経験があるかと思いますが、人の話ってどうしても眠たくなるじゃないですか。
それでも一番最初は起きて聞いていると思うんです。
なので一番最初は嫌だったし、かといって最後はその発表会を締め括るわけですから。
私の意見文で締めくくるわけにはいかないでしょ…
と思ったわけです。
真ん中あたりがいいな〜なんてことを思っていました。
そして緊張のなか、引いた番号は
ドンピシャで真ん中でした!
神様がやっと味方してくれたぜ!と思いました笑
しかし、私とことんついてないんですよ。
真ん中を引いて喜んでいたのも束の間、
「じゃあ◯◯(本名)は休憩明けの最初ねー」
と先生に言われました。
休憩だと…?
そうです。
この発表会では半数の発表者の意見文を読んだところで、休憩時間というものがありました。
私の順番は休憩明けすぐの順番でした。
つまり、トイレに行ったり友達と喋ったりした後なので、みんなの目が覚めている時間。
みんなが聞いてくれる時間です。どこまでもついてない。
ここまでくると私は考えを変えました。
「この意見文はきっとみんなに聞かせないといけないものなんだ。
だからこんなことになってるんだ。
じゃあ私はちゃんと伝えられるように、全身全霊でやらなくてはいけない。」
もう、ここまできたらやるしかないと腹をくくって。
こうして意見文の発表会、通称「弁論大会」は始まったわけであります。
始まったんですが…。
私は、他の発表者の意見文の内容が全く入ってきませんでした。緊張して。
今では他の発表者がどんな意見文を読んでいたか、ほとんど覚えていません。
緊張して手汗をかきまくり、自分の意見文の紙を湿らせてしまったことは覚えています笑
そうしてどんどん他の人が発表を終え、休憩に入りました。
私は休憩に入った瞬間、自分のクラスメイトが整列しているところにダッシュ。
私の第一声が、
「まじで吐きそう。誰か助けて。」
でした笑
誰だ、さっき腹をくくったとか言った奴は。私だよ。お前だよ。
クラスメイトは爆笑。こいつら悪魔かと思った。本当に吐きそうだったのに(T-T)
でもクラスメイト達は、
「大丈夫!〇〇(本名)の意見文が一番面白いから!あの内容だったら、逆に堂々と発表した方がいい!!!根性みせろ!」
と応援(?)してくれました。
(後から聞いたら必死に笑いを堪えていたそうです)
そうやってギャーギャー騒いでいると、私の隣にいつの間にか校長先生が立っていました。
「大丈夫、落ち着いて。あなたの意見だから堂々と話せばいいんだよ。がんばれ。」
そう声をかけてくださいました。
今思うと、とても申し訳ないですよね。
なかなか喧嘩を売っている意見文を読むのに。こんなに励ましてくれて。
ありがとう、校長先生。
ごめんなさい、校長先生。笑
そうして休憩はあけました。
「次は3年〇組 〇〇(本名) さん。
題は、『個人の尊重』です。
お願いします。」
休憩明けで少しざわついている体育館に、放送委員のアナウンスが響き渡りました。
私は壇上にあがります。
いつの間にか静かになっていて、生徒をあおぐ扇風機の音と、自分の足音、呼吸だけが聞こえます。
私は演台の前に立ち、お辞儀をしたあと1200人がいる体育館全体を見渡しました。
友達が笑顔を向けてくれ、私の意見文を選んだ国語の先生がガッツポーズをしていました。
少し落ち着き、発表会が始まる前に先生が言っていたことを思い出しました。
「体育館の2階にギャラリーがあるでしょ。そこを見たら目線が上がって、自然と胸が張れるから。そこを見て発表しなさい。」
そうだ。ギャラリー見なきゃ。
私はその瞬間、凍りつきました。
ギャラリーに。私の真正面に。この高校で一番怖いと有名な生徒指導の先生が仁王立ち。
終わったああああああああ!!!!!!
もはや誰かが仕込んだのかというぐらい真正面に。仁王立ち。初めて見たあんな綺麗な仁王立ち。
その時、なぜか私の中で全てが吹っ切れました。遅いな。
もう演台の前にいるから後戻りなんてできない。
こうなったら今までで一番感情を込めて。
この先生にあとから何も文句を言われないぐらい、堂々とやってやる。
聞け!!!!
私の意見を!あんた達に喧嘩売ってやるわ!
そうして私は意見文を読み始めたのです。
長くなりましたね、
また続きは次回にします🌻
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