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イマここに生きる!オーガニックオーダーの旅、暦のお話 〈立冬次候 『地始凍(ち はじめて こおる)』〉

2020年11月12日~16日 七十二候 第56候 立冬 次候 『地始凍(ち はじめて こおる)』

★一部改訂のお知らせ➤2020年11月17日、初期文中に使用していました『ムチン』という成分とそれにまつわる表現が国際的な観点から正確でないことがわかりましたので改訂させて頂きます。日本では何十年にも渡って野菜類から『ムチン』を摂取できると教えられており、学校教育の教科書に記載されたり、管理栄養士の教育現場でも教えられてきたことですが、国際的な正確さという観点からするとそのような考え方は適切ではないようです。

これについてはまだまだ一般的に周知のことではなく、わたくしも今回、こちらに書いたことによってご教授頂く機会を得た次第です。公益社団法人 日本食品科学工学会に問い合わせし、論文をお送り頂きまして記事を改訂致しましたが、農林水産省の配信や広報誌にも前者の記事が散見されますので、今後もすぐには正確な情報の周知は進みにくいのかも知れません。

ご紹介頂きました論文にその原因と思われることが書かれておりましたので、そのあたりのことも、書ける範囲での挑戦となりますが、改めて別の記事に書いてみたいと思います。ご連絡を下さった読者の方、お問合せ後、すぐにご見解と資料をお送り下さった公益社団法人 日本食品科学工学会の川本伸一博士、その他、お考えをお聞かせくださいました皆様に心より感謝致します。

それでは本文をお楽しみ頂ければ幸いです。★

「大地が凍り始める」の意。

このブログで念頭にしている、首都圏近郊の地域は、山間部でなければまだ凍るほどではないのかなという気がします。

ちょうど先日行った公園にメタセコイヤがあり、黄色く紅葉して晴れた空に映え美しかったので、似た写真を選んでみました。

晴れていれば日差しがあるところは暖かですが、何日かに一度、昼間でも気温があまり上がず、暖房がないと寒いなと感じる日が出てきたのも確かです。お風呂や温かいお食事が嬉しい時期になってきましたね。

からださんは敏いもの

意識は感じませんでしたが、体調に現れた証(しょう:古くからの表現で、何かしらの刺激が負担となり、肉体にダメージを受けたことがあらわれた状態のこと)で、冬の冷えが来ていることを知らされました。

よくよく気をつけていても、やはり大なり小なりの兆候はみられることはあり、いち早く氣付き手当していくことが大切なのだなと感じます。

わたしは足元に冷えを感じやすいので、デスクワークや長くキッチンに立つときは、小さなヒーターを使っています。

足元ヒーター、以前、職場で使っていたことがありますが、サイズが小さすぎたせいか、あまり暖が取れなかったので期待していませんでした。

ところが、今回、家族が用意してくれたもの、これがとっても快適♥

使っている場所の環境も服装も全く違いますから正確な比較はできませんが、お道具は日進月歩と心得なくてはと思いました。

今回のものは、机の下に入れてしばらく作業したあとは、腰回りのほうまで温まって、かえって調子が整ってしまうくらいです。

すっかりデスクワークが快適で楽しみになり、その後の体感もとても心地良く、助かっています。足元を温かくしておくことの大切さを再確認しました。

とはいえ、器具に頼る前に、運動や食事でからだの状態を整えでおくこともとっても大切。心がけようと思います。

この時期のたべもの

前回の候で立冬に入りましたが、京都のカブの千枚漬けのシーズンだそうで、漬けている姿をニュースで度々報道していました。立冬の仕事のようでした。千枚漬けで使う聖護院かぶ(しょうごいんかぶ)は、カブの一品種ですが、直径20センチ、重さは二キロ以上にもなるという大きなものです。京野菜の一種で、京の伝統野菜およびブランド京野菜に指定されています。

千枚漬けは老舗漬物店が毎年漬け、伝統を守っているそうです。修学旅行のときにお土産にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

おうちでもできると聞きますが、どちらも良いものですね。

冷たい風が吹くときの養生

アーユルヴェーダでは、基本的にドーシャと言われる三つの質をみて状態や対策を考えていきます。
ひとつの要素には他の要素も含まれますが、まずはシンプルに。

その三つとは、

●風(ヴァータ)

●火(ピッタ)

●土(カファ)※水気たっぷりの土、というイメージ

です。

このドーシャの観立ては「なるほど!」とうなってしまうことも多く、とても興味深い考え方だなと思っています。

漢方の陰陽五行説のように(歴史を考えるとアーユルヴェーダの方が早かったかもしれませんが)、世界にあるものは、それぞれの要素が影響しあってバランスが成り立っています。

長いお話になるのでざっくりと触れていきますが、

それぞれの要素は、ものごとの特徴を担わせるメタファーのようです。

簡単に言うと、同じ質の刺激を一度にたくさん受けてしまうと、その質が増えすぎてアンバランスとなり、状態は悪化してしまいます。

ですから、相反する要素を補ったり、増えて悪化してしまった要素をなだめたりしながら新しいバランスを見出していくのです。

今時期の場合、秋冬の冷たい乾いた風に当たり続けると、風の質が突出して増加(これを増悪と言います)してしまい、それに伴って体調不良のもとを作ってしまうというわけです。

