シンギュラリティー「技術的特異点」とはどういうことか②

シンギュラリティーという言葉を「技術的特異点」という意味で最初に使ったのは『ジョン・フォン・ノイマン」だと言われています。

ノイマンは知ってる人も多いと思いますが、数学者であり、物理学者、経済学者、計算機科学者でゲーム理論の創始者で原子爆弾の生みの親の1人であり、現在使われているコンピューターの仕組みのを考案した人です。


他にもアメリカの数学者でSF作家のヴァーナー・ヴィンジやアメリカのAIロボット研究者のハンス・モラヴェックがシンギュラリティについて語っています。


しかし、シンギュラリティーという言葉を世に普及させたのは、レイ・カーツワイルという人物です。

カーツ・ワイルはアメリカの発明家であり、未来予測の書「シンギュラリティーは近いー人類が生命を超越する時ー」(2005年)を著してから多くの人ににシンギュラリティという言葉が知れ渡ることになりました。

カーツ・ワイルは「シンギュラリティー」が2045年頃に起こると予測しています。

また、日本でもぺジーコンピュティングの齊藤元章氏はカーツワイルの理論をもとに2,029年頃にシンギュラリティーの前身となる「プレ・シンギュラリティーが訪れるという予測しています。


ここで、シンギュラリティという言葉を世に知らしめることに至った「レイ・カーツワイル」という人物は只者ではないということを強調しておきたいと思います。


カーツワイル氏の提唱していることは、先に紹介した本を読めばわかると思いますが、「不老不死」や、人間の意識をコンピュータ上にアップデートするなど、想像することが難しい、とんでもない未来が、数十年後、到来すると紹介しています。


そんな未来が本当に訪れるのか誰にもわかりませんが、カーツワイルがこれまで成し遂げたことや、未来予測を相当な確率で当てていることを考えると、彼のいうことを、無視できないと多くの人が思うようになってきました。


カーツ・ワイル氏はアメリカを代表する発明家であり、シンセサイザー、スキャナー、OCR 、文章読み上げマシーンなどを発明した人です。現在はGoogleでAI開発の技術責任者を務めています。


未来予測でいうと、カーツワイル氏は、例えば、コンピュータがチェスの世界チャンピョンに勝つという予測をほぼ当てていますし、2009年の未来について、本、雑誌、新聞等は、手にとってデバイス上で読まれる予測しており、これもほぼ時期を当てています。


しかし、特にヒトゲノム計画が完了する時期を予言した事は世界を驚かせました。

カーツワイル氏はヒトゲノムの解析の進捗率が7年かけてわずか1%しか解析できていない時期に、1%解読したということは半分は解読できたようなものだ、と言いました。

そして、カールワイツ氏は、単純計算で全部解析するまでに後700年かかるところを、あと数年でヒトゲノムの解読が完了すると予測しました。なんとそれを、彼は見事に当てたのです。


カーツ・ワイル氏はコンピュータの処理速度が加速し、テクノロジーの進化が指数関数的(エクスポネンシャル)に進歩する、収穫加速の法則という言葉をよく使いますが、まさに収穫加速の法則の通りにゲノムの解読がなされて、人々は驚きました。

シンギュラリティは専門家の方々は否定される方が多くいます。本当に訪れるのか誰にもわかりませんが、ノイマン、ヴィンジ、モラヴェック、カーツワイルなど、すでに社会に大きな影響を与えてきた天才が、提唱していることを、無視することできるでしょうか。


シンギュラリティが訪れるかもしれないということを頭の片隅に置いておき、近い将来、シンギュラリティが来ても、対処できるように準備することの方が重要な気もします。

(2018年春に執筆)




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