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生成AI時代の自分とのコミュニケーションスキル


はじめに

生成AIがさまざまな言語処理的な作業を行ってくれるようになりました。多くの認知的作業は言語処理的な作業に包含されます。このため、ホワイトカラーがもっぱら仕事にしているような作業は生成AIに侵食される傾向にあります。
このため、生成AIを使うプロンプトエンジニアリングを使いこなす必要があります。今日はプロンプトエンジニアリングの動向を勉強しながら、それについて考えたコミュニケーションスキルについてお話しします。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルというのは他人とスムーズに交流するためのスキルです。このため、生成AIで何故コミュニケーションスキル?と思われる読者もいらっしゃると思います。
コミュニケーションスキルの基本は相手と自分が違うことを考えているという前提から始まります。違うテーマを考えているかもしれないし、違う見方をしているかもしれないし、同じ用語を使っても違う意味に考えているかもしれません。このため、コミュニケーションでは次の2つが重要になります。

  • 自分を明確に表現する

  • 自分の表現を相手がどう理解したかを理解する

このことはプロンプトエンジニアリングのような生成AIとの対話でも重要になります。

プロンプトエンジニアリングに学ぶコミュニケーションスキル

プロンプトエンジニアリングでは、以下のようなことが重要です:

  • 明確に指示を出す

  • 例を示す

  • 役割や目的を示す

  • 情報の受け手が誰かを示す

これらはいずれもコミュニケーションにおいても重要なことです。
大規模言語モデルは次に来る単語の推定をします。相手が子供なのか大人なのか玄人なのか素人なのかによって言葉の使い方は変わります。このため、受け手を明確にすることが正確性に影響します。
これは単にコミュニケーションを明確にするだけでなく、生成AIが話しかける相手、すなわち自分自身が何者なのかをはっきり定義するということにもつながります。
これも日頃のコミュニケーションでは明示的に意識されませんが重要なことです。

自分が何者なのかを知る

コミュニケーションで重要なのはわかっているつもりのことを明確にする、ということです。
以下にコミュニケーションが伝わらないかという実験に絵を見て、その絵をみせないで言葉で伝えて相手に絵を描いてもらう、という作業があります。やってみるととんでもない絵ができあがります。客観的に相手に伝えるということはそれくらい難しいことです。
自分が何者なのかはわかっていると誰もが思います。では、それを伝えられるでしょうか。伝えるのは難しいです。

自分が何をやりたいかはわかっている。目的も到達地点もわかっている、と人間は思いがちです。本当でしょうか。

プロンプトエンジニアリングに失敗して生成AIがハルシネーションを起こすとき、時々、自分は自分のやりたいことが:

  • 本当にわかっているのか

  • それを言語化して伝えられるのか

を考えるといいと思います。
プロンプトエンジニアリングだけでなく人とのコミュニケーションにも通じるものがあります。

むすび

プロンプトエンジニアリングを勉強しているとコミュニケーションスキルに通じるものがあります。
自分が何者であり、何をしようとしているのかを内省し、それを活かすのはスキルの中では人格スキル(Character Skill)というものです。
人格スキルを高めれば人は幸せになれます。正しい目的を目指して自分を成長させられるからです。
プロンプトエンジニアリングを勉強しながら人間はどうあるべきかを考えるのも楽しいです。



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