防寒の備え、大切ですね。

(あるドーシャが増悪してしまう原因はこれだけではありませんが、今日はわかりやすいものを例にとってみました。)

あくせくと動き回るとよけいに増えてしまう「風の質」。

冷えて風が強い日に、外出で長時間、あせりながら動き回った…

これは風の質、だいぶ増えていそうです。

そんなとき、日本ならば、しっかりお風呂で温まり、オイルトリートメントや、あたたかな食事や飲み物などで、からだをほっこり潤してあげましょう。

しょうがを入れた甘酒も良いですね♥

ターメリックをホットミルクに入れる『ゴールデンミルク』もすすめられていますよ(⌒∇⌒)

日常のオイルトリートメント

慣れた方なら、お風呂に入る少し前に温めたオイルを塗布して、浸透してきたら入浴というのも良いものです。

ですが、これはちょっと慣れていない方には難しいかもしれません。

壁や床にオイルがついても危険ですから、いまいち慣れていないなという方は、お風呂で温まったあと、人肌程度に温めたセサミオイルでからだをトリートメントしてあげると、乾燥も癒やされ、リラックスできます。

べたつきや香りがニガテと感じたら、ここという一か所だけでもおすすめしています。場所はひとによりますから聞いてくださいね。

また、季節がすすみ、もっと寒く乾燥したときの不調を予防することにもつながりますよ。

できそうならば、オイルプリング(オイルうがい)、ナスヤ(鼻腔にオイルを垂らし潤す)もすすめられています。どちらも粘膜の乾燥を防いでくれます。

この時期の食養生は?

前回はかりんの蜂蜜漬けをご紹介しました。

今回はお食事メニュー。

各国地域にもよりますが、日本の首都圏近郊でしたら、これからの季節、おでん✨良いなあと思います。

この時期の食養生の基本ポイントは

●あたたか

●水分補給

●油分補給

栄養素ももちろん大切ですが、AHSHでは、そしてこの『オーガニックオーダーの旅 暦のお話』では、それとはまた違った観点、ホリスティックな感性を持つことをテーマとし、一例をご紹介しています。

自分でかん(観・感…)じてみる

これが大切です。

栄養素のお勉強もしつつ、

自らの感性で様々な機会を捉えながら、

からだを温め、潤し、粘り強く、強壮させていくものが好ましいと思います。

さて、おでんのお話ですね。

おいしかったことに感激したのでしつこいですw

練り物やお揚げは購入するとしても(組成を考えると自家製が良いのですが、日々のなかではなかなか大変ですよね)、巾着を作ったり、大根やじゃがいも、さといも、にんじん、ごぼうなど、根菜をたくさん入れて、家族や自分用にカスタマイズするのも良いなと思いました。
お肉を入れたい方は、考え方は色々なのですが…、特に気にしていないという方は、豚肉の巾着がおすすめです。

最も重要なわたしのおすすめポイントは、だし汁も自分で作ること。

むしろこれをしないとあまりおすすめはできません。

臨時で頂く分には良いのですが、市販のもの、特に店頭販売でできあいを売る場合は、おそらく保存の面からも、塩分・糖分が強く、場合によっては具材が浮くための成分が入っていることもあり、あまり養生食とは言えないと感じます。

出し汁はそれほど難しくはありませんから、是非、自家製して、愉しんでほしいなって思います☆

わたしのおすすめは、薄目の味付けにして、じっくり煮込んでいく方法。

これはお鍋のようなかんじになり、出し汁をスープのように頂いても滋味深く、とっても美味しいのです。

隠し味に八角などの漢方スパイスも入れて、温まって消化も助けてくれるメニューにします。

ぎんなんも強壮食材ですね。

青物が足りなくなるのが唯一の悩みでしたが、先日解決★

近所の方から頂いた新鮮な春菊と高菜があったので、初日は春菊サラダで松の実入り、翌日はお鍋のように一緒に煮てみたところ、なんとも美味しくて大満足でした。

外で頂くおでんのあとは、どうしても喉がものすごく乾いて、塩分過多や消化が重くなることに悩まされましたが、自家製はそんなこともなく、むしろとってもからだが満たされ元氣が出ます。

大好きなおでんを満喫でき、からだも潤され、とっても楽しい食体験となりました。

おうちごはん、最高のごちそうです。

季節が厳しくなるこれから、古来よりの叡智を取り入れ、薬膳で元氣に過ごしていきたいものですね。

20201113

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healing & creative salon AHSH

『透明な栄養』をテーマに有形無形の造形活動をしています。ホリスティック~全体観~という捉え方を活動の基盤にしています。この捉え方は、いのちの息苦しさが紐解かれたり、改善される可能性をかんじます。noteでは日々の思考研究も兼ねて、この考えをもとに書いたものをシェアしています。