風花


どうせすぐに忘れてしまうような
大したこと無い想いなら
いっそ風に流れて風化すればいいのに
嫌いになった訳じゃないのよ
と彼女は笑ったけど
それは好きでもなかったってこと

じゃあ僕はどうなのかと訪ねられたら
首を捻る始末
好きなんて感情はそれぐらい朧気で
頼りない蜘蛛の糸

音楽にもなりはしないこの歌を
口ずさみながら更ける時間すら
もう僕には惜しいんだ
それなら次の旅の支度をして新しい笑顔に会いに行きたい
誰かの心に寄り添いながら
僕もまた誰かに救われている
寂しいなんて贅沢者の戯れ言だと
タバコをふかして笑うまでさ