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生成AI時代の居場所作り

生成AI時代には人間の居場所作りが重要というお話をします。


天国と地獄

生成AIが人間の仕事をとると次の2つのシナリオが考えられます:

  • 天国:いやな仕事を無理にすることがなくなり、やりたいことをやる世界

  • 地獄:仕事がなく絶望する世界

今まで仕事がいやだいやだと言っていた人も仕事がなくなると仕事が欲しいと言います。定年になって家の窓の外を見ながら「仕事のある人はいいなあ」と言っている老人は少なくありません。
世の中の人が平等で天国にいる社会に暮らせるかどうかは天国での社会作りができるかどうかにかかっていると思います。
そもそも勤労は憲法の規定する国民の3大義務の一つです。生成AIで憲法改正する必要があるかもしれません。
かつては勤労の義務を取り去ることなど考えられませんでした。失業は怠惰の結果であり、失業は退屈と犯罪を生むと信じられていたからです。

労働はわれわれを三つの大きな悪から逃れしめる。つまり、退屈、悪徳、欲求から

ヴォルテール「カンディガード」[wiki]

移行が重要

好きなことをする自発的失業に移行できないと社会は不安定化します。これは経済的問題であるととともに文化的問題です。ユニバーサルインカムも必要ですが、文化的転換も必要です。
組織再編は目的ではなく実行がまずいと言われます([Johnson])。仕事のない世界がいい悪いではなく、仕事のある世界から仕事のない世界への移行が難しいのだと思います。
文化は論理ではありません。生成AIが仕事をする社会の文化について人類は何も知りません。文化の移行には時間がかかります。

人間にとって重要なのは居場所

人間は社会的な動物なので居場所は重要です。
ただの大学生の同窓会ネットワークだったFacebookサービスが世界的な広告基盤に成長したのも、人間は居場所が必要だからです。インターネットには心地よい居場所が必要だからです。Facebookサービスは自分に都合のいい空間を作るひとつの方法です。会社としてのFacebookはMetaと改称しました。Metaがめざすメタバースも身体性を持った居場所作りだと思います。
生成AIを世界が受け入れるかどうかは生成AIが会社に代わって居心地のいい場所を提供できるかどうかにかかっていると思います。

むすび

生成AIで憲法改正が必要というと突拍子もないと思う方も多いと思います。GPT-5もリリース間近のようです。推移を見守りたいと思います。
自由で平等で自発的失業とユニバーサルインカムで暮らす社会は来るのでしょうか。

参考文献


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