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生成AIの各社戦略の現在地点(2024年3月)


はじめに

次々に新しいニュースが入る生成AIです。何かおきるたびに右往左往しています。将来の振り返り用に定点観測の記事を書いておきます。

各社の現在地点(2024年3月)

OpenAI

大規模言語モデルの精度、画像生成、Soraの動画生成、GPT Storeのエコシステムと、生成AIの各要素で先頭を走っています。有償サービスの価格も最低レベル、Teamライセンス、Enterpriseライセンスと企業向けの営業も盤石です。
Gemini Pro 1.5が10万トークンに対応したのでそれにマッチアップするくらいでしょうか。
秋のDev Day のGPT-5発表に向けて準備万端だと思います。

Alphabet (Google)

Ginieの論文は衝撃的で基盤世界モデルでリードしています。画像を学習する環境なども万全です。
Pixel 8 Proでスマホに生成AIを搭載しました。Appleの秋のiOS 18を迎え撃つ体制です。
Ultra AdvancedをGoogle Oneの有料プラン AI Ultimumにバンドルして単独ではなく総合パッケージでOpenAIを迎え撃つ体制をとっています。
Geminiの画像生成AIの再開、動画生成AIでのSoraのキャッチアップ、GPT-4をしのぐといわれるGemini UltraのAPI公開などが待たれます。

Microsoft

Azure Copilot Studioの英語以外での国際化を進めます。クラウドサービスで企業SI市場をAmazonやAlphabetより有利に攻めています。

Bing, Windows, GitHub, Office 365, Teams、スマホアプリとありとあらゆる製品ラインナップにGPTを組み込んでいるのであとは何をするのでしょうか。

可能性としては:

  • X-box Copilot

  • Linkedin Copilot

  • Blizzard Entertainmentでゲーム制作に使う

AI半導体も作っていますし、自前の大規模言語モデルも開発しています。

Meta (Facebook)

Llama3のOSS化を明言しています。メタバース+生成AIでも攻めることができそうです。AI半導体も作っています。

Amazon

クラウドサービスでMicrosoft Azureに先手を取られています。
出資しているAnthoropicがClaude 3をだしました。これがベンチマークでGPT-4, Gemini Ultraをしのぐ性能を出したというのが明るいニュースです。
AI半導体も作っています。
Alexaへの生成AI強化はありそうです。

Apple

Appleカーのプロジェクトを中止してAI人材を生成AIに転換するそうです。2024年9月のiOS 18で生成AIを強化すると言われています。

NVIDIA

生成AI半導体のシェア8割でGPUが取り合いになっていますので決算は絶好調です。

Jensen Huangが売り込みを強化しています:

  • 世界中の政府に自前大規模言語モデルを売り込み

  • IT以外の巨大企業に業界特化生成AIの開発を売り込み

というわけで世界中でGPUを使ったデータセンターの需要が沸騰しています。

このへんの進展がGTC 2024でも発表されると思います。
昨年 Hopperアーキテクチャを発表したばかりなので今年はアーキテクチャ的には端境期です。
1つあればほとんどすべての生成AI学習が終わってしまうGH200を出荷しているので、これ以上、半導体的には何をするのでしょうか。
動画生成AI用の高性能チップでも作るのでしょうか。

おわりに


大手だけでもこれだけあります。スタートアップも虎視眈々と参入を狙っています。動きの速い生成AI業界ですから、ひとくぎりついたらまた続編を書きたいと思います。

参考文献

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