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アタゴオル通信、1。

 なんか、ニンテンドースウィッチの『あつまれどうぶつの森』が大ヒットしているようで、有名人なども嵌まっているとやら。まあ、古くからは糸井重里なんかが、周囲を巻き込んで熱中しておりましたが(今もかな?)。
 慥かに飽きないゲームで、老若男女を問わない、稀有な作品であろう。攻略本がなくとも進められるのも魅力だ。その上、確固たる目標もない。なんて素晴らしいのだろうか。
 わたしが所有しているのは『とびだせどうぶつの森』なのだが、このゲームに嵌った理由は、二頭身のキャラクターでありながら、媚びるところがないあたり。何処となくすべてに毒があるところ。そして一番は、部屋のインテリアを弄れることである。
 現実のわたくしは、恥ずかしながら汚部屋の住人であるが、インテリアには並々ならぬ関心がある。家具や小物、キッチン用品に至るまで、見るだけでも大好きなのだ。貧乏だから買えないけれども。
 だからこそ仮想の世界で思う存分、買いまくり、堪能し尽くす。
 とは謂え、手に入る家具は限られており、新しいゲームでもないので(『とびだせ〜』の方は)、すれちがい通信に依る家具の入手も限られている。
 それでも、こつこつと慾しいものを集めて部屋に飾るのが愉しい。代替行為とでも謂うのだろうか。

 で、個人的な愉しみはさておき、この世界では取り敢えず、金(ベル)がものを云う。先立つものはゼゼコなのだ。世知辛いねえ。
 村に来た当初は兎に角、落ちているものを拾いまくる。後々のことを考えて、花は摘まない方がいい。それは後で判るとして、浜辺へ行き貝殻を拾い、R・パーカーズ(アルパカが店主だから)へ売りにゆくがよい。
 暫くはそうして処世する。
 道具を手に入れたら、虫取り、魚釣りで稼ぐ。南の島へ行けるようになったらもう、荒稼ぎが出来る。
 この南の島であるが、最初のうち、ゲームで行った先でひたすら果物を集めていた。それしか出来ないと思っていたのだ。
 ところが、到着したロビーの向こうへ行くことが可能で、更に道具までレンタル出来、サメやらエイやら、果てはナポレオンフィッシュまで釣れたりして、素潜り可、虫取りもOKだった。
 早よ教えてくれや。
 お持ち帰りボックスに入りきらなかった分は、なんと村の価格の二十分の一で売却されてしまうのでご注意を。判りやすく余った分は、ままごとをしているククに売り払うといい。
 無論ダンピングを極めており、端数は切り上げられている模様である。現地価格とはこんなものなのか。地元のものは価値が低く、安く買い叩かれる。なんと謂う現実感。
 この、おままごとを強要してくる幼い河童のククだが、科白と仕草がまるで薬物中毒者のようなのだ。
 声を掛けると、
「ああ〜、ねーたん。いいものもってるんでしょう〜。ククに売っておくれー」
 と身を捩り、ねだってくる。そしてブツを売ってくれと悶えんばかりに訴えてくるのだ。断ると、涙を振り散らかし、狂ったように嘆く。はっきり云って、ガイキチのジャンキーだ。
 しかも、面倒くさいので余った魚介類を纏めて渡すと、
「うわー、すごい。いいな〜。全部慾しいよぅ。〇〇ベルで売っておくれ」
 と、これまた、ジャンキー仕様の科白で迫ってくる。怖い。気持ち悪い。しかし価格は、村の二十分の一なのである。現地価格は恐ろしい。
 それは兎も角、島へは夕暮れ以降に訪れるのが吉で、何故ならその時刻以降だと虫も魚も多いからである。特に虫は、高額の甲虫がわんさか居る。蝶々の類が少ないと思ったら、釣りや昆虫採集のツアーに参加し、花を摘んで帰り、中央部に植えるがよい。
 虫が湧く。否、多く寄ってくる。
 まあ、素人裸足のどう森プレイヤー(通ぶってみた)からの、情報でありました。悪しからず。

*蛇足の注意事項。
 島でなくとも波打ち際で、マリンスーツを着た上で網を構えてAボタンを押すと、意図せずとも素潜りモードに入ってしまいます。これで何度「くっそー」と地団駄を踏んだことか。
 お宝を前にして、呑気に海へ潜ってしまう寸足らずの我が分身。
 クソだわけが! ナニしてんねん! 誰が潜れ云うてんねや。そこにたっかい虫おんねやがな。あほちゃうか、ボケカスハゲ。
 と、興奮してしまうので、水際で虫を狙う時は、内陸に向かってAボタンを押すがよいと思われます。

 因みに、当村の「アタゴオル」は、ますむらひろし先生の偉大なる作品から引用させて戴きました。アタゴオルシリーズは、我が青春の宝物であります。

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