天然。
わたしはよく天然だとか呆けているとか抜け作だとか云われるのだが、この「天然」と謂う言葉を、「ちょっと抜けている」と謂う意味合いで使うのは好きではない。同様に、痛いと謂うのを「気の毒なひと、状態」に使うのもいいとは思えない。
これまで二件、インギーとキースと謂う、ミュージシャンとして、と謂うより、ひととしてちょっとどうかと思う言動を紹介したが、今回は日本人でかなり凄いことになっている人物を見つけたので、勝手に紹介しようと思う。それはGLAYのTERUである。
断っておくが、このひとのことはまったく知らない。曲も聴いたことがない。
「美味しいといっても舌打ちするほどではなかった」(舌鼓だろう)
「感動して蕁麻疹出ちゃう」(鳥肌だと思う)
「幸福饅頭」(成人式にもらえるものを訊かれて。恐らく紅白饅頭のことであろう)
「オールナイト・ポン」(オールナイト・ニッポン)
「年末早々」(もうじき終わるのに何を云っているのだ)
「セレブレット」(セレブが乗るサラブレットか?)
「緊張をほぐす為に、米米米って書いて飲み込んだ」(それで緊張はほぐれたのだろうか)
「スーパーのレジ」(やるとしたら他のどのパートがいいかと訊かれて)
「今日は最後のファイナルだ」(最後に幾つの段階があったのだろう)
「人生山はあっても谷はなし」(幸せな人生だ)
「しょくちゅー」(食中毒のこと)
「しゃぶりてー」(しゃぶしゃぶの看板を見て)
「本当に時が止まって慾しくない」(そのまま続ければ済むことである)
「これって生?」(自分の出ているテレビを見て。じゃあ今見ているおまえはなんなのだ)
「ドラ子」(ドラえもんのジャイ子のことを云おうとして)
「いいよねえ、オクトパス」(U2の「オクトーバー」をさして)
「大阪と謂えば、栄?」(栄は名古屋)
「名古屋も大阪だよね?」(違う)
「神戸は大阪だよね」(それも違う)
「そうだ、焼き肉」(「上を向いて歩こう」について。正解は「スキヤキ」)
「模範囚」(映画「模倣犯」を)
「モコロコ」(ロコモコを)
「今日の運転手、荒いなあ」(飛行機に乗って)
「どれがボンでどれがジョヴィ?」(ボンジョヴィのポスターを見て)
「メリー・クリスマス! 今年もよろしく」(十二月二十六日のライブで)
「静かな静寂ですね」(重複することをよく云うらしい)
「人間って、なんで電池が入ってないのに動くの?」(おまえには入っているのか?)
「やまびこさん、居ないね」(山に登って声が帰って来なかった時。幼児か)
「おれ、イレブンピーエム行ってくるわ」
「は? 何それ、セブンイレブン? am/pm? どっち」
「違うよ、イレブンピーエム」
帰って来たら、ファミリーマートの袋を下げていた。(ちゃんと買い物が出来ただけ偉い)
「泣かない、だって強いもん」(親知らずを抜いたときの話で)
斯う謂うひとは、恐らく何も考えず殆ど脊髄反射で喋っているのだろう。そうでなければ、お脳が素朴としか云いようがない。
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