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現実でコスプレのコの字も無かったオタクがVRCでコスプレする話

この記事はaokabiのAdvent Calendar 2022の企画です。12月12日分の枠です。
前回と同じく付き合わさせて頂いております。ありがてー限りで。
結構面白いものが多いので時間があるならぜひ読んでくれると嬉しいでごぜーます。コダって人のとかすごいよ

前回の奴と比べると、もうめっきりVRCの話になる感じです。
なんで、一応VRCを微塵も知らない人も読めるような感じに時折解説を挟みながら書いていくつもりですが分からなかったらそこは申し訳ない。


1.そもそもコイツ何言ってんの?


というわけで早速自分語りを少しさせていただく。

まあタイトルにある通り、自分はコスプレのコの字も無いオタクだった。
「コスプレ?ほーん、興味あらへんわw」というような感じで、特に興味すらも無い感じだった。

まあ当然その時はクソガキの中のクソガキだったのもあり、時間が経てば一応は、例えばTwitterのタイムラインとかで出てきたら、知っている作品であった場合は一応クリックして一瞬だけ見る、みたいな感じにはなっていた。

でもまぁ所詮はその程度で、昔一番好きだった作品がガンダム関連だったというのも関係してかは分からないが、コスプレを見ても結局は「おー頑張ってるな」とか思ったり、自分がコスプレをするなんてのは論外どころじゃないというような感じだった。


そんな中である日、VRCの存在を知る。
これは自分がかつて良く起動していた、Become FumoというゲームのDiscordサーバーにあったVRのチャンネルを見て、楽しそうにしている感じの海外ニキ達を見て惹かれるものがあったからという理由だ。

それで早速、前に書いた事のある記事とかでも同じような事を書いてるのだが、当時最安値かつ一般的なHMDとして存在していたOculus Quest2を購入した。
そこからVRの世界に入り込む様になった。

とまあここの流れは最初にあった前回にあったりするので省くが、まあ大雑把に言えばこんな感じ。


2.出会い

一体そこで何があったのかって言われると、VRCイベントカレンダーなるものが存在するというのを知る。

それを適当に覗いていたら、2021年の7月の中旬辺りでこんなイベントがあった。
東方幻奏祭」というイベントだ。
要するに4人のDJがそれぞれ好きなように東方アレンジ楽曲を組み合わせて所定の時間まで流すイベントだ。
当時東方熱が(何が理由でかはすっかり忘れてしまったが)再熱していた自分にとってこれはかなり興味がありまくるイベントだったので、試しにそのイベントへと向かっていった。


見ての通り、普通のアバターを使っている人もいれば完全に自作で東方のキャラのコスプレをしている人達がいたのだ。

これを見て驚愕した。
アバター改変(自分のアバターの見た目を頑張って変える事)のアの字すら当時は知らずに、ただパブリックアバター(VRChat内で拾える、誰でも使えるアバターのこと。アップロードした本人しか使えないアバターはプライベートアバターという)を使ってこのVRChatというゲームをプレイしていた自分にとっては「こんな文化があるのか」みたいな驚きがあった。

ここから「次のこのイベントでは頑張って大妖精を出せるようにしたいな……」という考えを持つようになった。

そこで、丁度8月から「Vket」と呼ばれる、VRChat内では恐らく最も大きな夏と冬にあるイベントが開催される事を知った。
当時Boothで物を探るという事も分からずにいた自分にとってはとても都合の良い状況で、「一回これでも見回って大妖精に合いそうなアバターを探してみよう」と思い至り、Vketを巡りまわった。

幸いなことにピンと来たアバターがいた。それが「リズ・ベル」というアバターだった。
当時改変のやり方をほぼ知らない自分だったが、まあ何とかなるだろ~~~~~~~~~~~~wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwとかいう考えを持ちながら0知識で改変を開始していったのであった。


3.VR上でコスプレをするのに至るまで

※ここから先は若干技術面的な記事となるので、興味がなかったら3枚目の画像の部分まで飛ばして貰って構わないです


という訳で、改変をする為にまず必要なものとして、大前提としてUnity Hubというゲーム開発等に用いられる開発プラットフォームのプロジェクトを作成できるアプリをダウンロードする。これがなければアバターをVRChatにアップロードする事が出来ないのだ。

その後に大妖精を再現するのに必要なものとして、大妖精は何といっても左側のサイドテールと特徴的な羽だ。
大妖精の羽に関しては普通に考えてBoothにある訳がないのでどうしようかと悩んでいたが、丁度海外Discordサーバーで、完全に著作権フリーの大妖精の羽があったのでそれを借りさせて頂いた。
次にサイドテールに関しては、どう探しても当時のBoothショップに理想的な髪型をしたサイドテールが無かった。
仕方ないので、付けれるタイプのサイドテールを購入した後に、ショートカットを適当に探して購入し、それらを組み合わせて大妖精の髪の毛を作り出した。ついでにアホ毛もつけたのだがそれは趣味。

