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AI ✕ 経営 の3パターン

AI経営コンサルタントと書いてあります。私の考えるAI ✕ 経営の掛け合わせの3パターンをお話します。


3つのパターン

AIで能力拡張するのは、製品、人材、経営判断の3つです。

製品

AIを製品として出荷するパターンです。会社の中の組織は従来のパターンを踏襲してもOKです。開発部門の開発する対象がAIになります。
これは生産性が大幅にあがるのは製品を自社で使う場合に限られます。

人材

戦力の一部にAIを使います。
例えば:

  • 事業開発

  • マーケティング・営業

  • ソフト開発

  • カスタマサポート

特に人間の補助をAIがやるのではなく、AIが働いて、人間が計画指揮監督するパターンです。
組織の生産性をあげるのにはこのパターンが有効だと考えています。
先行しているカスタマサポートでは社内カスタム生成AIのさまざまな問題が浮かび上がっています([ai300lab])。精度80%というような事例は少なくなく、顧客向けに本格的に提供するのには二の足を踏んでいる企業も多いです。
組織改革だけでなくAI向けの社内情報管理体制などの見直しも必要です。
ソフトウェア開発の自動化の研究などを見ても次の3つが三位一体で必要なようです。

  • 当該領域での大規模言語モデルの精度

  • 問題解決フレームワーク

  • 生成AIが利用する実行環境の整備

AIに問題解決フレームワークというと奇異に感じられるかもしれません。人間でも実世界で起こるさまざまな問題に対して微妙に対応しながら対処しています。この部分を生成AIに分担させるには、一回限りの回答でおわらない処理手順が必要になります。ReActフレームワークなどがその例です。
AIの実行環境というのも目新しく感じられると思います。ソフトウェア開発でも現状の環境はすべて人間が実行することを前提としているので、生成AIにとって使いやすいものではないということが知られています。生成AI自体の精度が同じでも実行環境を変えるだけで問題解決できる割合は5倍以上にもなります。
生成AIを活かす組織とは何かというのを組織を活かす生成AIと一緒に考えることが重要です。

経営判断

ソフトバンクグループ株式会社の株主総会で孫さんが語っていた経営者がAIと対話して経営判断のヒントを見つけるパターンです([ソフトバンクグループ株式会社])。
経営者が正しい判断をするために以下のような役割を補完します:

  • 社外取締役

  • メンター

  • アドバイザー

  • コーチ

経営者の判断精度があがれば企業価値に対するインパクトは大きいです。経営は一点ものなのでこのパターンで生産性向上の効果を計るのは難しいです。

むすび

AI経営コンサルタントとしてAI×経営を提唱しています。単に組織が消極的なだけでなく、生成AIによる生産性向上にはさまざまな課題があることがわかっています。
生成AI自体も刻々と進化しているので、どのようにそれを組織の中にはめこむのは難しい課題です。
当面は、技術と組織、両面のパズルを解いていくことになると思います。

参考文献




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