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イマここに生きる!暦のお話〜二十四節気七十ニ候ってなんだ?

一年を通して様々な季節が味わえる日本。古来より大切にされてきた暦に触れていくことで、その豊かさをより深く感じられます。知ることは伝統や智慧、ひいては叡智とつながる第一歩。オーガニックオーダーを体感し、イマここに生きましょう。

古くから日本で使われてきた暦、

二十四節気七十ニ候。

耳にしたことはあるけど、

説明してって言われたらよくわからないなあ〜。

こういう方は多いのではないかな?

わたしもそうでした。

でもね、知れば知るほどおもしろい。

アイスブレイクにも使えちゃうかも?

紐解かないのはもったいない!

というわけで、
二十四節気七十ニ候についてまとめてみました。

リアルタイムに追っていくシリーズを連載中です。

https://note.com/ahshblog/m/m14c79eef1666

こちらはその解説。

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●二十四節気→一年を12分割して季節を割り当てた考え方
●七十ニ候→一年を5日ごとに区切り、七十ニ首の季節に関する詩で表したもの。

ざっくり言うと、こんなかんじ。
二十四節気は耳にする機会も度々あるのではないかな。

更に細分化された七十ニ候は、5日ごとに次へ進みます。

その5日間に対して季節をテーマにした詩が振られているの。

とても風情があるね。

ここが少しわかりにくいのだけど、第一候か第七十二候まで番号が振られているのと同時に、“二十四節季〇〇の初候、次候、末候“というように説明されたりもします。

例えば、二十四節季《小暑》の次候は、七十二候の第三十二候『蓮始開』ということ。

これは順番に解説記事を上げているのでマガジンをみてみてね。



七十二候は薬草についても度々触れていて、昔の生活に季節へのアンテナがいかに必要だったかを感じさせます。

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古来の日本ではね、

月の満ち欠けや太陽の運行

季節や年月の変化を知る手がかり

だったんだよね。

そこで使われていた暦が、
●太陰暦(たいいんれき)
●太陰太陽暦(たいいんたいようれき)

その後、明治5年に現在私たちが使っている暦、太陽暦が使用されるようになったのだけど、これはいまだに疑問を持つ研究者がいる。
昔のままの暦のほうが、日本に暮らす人々に合っていたのでは?とか。

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[太陰暦]
新月の日に一ヶ月が始まる。
毎月新月が一日→そこから満ちて欠けるまでがひと月。
神社さんに看板があるのを見たことある方も多いはず。


[太陰太陽暦]
太陰暦と太陽暦を合わせたもの


[太陽暦]
太陽のまわりを地球が一周する間を一年としたもの

ちなみに
●旧暦(きゅうれき)→太陰太陽暦の事
●新暦(しんれき)→太陽暦の事

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太陰太陽暦とは?

⚫飛鳥時代に中国から伝わった。
⚫一ヶ月が約二十九日(新月から始まり、満ちて次の新月前でひとつきのため)
⚫太陽の公転による季節の動きとズレが生じる


※月の満ち欠けと太陽の周期では一年で十一日ほどズレが生じる。

そのため、
数年に一度、閏月(うるうづき)を設けて十三ヶ月ある年をつくることで対応

めんどくさいと思う人達もいたり、世の中に混乱を生むと思うひともいた。


そこでできたのが二十四節気です。

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↑この図は12色が環になっています。これを一年とするなら、一色に二シーズン入れると二十四節季の運行がイメージしやすくなります。


二十四節気詳細


⚫太陽の動きをもとに一年を二十四等分し、季節の節目を表す言葉がつけられました。(後ほど追記します)

基点はこの四つ。

○「冬至」太陽の高さが最も低くなる
○「夏至」太陽の高さが最も高くなる
○「春分」冬至と夏至の真ん中
○「秋分」夏至と冬至の真ん中

この四つを基点とし、一年を二十四等分
★それぞれ約十五日間づつ

これが二十四節季のシステムです。

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七十二候登場



◎二十四節気をさらに三つにわけたものが「七十二候(しちじゅうにこう)」。

二十四節気が伝えられた約100年後の六世紀頃、古代中国から日本へ伝えられました。


★江戸時代に暦学者の渋川春海が日本の気候風土に合わせて改訂
★明治六年に政府が欧米に合わせて太陽暦(現在の新暦)を採用するまで使用されていました。

つまり、
千年以上も改良を重ねながら使われてきたなのです。

★気候という言葉も、二十四節気の”気”と七十二候の”候”から生まれたものです。


七十ニ候一覧■


2/4-7東風解凍(こちこおりをとく)東風(春風)が氷を解かし始める
2/8-12黄鶯睍睆(うぐいすなく)鶯が山里で鳴き始める
2/13-17魚上氷(うおこおりをいずる)割れた氷の間から魚が飛び出る
2/18-22土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)雨が降って土が湿り気を含む