次に、テクスチャという、所謂原画にある、リズ・ベルの目の色を緑色に頑張って変換した。ペイントソフトに色を変換する機能があるのは実にありがたい事である。

とにかく当時は、まず服を再現する前に適当に身体を再現しようという考えの元に創り出していたので、一応頑張って作った結果がこうだ。


写真のタイミングが丁度移動していて髪の毛もふんわり移動している所だったので何とも言えないのだが、こんな感じに少しずつ大妖精の要素を足していった。

ちなみに余談だが、テクスチャを反映させる為のマテリアル、つまり画材もそれぞれの部分に設定しなければならないのだが、当時そのマテリアルの設定もかなり苦手で、こんな感じにワールド次第ではサイドテールの色がショートヘアーに合っていない事があったりした。
こういう所も含めて手直しを頑張って行い、その後は大妖精らしさを出せそうなワンピースやシャツ、それとリボン(どちらかというとネクタイよりリボン派なので……どっちでも可愛いんだけど)を探した。

ここからが大変で、アバターの衣装には「○○対応衣装」という概念があるのだ。つまり、その衣装を何の調整もせずにアバターに着せられる状態という物であり、リズ・ベルにはそういった衣装が1個も無かった。

なので、その購入したワンピースとシャツは、上の画像もそうだが頑張ってサイズを合わせなければならなかったのだ。

サイズをスケール(拡大縮小が出来る)を調整して合わせたり、衣装の一部を消す(メッシュと呼ばれる、所謂3Dモデルのポリゴンを消す事)事で、どうにか素人なりに頑張って衣装を着せていった。

……のだが、ここからが一番問題であった。
VRChatでは当時、髪の毛を揺らしたり、スカートを動くようにするにはDynamic Boneと呼ばれるものを購入して設定しなければならなかった(今では公式でPhys Boneという無料のものが設定できる)
これを特にスカートに設定するのが非常に難しく、ただ移動して揺らすだけならば簡単な事ではあるのだが、これを足を動かしてもスカートを突き抜けない(90度みたいな、角度的な限度はあるが)ようにしなければならなかった。
これが死ぬほど大変だった。改変初心者である自分がやるべきではないレベルのものである。
それでもまあ探せば世の中神様はいるもので、「SkirtSupporter」という、スカートの設定を手助けしてくれるアプリケーションがあった。

それでもかなり苦戦はしたもののスカートを何とか設定する事が出来た。
しかも、それがちょうど「東方幻奏祭」が開催される3時間前くらいのタイミングであった。
そしてイベントに参加していった。

見ての通り、自分以外にもそういった東方キャラの改変をしている人が複数人いた。
改変ばかりで、VRChatの機能にあるカメラというものをそこまで使ってなかった故に割と下手な写真ばかりだったり、そもそもそんなに撮っていなかったのだが、どの人も高いクオリティのものを出していてスゲ~と思った。

……これもまた写真を撮っていなかったので、当時描いた想像絵でイメージを貼らせて貰うのだが、声を掛けられて写真を撮られるタイミングがあった。絵の上手さはあんまりなのでそこは勘弁して頂きたい。

字、きったね~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!


見ての通り、ぬいぐるみを抱えたナズーリンの方と大チルのぬいぐるみを持った自分と橙の方とのスリーショットを撮ってもらっていたし、その後ソロで何人かに写真も撮られていた。

まあ画像にある通りなのだが、「そうか、コスプレしてるレイヤーさんってこんな気持ちだったんだな……」と思いながら被写体となっていた。
ひとことで言えば、「写真を撮って貰えて嬉しかった」のだ。

純粋に自分の好きなキャラを自由なポーズをして写真を撮れるというだけでも大きいが、ほかの人にも「○○だ!かわい~」みたいな感じに認識してもらって写真を撮ってもらえるのも嬉しく、モチベに繋がるものがあった。

そうしてコスプレ改変沼に嵌っていくのであった。


……ちなみにコスプレとは全く関係ない余談ではあるが、元々は大妖精の改変の為だけに買ったリズ・ベルにも今ではわりと愛着が湧いており、普通にリズ・ベルとしての改変をしてメインアバターといっても差し支えない程度には使用していたりした。


