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『駄文』全曲解説:第一回 「トイボックス」

はじめに

ご無沙汰してます。エイハブです。ボカコレ用の曲の制作が大詰め…ほどは行ってません。小詰めくらいの僕です。

この度ミニアルバムを配信しましたので、日記代わりに曲の解説を残しておこうと思いました。ついでに今の曲に対しての気持ちなども残しておきます。何年後かの僕、見てたら返事ください。

アルバムの収録順に解説をしていこうと思うので、今回は「トイボックス」について解説させていただきます。

「トイボックス」について

“「理解」について”と題打ったこの曲ですが、まさに“理解する事とは何か”という問題への自分なりの結論がこの曲に詰まっています。

また、自分の中にある色々なジャンルのエッセンスを沢山詰め込むことができたので、色々な意味で“おもちゃ箱”のような曲に仕上がったのではないかなと思います。

制作時苦労した事

この曲は作編曲に1ヶ月半、作詞に2ヶ月かかりました。原型は8月くらいにふんわり有ったのですが、その時はなあなあになってボツになる気がしていました。メロディを3回変えて、曲展開を2回変えて、ようやく今の形にする事が出来ました。この曲と餞とJOKE(R)と未公開の新曲がめちゃくちゃ制作が難航した曲四天王です。全部一度は編曲やメロディを変えています。

詞については、完成当時はもう少し歌っていて気持ちいい物に換喩していきたかったな、と思っていました。今ではこれで良かったと思っています。餞もそうなのですが、たまに歌詞を読み返すと綺麗な言葉だな…と自分に驚く事があります。

ミックスもしんどかったです。色々な音が鳴るので、未だに最適なバランスがわかりません。オルタナロック色を強くしたかったので、ギターの嫌な所が出過ぎないギリギリまでEQやコンプなどの調整をしました。難しかった…

MV内の小説について

MV内のギターソロの部分に向けて書いた短い文を載せます。

僕は浅はかであった。
自分の痛みで手一杯な事に、
僕は気づけていなかった。
他人の痛みを背負う事に、
もっと臆病であるべきだったのだ。
だが、もう遅い。
ここで君を見捨てる事は簡単で楽だ。
しかし、きっと僕は生涯、その瞬間を思い出す事になるだろう。
僕もやはり、自分の為にしか動けない人間なのだろうか。
考えたくもない事を考えてしまう前に、僕は後悔を満面の笑みに隠し、君とまた向き合った。
君に悟られてはいけない。
君が悪しき僕の感情に気付くのが、一番駄目なんだ。僕も君も、生涯の傷を負うのだから。

知らない事の方が美しい事ってありますよね。

おわりに

人は次第に、図々しく人の痛みに入り込んで行くことを嫌うようになります。その事自体は美しい事です。わざわざ人の痛みを穿り返したとして、誰も喜びません。

ただ、安易な「それ」はその人を遠ざける事にならないでしょうか。

本当に相手が大切な存在であるならば、その痛みを包み込んで救いたいと思うのが自然です。しかし、傷を負ったところに絆創膏を貼っても痛みは残るように、これは私たちのエゴでしかありません。

僕はこのエゴこそが人の最も美しい部分だと考えます。人の痛みを背負う事は出来ませんが、その何割かだけでも分かる事で、その人を想った行動が出来る様になります。それこそが人を理解するという事なのではないでしょうか。

この曲は、他愛もない記憶を「君」に訊いている場面で終わります。「僕」や「君」にとっての心の薬は何だったのでしょうね。どう受け取るかは貴方次第という事にしたいと思います。

余談

もともと、ミニアルバムのタイトルは『トイボックス』となる予定でした。


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