【俳句千本ノック②】唐黍・玉蜀黍・もろこし【秋】イネ科の一年生作物、煮たり焼いたりしても美味

きのう田舎から玉蜀黍が送られてきた。毎年のことだ。黄色い小さな粒のひとつひとつの表面が照明を反射してる。まるで整然と並んだ高層ビルの窓みたいに。そう考えるのは上京してからもう随分と帰ってないからかも。来たのはいつもよりも少し遅かった。今年の7月はずっと雨で収穫時期がずれたらしい。8月の半ばくらいに食べるから、ずっとトウモロコシの季語は夏だと思い込んでいたけれど歳時記を見ると秋なのだ。俳句では123月が春、456月が夏、789月が秋、101112月が冬、ということ。一つずつずれている気がして驚いた。 そこで今回は【帰り花】に引き続き季語のズレを念頭に置きながら【玉蜀黍】でまた10句つくってみる。

11 唐黍や長い影曳くビルの群

12 もろこしを踏みわけゆかむ馬の尻

13 遠い波音が聞こえて玉蜀黍

14 蜘蛛が這う毛むくじゃらの手に唐黍を

15 もろこしの火口へふた房落ちにけり

16 もろこしの芯を裂く刃にがりがりと

17 もろこしを齧る夕暮れの川面かな

18 もろこしを齧る痕跡ふたつあり

19 撃ち殺す男の影に玉蜀黍

20 とうきびを折っては夢が霞みゆく

忙しくてだいぶ時間が空き、最初の文章を書いたのはもう公開から一週間以上前。そのあいだにいくつか句集を読んだので今度は気になった句を読んでいく記事を書こうかな。 #俳句 #短詩系 #玉蜀黍






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