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頭の中がインコでいっぱいになっている2021年12月

はじめに、これは明るい内容の文ではありません。明るい物をお求めの方は、ご覧になるのをお控えください。
そういうものを公開するのもどうかと悩んだのですが…自戒を込めて残しておきます。

記事をまとめるにあたり、参考にした書籍を文末に記載します。


12/13から12/19までの記録


アキクサインコのちいちゃん。
いつもはこちらの呼び掛けにすぐ反応して、鳴いたり、目を合わせたり、首を傾げたり、リアクションを返してくれます。

今は、項垂れて、ゴハンを食べる時以外は眠り続けています。(12/19(日))



物心ついた頃から、家にはインコが居ました。繁殖させていたわけでもなく、それぞれ縁があって家に来たインコ達です。

ボタンインコ・2羽
セキセイインコ・4羽
オカメインコ・1羽
コザクラインコ・1羽
アキクサインコ・2羽

自分が幼すぎて、記憶にうっすらとしか残ってないインコ達も含みます。
同時期に複数羽居たときもあれば、1羽だけの時もあります。インコ達は種類が同じだろうが関係無く、皆それぞれ性格が違ってました。

鳥は、空を飛ぶ為に進化を遂げた生き物。
羽毛、筋肉、骨格、消化器官から呼吸器、感覚器に至るまで、飛ぶ為に適した体になっています。

空を飛ぶには、体は常に軽くなくてはなりません。鳥は、食べる→出す、のサイクルが早く、体を軽く保たれます。少しの量を短い時間ごとに摂取し、食い溜めが出来る仕組みにはなっていません。
家のインコを見ていても、食餌は少しずつの量をちょいちょい摘んで食べていますし、数分~十数分おきに排泄します。

人間だと通常、一日食べないぐらいで大事には至りませんが、鳥にとっての「一日食べてない」はエネルギーの蓄えが全く無くなっている致命的な状態です。

それが分かっていたのに、見逃してしまいました。
12/13(月)の夜、あんまり食べてない?何となく元気ない?まぁ、朝には戻ってるよね。ぐらいにしか思わなかった。

翌日の朝にはもうグッタリしていて、長時間、下手すると一日以上、何も口にしてないことが分かりました。
12/14(火)動物病院に連れて行き、飲み薬を貰いました。

治療内容は以下。
・薬は飲み水に混ぜて与える
・インコのゲージ内は28~30℃に保つ
・ゲージから出さない、体に触らない
・24時間常に明るくして、いつでもゴハンが食べられるようにする
・栄養バランスの整ったバードフード(ペレット)以外の食べ物(シード、野菜、果物類その他)は与えない
・10日後再診


病院から帰って、その翌日も、呼び掛けても反応せずグッタリして目を開かない ちーちゃん。
注意深く視ていれば、もっと早い段階で変だと気付くことも出来たのに。
今のような気温の低い時期や、梅雨の細菌が繁殖しやすい時期は、普段より体調の変化に敏感でいなきゃならなかったのに。

「もっと早くああすれば…こうしておけば…」
そればっかりです。

今までも、羽の生えた小さい家族とお別れしたときに、同じ思いを味わったはずなのに。何回後悔すれば学ぶのか。

後悔と、反省と、自己嫌悪と…

そればっかりです。


幸い、ちいちゃんは12/16(木)の朝からゴハンを食べる回数も量も、排泄の量も少しずつ増え、排泄物の色(インコは絶食状態には排泄物の色が、普段より濃い緑色になります)も通常時に近くなってきました。

12/19(日)現在も、食べる時以外の殆どの時間を眠り続けていますが、快方に向かっているものと願います。


お世話になっている動物病院は、隣の県にあるエキゾチックアニマル(犬猫以外の小動物)専門の病院です。もうかれこれ20年近く、家の小さい家族が代々お世話になっています。
鳥類、爬虫類、げっ歯類、両生類…様々な種類の動物を一人の獣医師が診られています。