2/23-27霞始靆(かすみはじめてたなびく)霞がたなびき始める
2/28-3/4草木萌動(そうもくめばえいずる)草木が芽吹き始める
3/5-9蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)冬籠りの虫が出て来る
3/10-14桃始笑(ももはじめてさく)桃の花が咲き始める
3/15-19菜虫化蝶(なむしちょうとなる)青虫が羽化して蝶になる
3/20-24雀始巣(すずめはじめてすくう)雀が巣を構え始める
3/25-29桜始開(さくらはじめてひらく)桜の花が咲き始める
3/30-4/4雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)遠くで雷の音がし始める
4/5-9玄鳥至(つばめきたる)燕が南からやって来る
4/10-14鴻雁北(こうがんきたへかえる)雁が北へ渡って行く
4/15-19虹始見(にじはじめてあらわる)雨の後に虹が出始める
4/20-24葭始生(あしはじめてしょうず)葦が芽を吹き始める
4/25-29霜止出苗(しもやんでなえいづる)霜が止み苗が生長する
4/30-5/4牡丹華(ぼたんはなさく)牡丹の花が咲く
5/5-9蛙始鳴(かわずはじめてなく)蛙が鳴き始める
5/10-15蚯蚓出(みみずいづる)ミミズが地上に這出る
5/16-20竹笋生(たけのこしょうず)筍が生えて来る
5/21-25蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)蚕が桑を食べ始める
5/26-30紅花栄(べにばなさかう)紅花が盛んに咲く
5/31-6/4麦秋至(むぎのときいたる)麦が熟し麦秋となる
6/5-10螳螂生(かまきりしょうず)螳螂が生まれ出る
6/11-15腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)腐った草が蒸れ蛍になる
6/16-20梅子黄(うめのみきばむ)梅の実が黄ばんで熟す
6/21-25乃東枯(なつかれくさかるる)夏枯草が枯れる
6/26-7/1菖蒲華(あやめはなさく)あやめの花が咲く
7/2-6半夏生(はんげしょうず)烏柄杓(カラスビシャク)が生える
7/7-11温風至(あつかぜいたる)暖い風が吹いて来る
7/12-16蓮始開(はすはじめてひらく)蓮の花が開き始める
7/17-22鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える
7/23-27桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)桐の実が生り始める
7/28-8/1土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)土が湿って蒸暑くなる
8/2-6大雨時行(たいうときどきにふる)時として大雨が降る
8/7-11涼風至(すづかぜいたる)涼しい風が立ち始める
8/12-17寒蝉鳴(ひぐらしなく)蜩が鳴き始める
8/18-22蒙霧升降(ふかききりまとう)深い霧が立ち込める
8/23-27綿柎開(わたのはなしべひらく)綿を包む萼(がく)が開く
8/28-9/1天地始粛(てんちはじめてさむし)ようやく暑さが鎮まる
9/2-6禾乃登(こくものすなわちみのる)稲が実る
9/7-11草露白(くさのつゆしろし)草に降りた露が白く光る
9/12-17鶺鴒鳴(せきれいなく)鶺鴒が鳴き始める
9/18-22玄鳥去(つばめさる)燕が南へ帰って行く
9/23-27雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)雷が鳴らなくなる
9/28-10/2蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)虫が土中に掘った穴をふさぐ
10/3-7水始涸(みずはじめてかる)田畑の水を干し始める
10/8-12鴻雁来(こうがんきたる)雁が飛来し始める
10/13-17菊花開(きくのはなひらく)菊の花が咲く
10/18-22蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)蟋蟀が戸の辺りで鳴く
10/23-27霜始降(しもはじめてふる)霜が降り始める
10/28-11/1霎時施(こさめときどきふる)小雨がしとしと降る
11/2-6楓蔦黄(もみじつたきばむ)もみじや蔦が黄葉する
11/7-11山茶始開(つばきはじめてひらく)山茶花が咲き始める
11/12-16地始凍(ちはじめてこおる)大地が凍り始める
11/17-21金盞香(きんせんかさく)水仙の花が咲いて香る
11/22-26虹蔵不見(にじかくれてみえず)虹を見かけなくなる
11/27-12/1朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)北風が木の葉を払い除ける
12/2-6橘始黄(たちばなはじめてきばむ)橘の実が黄色くなり始める
12/7-11閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)空が閉ざされ冬となる
12/12-16熊蟄穴(くまあなにこもる)熊が冬眠のために穴に隠れる
12/17-21鱖魚群(さけのうおむらがる)鮭が群がり川を上る
12/22-26乃東生(なつかれくさしょうず)夏枯草が芽を出す
12/27-30麋角解(おおしかのつのおつる)大鹿が角を落とす
12/31-1/4雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる)雪の下で麦が芽を出す
1/5-9芹乃栄(せりすなわちさかう)芹がよく生育する
1/10-14水泉動(しみずあたたかをふくむ)地中で凍った泉が動き始める
1/15-19雉始雊(きじはじめてなく)雄の雉が鳴き始める
1/20-24款冬華(ふきのはなさく)蕗の薹(ふきのとう)が蕾を出す
1/25-29水沢腹堅(さわみずこおりつめる)沢に氷が厚く張りつめる
1/30-2/3鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)鶏が卵を産み始める