4.そこから大体現在くらいまで


こうしてコスプレ改変をする事の楽しみを知った自分は、気が向いた時にコスプレ改変を作るようになっていった。
てゐ(もどき)、清蘭(これは製作過程のnoteがあったり)、にゅーくれらっぷ(ネタ)、典(Unityのデータが吹っ飛んで直さないといけない状態のまま編集できなくなり闇に葬られた)、クラウンピース(なんかおかしくない?)、映姫(一番頑張った)、静葉(2番目に頑張った)、優曇華(元のアバターがINABAという名前だから、っていうネタ)というような感じに、まぁまぁの頻度でコスプレアバターを作っていった。一度画像を連投するが失礼。

てゐもどき(割とてゐと認識してくれる)
清蘭(あおりんご)
にゅーくれらっぷ(サランラップじゃない)
典(まだ調整が終わってないのに闇に葬られた)
キャプテン・ピース(右)
映姫(手乗り霊夢付)
静葉(この写真なんかPCの背景にするくらい普通に好きだったので……)
優曇華(原作立ち絵イメージ)

のようなかんじ。ちなみに東方の改変画像ばかりだが、それは自分がそうやってるだけで当然他の作品のコスプレをしてる人もいるし、改変集会もあったりする。

ほかにも、コスプレ改変を作っていくにつれて、現実では決して出来ないような事がVR上では出来るという事実にも魅力を感じるようになっていった。
例えばではあるが、チェンソーマンの主人公であるデンジ(のコスプレ)でチェンソーマンに変身するようなギミックを作ったり、弾幕をばら撒いたり(当然そういうのはTPOを弁えないといけないけど)、はたまた紅葉を空から降らせたりする事が出来たりするのだ。ついでに影絵Bad Apple!!もできちゃう。


そういったような、現実では決して出来ないような原作再現をVR上で行う事が出来るというのは、決定的な違いであるといえるだろう。
当然それを仕込むのは普通に大変ではあるものの、やれればそれだけ面白い事を出来るというのはやはりとても魅力的なのだ。

あとは、純粋に枠にとらわれる必要がないというのもある。
例えば先ほどのてゐみたいに、キャラを服まで忠実に再現せずに、自分なりにアレンジしても良いのだ。

このような感じに、男体化レイマリなんかをやったって全然良かったりもする。
自分の好きなように改変をしても楽しめるのがVR上でのコスプレの良い所なのだ。(個人の感想です。)

まあぶっちゃけこういうの、普通にイラストとしての二次創作であったりもするし、普通に男でも構わずコスプレするのもあったりするしね。案外普通なのかもしれない。

ちなみにこれも余談ではあるのだが、意外とこのコスプレ文化は面白い事もあったりする。
例えば、あの(みなさんご存じ)アークシステムワークスが、Vketでギルティギアのコスプレ用衣装を出していたりするのだ。

この場にはないがディズィーのコスプレ衣装紗夢のコスプレ衣装もあったりする。

こんな感じに、いち企業が自社のキャラクターのコスプレ衣装を正式に出していたりするような現象は、とても面白いと思う。これが初販売された当初は当然話題にもなったし、この衣装を用いてギルティギアストライヴの空ダの時に出る魔法陣をちゃんと作った上で空ダしているメイの再現動画を出したりしている人もいたりした。この流れに乗じて、ギルティギア改変集会が開催されたのも確認している。
ちなみに何でメイだけ安いのかは謎。


5.あとがき


そんなこんなで、自分がVR上でコスプレ改変をする事にすっかりハマってしまった経緯とついでに申し訳程度に個人的に面白いと思った小ネタを挟ませてもらった。

割と読み続けても疲れる(のと納期に間に合わないと困る)ので手短に記事を書いたつもりではあるけれど、それでもなげーよアホ!とかそんな面白くなかった!とかになっていればそれはそれで申し訳ない。


この経験をした後に今年の秋季例大祭に行ったのだが、その時にコスプレをしていた皆さんを見た時の感想が普通にこのコスプレ改変をする前と全然違って、「フリルすっげ、どんだけ手間かけてんだアレ」「あの小物すごない?色々とえぐい作りしてるんだけど」みたいな、細かい見方や感想を持つようになったりとかもした。

とまぁ、自分がコスプレを(仮想空間ではあるが)体験した感想みたいなものを軽く語らせて頂いた。
この記事を読んでもしもこういうのに少しでも興味が湧いたりした人がいれば幸いである。

ちなみにお勧めはそこらへんにある衣装を少し弄るだけでそれっぽく見えるキャラの改変をすることです。何故かというとそういう入り口を作って初めてもモチベは割とあがったりするので。

というような形でこの記事は終了とさせていただく。
ここまで読んでいただき有難うございました。









ちなみにゆっくりもできちゃうよ……

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