こぢんまりした建物にスタッフは少人数、大がかりな医療機器も、HPもありませんが、口コミで知った病院です。
そちらの獣医師は元・動物園の獣医で、小動物に対する豊富な知識と経験と情熱で有名です。
そこでの治療方針は、飼育環境・食餌から改善し、免疫力、自然治癒力を高めることを基本にしているようです。
小動物はそもそも、体が小さいぶん麻酔薬等に弱く、治療に伴う痛みのショックに耐えられない性格の子も多いので、そういった治療はなるべく控えておられるようです。
そして、貰った薬を飲ませたからといって、すぐに元気になるわけではないのです…体力がもたないぐらいに弱ってしまっていたら…体調の変化に、飼い主が一日でも早く気付き、行動に移さなければ手遅れになってしまうのです。

診察中の動物を優先されており、スタッフ少人数制ですので忙しいときは電話応対も難しいそう。電話予約も受け付けておりませんので、ここでお名前を出すのは控えます。

もし岡山県近辺在住で小動物の病院をお探しで困っている方には、この記事のコメント欄などでお尋ねくだされば、そちらの方の『クリエイターへのお問い合わせ』にて病院名と連絡先をお答えします。(念のため書きますが…イタズラや冷やかしは、悲しくなるのでなさらないようお願い致します)
なお、そちらの病院では、他の小動物が怖がる等の理由から、犬猫は一切診ておられません。(昔は診ていたそうですが)くれぐれも犬猫を連れて行かれないよう、ご注意ください。

また、これから小動物をお迎えする方は前もって、ご自宅から通える範囲で、エキゾチックアニマルの専門的な病院があるか、その病院の評判も含めてリサーチしておくことを強くおすすめします。
他意無く、実体験として述べますが、病院側が「小動物診れます」と謳っている場合も、良い設備のある大きな動物病院でも、小動物の扱いに慣れてない病院(獣医師)が殆どでした。


12月後半から、冷え込むとの気象予報。

ちいちゃん家は28℃を下回らないよう、60Wの小動物用ヒーターを新調し、既存のヒーターに追加設置し、カゴに保温のカバーを掛け(ヒーターには、物が直接当たらないよう金網やコンロ用のアルミカバー等で囲っています)それでも温度が上がらない時は、部屋のエアコンも付けて加温しています。
時おり、羽を広げて暑そうにしていますが、これも治療のため…(^_^;)

ちいちゃんは雛の頃、まだ挿し餌が必要な時期(羽は生え揃っていて、危なげなコントロールでもう飛んでいた)にお迎えしました。
そういう時期から挿し餌をして育てたせいか、アキクサインコながら人の手の上でくつろぐのが定位置で、ご機嫌な時は うろ覚えのような独自のアレンジを効かせたチョコボのテーマを唄い、「ちーちゃん!」と自分の名前も言える(と、思っている)ちょっとアキクサらしくない子です。
(アキクサは一般的に、人に体を触られるのが苦手で、音真似や物真似も不得意と言われています)

お迎えした当時に健康診断に行きましたら、一見元気そうに見えて、既に体内に、メガバクテリア(マクロラブダス、AGY)や、カビ、羽にはダニが潜んでいました。その時も同じ先生にお世話になり、元気に育ちました。
2019年夏頃に、今回と同様の(今回よりは軽症だった)体調不良を起こし同病院に通院しました。(治療法はほぼ同じ、おそらく処方薬も同じ種類)
来年の5月で、6歳になります。

トップ画像は、ちいちゃんの前に家に居たアキクサインコの はるちゃんです。
自分の不注意で体調不良を見逃し手遅れになり、4歳という元気いっぱいなはずの年齢で死なせてしまいました。