五節句と雑節


「節(せつ)」という季節を表す目安が、二十四節気などの暦とは別に使用されていました。

関連して「節日(せつにち)」は、季節の変わり目を表し、祝祭を行う日とされています。日本古来の年中行事とも結びついています。


その式日を節句(せっく)といい、代表的なものに五節句(ごせっく)があります。

⚫人日(じんじつ)
一月七日

⚫上巳(じょうし)
三月三日

⚫端午(たんご)
五月五日

⚫七夕(しちせき)
七月七日

⚫重陽(ちょうよう)
九月九日

なぜ奇数?
古代中国では、奇数は縁起が良いとされていました。
しかし奇数が重なると偶数になってしまいます。
さのため邪気を祓う行事が行われており、その風習が奈良時代に日本に伝わったものが五節句です。


雑節

二十四節気はもとは中国でつくられたもの、日本の季節に完全には当てはまりませんでした。
そこで日本で考案されたのが、「雑節(ざっせつ)」です。
例えば節分や入梅がそれです。
行事の由来はその日ごとに違いますが、それぞれ日本の風習に馴染んで大切にされている季節の行事ごととなっていますね。



日本で考案された主な雑節はこちら。

節分(せつぶん)
新暦2月3日
立春の前日で邪気払いの為に豆まきをする

彼岸(ひがん)
新暦3月21日頃、新暦9月23日頃
春分、秋分を挟んだ7日間で先祖供養する

社日(しゃにち)
春分と秋分に最も近い戊(つちのえ)の日
春は五穀豊穣、秋は収穫を土地の神に感謝する

八十八夜(はちじゅうはちや)
新暦5月2日頃
立春から八十八日目で遅霜に注意が必要なころ

入梅(にゅうばい)
新暦6月11日頃
黄経(太陽の経路)が80度を通過する日

半夏生(はんげしょう)
夏至から11日目
薬草の半夏が生える、梅雨明けの時期で田植えを終える目安

土用(どよう)
立春、立花、立秋、立冬直前の18日間
主に夏の土用を指し、土に関わる作業は禁忌

二百十日(にひゃくとおか)
新暦9月1日頃
立春から210日目で、台風がやってくる時期

二百二十日(にひゃくはつか)
新暦9月11日頃
立春から220日目で、台風が集中する時期


◎暦とともに、オーガニックオーダーを感じる旅、共にお楽しみ頂ければ幸いです。

2020年7月6日

『透明な栄養』をテーマに有形無形の造形活動をしています。ホリスティック~全体観~という捉え方を活動の基盤にしています。この捉え方は、いのちの息苦しさが紐解かれたり、改善される可能性をかんじます。noteでは日々の思考研究も兼ねて、この考えをもとに書いたものをシェアしています。