見出し画像

生成AIウォッチャーの憂鬱

生成AIウォッチャーを1年半ばかりやってきて残念なことをお話します。


生成AIウォッチャーの役割

生成AIは革新的なだけでなくその動きが速いことが特徴です。
2023年にEmad Mustaque (前Stability AI CEO) がすべてを捨ててAIに賭けろと言っていました([Diamandis])。
生成AIウォッチャーは生成AIで起こるさまざまなイベントや情報を分析し、生成AIの現在地点とトレンドをまとめる人です。
生成AIの情報は研究から応用まで膨大であり、世界中の企業や人が取り組んでいます。このため生成AIの動向は誰にとっても負担の高い作業です。すべての人にとって重要な分野であれば、ウォッチすることが付加価値を作ると思いました。

生成AIウォッチャーのジレンマ

生成AIの情報解析は負荷が高いので、情報に振り回されて、本来やるべき作業、たとえば、情報をもとに新しいビジネスを起こすというようなことに振り分ける時間が足りなくなるのが悩みです。新しいものを追いかけるだけでいいのかという疑問は感じます。

生成AIウォッチャーの憂鬱

生成AIウォッチャーを始めて1年半ばかりになります。この間、GPTの最新モデルが常に生成AIのゴールドスタンダードでした。今もそうです。OpenAI万歳といっていればほとんど正解だったのかと思うとむなしい気分になります。
OpenAIはともかく、昔から単にMicrosoftの提携SIerだったというような企業が単にAzureの片棒をかついでいるだけでもほとんど正解でした。
情報解析に費やした時間は何だったのかと思います。

OpenAI vs Google

先週のOpenAIとGoogleのリリース合戦を見ても、もしOpenAIがいなかったらAIもGoogleの独壇場だったろうなと思います。TransformerもGoogleの発明ですし、OpenAIがそもそもGoogleの至宝のAIエンジニアが移って作ったところもあります。Googleおそるべしとも思います。
ぱっと見、OpenAIのほうが技術的にすごいように見えるが総合的にはGoogleが優位という意見もあります([Pivot])。
どうでしょうか。
以下の2点からはGoogle優勢とも言えないと思います:

  • OpenAIのGPT-4oは商用、GoogleのProject Astraは研究デモ

  • 応用ユースケースはGoogleとOpenAIではなくGoogleとMicrosoftで比較すべき領域

そうはいっても、「何も考えずにOpenAI乗りが正解」が続いたらいやだなあ、と思う昨今です。

むすび

憂鬱は感じつつもこの面白い舞台を桟敷席で観られる機会は人類史上に一度しかないので、楽しんでウォッチしていきたいと思います。

参考文献

  • [Pivot] 【OpenAI対Google。生成AIの勝者は?】OpenAI発表のポイント/Google発表のポイント/英語以外のパフォーマンス向上/ビジネス面 https://www.youtube.com/watch?v=qWq6UmLx5A8 2024年 51m37s Pivot公式チャネル

  • [Diamandis] AI is Creating Massive Entrepreneurial Opportunity w/ Emad Mostaque | #16 Moonshots and Mindsets 2023年 1h42m17s Peter H. Diamandis


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?