ちいちゃんは、長生きしてほしくて「千代」と名付けました。

願うだけでなく、自分のやるべきことを普段からきちんとやっていなくては、インコの長生きは叶いません。自分の出来ることは限られています。

カゴを清潔に
ゴハンと水は新鮮な物を
温度を保って
体調の変化を見逃さない

自分に出来る限りのことをやった上で、ちいちゃんの体力と気力に希望を持ちます。

12/18(土)の朝から、久しぶりに少し囀ずってくれています。普段はもっとお喋りなので、まだ本調子ではないのですが。

12/21から再診日(12/25)までの記録

12/21(火)
朝もよく食べ、帰宅時にはピヨピヨピヨピヨ鳴いてくれた。ご機嫌な様子。「体に触らないように」と注意されたものの、フンの状態がよろしくなかったのでお尻が汚れてしまってるのを拭いてやりたかったし、体重がどれくらい戻っているかも気になり、帰宅直後体重測定。
「31g」に愕然とする。
というのも、平常時で42~43g、12/14(火)通院した日でも41gだった。平常時の7割に落ちてしまっている。人にしてみたら、平常時60kgの人が数日で42kgにまで落ちているわけで…鳥と人、消化器官の造りが違うので、食い溜めの出来る人と単純比較出来ないだろうとは思いますが、体重の落ち込み方が激しくて気が動転…。小数点以下測定出来ない、キッチン用電池式スケールを使っているのもあり、1gで一喜一憂する必要はないのだろうけど、ちいちゃんを持ったときの軽さ、胸に触れたときに竜骨突起の尖りがハッキリと分かるほど痩せてしまってる。
(インコの体型の指針として、胸の竜骨突起に触れる、というものがあります。胸の中央辺りに触って、竜骨突起の尖りが明確な場合は痩せすぎ、また、竜骨突起が肉で埋もれて全く分からない場合は太り気味、何となく分かるぐらいが丁度良い体型なんだそう)
食欲は有り。
ゴハン以外は寝たまま。
就寝前にもう一度体重測定、32g。

12/22(水)冬至
前日よりテンションが低めだが、朝よく食べた。帰宅時には鳴いてくれず、うとうとしていた。帰宅直後体重31g。
食欲は戻ってきてるのだから体重も戻るはず、と自分に言い聞かせる。
やはりゴハン以外は寝たまま。本能的に、余計な体力は使わないようにしているのかもしれない。
就寝前体重33g。

12/23(木)
朝体重32g。
食欲有り。
帰宅直後体重32g。
体重の数字的には変わってないが、顔つきがしっかりしてきて、ピヨピヨピヨピヨお喋りも沢山してくれた。数日ぶりに羽の手入れを念入りにしていたのも確認できたので、体力はまずまず戻っているのではないかと思われる。
カゴを28~30℃に加温していることにより、のどか渇くらしく、飲み水(薬入り)の減り方が激しい。
ちなみに、水を替えたときの冷たい状態を好むようで、替えたてがテンション高く、よく水を飲む。中身より容れ物外側の水滴を懸命に舐めるのは、薬の味がお気に召さないせいか。
水替えは1日1回、と言われて薬を処方されているのだが、水替え時のテンションの上がり具合をみると、1日2回の方がちいちゃんには良さそうと思い、そうしている。
その場合、規定量だと次の再診日までに薬が無くなってしまうので、水も薬も半量に(規定濃度は変わらないように)している。あと、以前2019年に処方された時もそうだったのだが、3種類の薬のうち1つが激マズらしくて、それを規定量添加すると頑として水を飲まなくなってしまうので、この1つだけは規定濃度の半分に抑えている。
前回、先生とも相談したが、飲まないよりずっと良い…ということで。
あと、食欲は有る、ゴハンを啄む姿はよく見られるのだけど、こぼしている量が多いのが気になる…(これは健康な時からのクセでもある)
インコは食べてるように見えて、つついてるだけ、若しくは散らかしてるだけで実は食べてない場合もある。
でも排泄量も確実に増えている。
今のまま、焦らず。


12/24(金)
昨晩も沢山お喋りしていたが、朝からテンション高め。食欲有り。
あまりにもテンションが高いので、逆に不安で、朝の体重測定は控える。(体重測定しようとして、隙をついて手から逃げ出し、部屋中ビュンビュン飛び回って、そのあとグッタリするのではないかという…病み上がりのちいちゃんの少ない体力を消耗しそうなビジョンが見えた…)
帰宅時も、ゴハンより遊びたそうにしている。遊びたい元気か湧いてきているようで嬉しいが今は遊べない。とにかく沢山ゴハンを食べてほしい…複雑な心境で見守る。
帰宅直後体重32g。
明日は再診で長距離移動しなくてはならないのだから、今晩は早めにゆっくりお休み。

「24時間明るくして、いつでもゴハンを食べられるように」…とのことだったのですが、明るくしてても寝るときは寝るし、メリハリが無くなる気がしたのでこれは早々に方針転換しました。
元々、朝寝起きによく食べる子なので、ゴハンを食べた後は暗くして寝かせて、数時間経過後明かりを点け、朝が来たような気にさせてゴハンを食べさせる試みをしました。(効いていたのかどうかは正直微妙です。思惑通り食べた時もあれば、明かりを点けて呼びかけても寝たままの時も…)
また、不在時は部屋が静かで、朝から夕方までずっと飲まず食わずで寝たきり状態になっていることも考えられるので、TVオートON設定をし、昼過ぎには部屋に物音がするようにしておきました。
これも正直効果のほどは不明ですが、起きてゴハンを食べた形跡はありました。(TV無しでも食べていたのかも…?)

12/25(土)
朝体重32g。
朝からご機嫌だったのに、替えたての水を飲んだ後、もどしてしまった。
昨日「病み上がりの」と表現したがまだ全然、病み「上が」ってはないのだと思い知らされる。
食欲有り。
再診に向かう。移動時間片道2時間強。近くにも信頼できる獣医師がいてくれたらいいのに。
それにしても前回は運転中、行きも帰りも ちいちゃんの体力が持つかどうか不安でひどい精神状態だった。信号待ちで停まる度に ちいちゃんの様子を伺っていた。
今回は、移動中も病院の中でも、ちいちゃんのお喋りは絶えず、診察でも先生の手に自ら乗っていくほどご機嫌。病院に来ると具合悪いのが治ることを経験則で分かっているのだろうか。
来院して診察し支払いを済ませ、帰るまで10分とかからなかったが、この日の午前の診察では、ちいちゃんと同じような症状のインコが沢山診察に来て忙しかったそう。
気温がぐっと下がるこの時期は、インコの免疫も落ち、体に悪い菌が増えてしまうので要注意。
ちいちゃんの体の菌は前回の半分程まで減ったとのこと。次の再診は2週間後。吐き気止めの薬も追加され、薬は4種類になった。
まぁ何とか無事に年が越せそうてひと安心。


参考図書

鳥の本①
「鳥ってすごい!」樋口広芳

鳥類の体の造り、空を飛ぶ仕組み、行動、知能など、内容は学術的ですが、文章がやさしくまとめてあり、ボリューム的には単行本サイズで薄くて読みやすい。
渡り鳥の渡りの謎や、知能の高い鳥の代表的存在として、カラスの行動にも触れてあり、読後はそこら辺にいるカラスをじっくり観察したくなる。
貴重なシーンの鳥の写真に加え、鳥の羽毛や骨格のイラスト(箕輪義隆さん画)が精密な美しい線画なのも見所。


鳥の本②
「インコの食事と健康がわかる本」 細川博昭


飼育下のインコの食事と健康管理のことがまとめてあります。インコの行動についても心理面から分かりやすくまとめてあり、写真と可愛いイラスト入りで読みやすい。
排泄物の色・状態によってどういう異常が考えられるか。
フードの選び方。シード食からペレット食への切り替えの難しさ(シードは嗜好性が高く、シード食で育ったインコは、総合栄養食のペレットに切り替えるのがとても難しいのです)、ペレットを食べられるようになる為の工夫の仕方。
いざというときの心構。「元気になる」と希望を持つことと、希望的観測に逃げてやるべきことを見失うのは別、ということも。 迷った時、ダメかもしれないと心が折れそうになった時にも読んでます。


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