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ツバメ見守り隊

今、ツバメの雛の誕生と巣立ちを見守る方は全国各地にいることでしょう。かくいう自分もその一人です。住んでるマンションと職場、2世帯(?)のツバメを見守っています。

職場のツバメの巣は、この週明けから雛の気配がしなくなったのでおそらく巣立った模様。外敵にやられることなく、無事に巣立っていることを願います。

そもそもツバメが、人の出入りのある建物を選んで営巣するのは、

・民家の近くには、巣材になる泥や藁が豊富な田んぼがあるため(田んぼ、徐々に減ってきておりますが…)

・人の出入りのある建物は、カラスやヘビなどの外敵が近寄り難いため

などと言われています。ツバメの営巣は、

・ツバメが田畑の害虫を食べてくれる

・ツバメが営巣する条件の『人の出入りが多い』ことは、接客業では商売繁盛に繋がる

・ツバメは安全な場所を選んで営巣するため、ツバメの巣のある建物は火災が出ないという謂れがある

など、縁起の良いこととして重宝されます。が、衛生的問題から嫌がられる場合もあります。

職場は縁起をかつぐ方針なので、ツバメウェルカムで、丁重に見守っていました。

一方、ウチのマンションでは管理会社が週に一度共同スペースの清掃をしに来てくれるのですが、その際ツバメの巣は今年3~4回撤去されました…。

管理会社の清掃はお仕事だし、可哀想だけど仕方無いのかな…とモヤモヤしていましたら、ある日同じマンション住人(多分)が共同スペース掲示板に貼り紙をしました。『ツバメがかわいそうなので巣をとらないで』と。

毎日せっせと巣材を運んで、少しずつ大きくなった巣が、週一の清掃で撤去される。撤去されても撤去されてもツバメ達はまた巣を作るのですが…週一、というスパンは ちょうど巣が完成する頃に撤去されるのです。

巣があった筈の何も無い場所で、まだ肌寒かった4~5月、身を寄せあって寝ている2羽は、確かに『かわいそう』としか言い様がありませんでした。

同じ気持ちの住人が居たのかと、顔も知らない相手と少し通じ合えたような気持ちになりました。が、巣を容認するとなると、巣の下がフンだらけになることは必至。そうじ大変だろうな…週一では追い付かなくなるな…と思い、せめて巣の下に古新聞を敷くことにしました。

同じ鳥でも、自ら巣や雛を守るバイタリティーのあるカラスなら、そんなふうにはならないのでしょう。(まぁまず、カラスが人ん家の軒先に巣作らないのですけど)

先日初めてカラスの警戒する鳴き声(多分)を聞きました。

小さい並木道を歩いておりましたら、なんかカラスが騒がしい。姿は見えなかったけど、そう遠くない場所から、2羽ぐらいがずーっと耳障りな声で鳴き続けてる。その時は(ガアガアやかましいなぁ)ぐらいにしか思わなかったのですが…。おそらくあれがハナシに聞く『子育て中のカラスの警告声』だったのではないかと思い返します。

きっとその付近にカラスの巣があり、チンタラ歩いてる人間(ワタクシ)に対して『それ以上近付くなよ』と警告していたのかと。もしそっちに用事があったら(偶然そっちには行かなかったから良かったものの)カラスの爪の洗礼を受けていたかもしれません。

ツバメは、カラスのように勇猛果敢に外敵と直に戦うことは出来ないかもしれませんが、人間を外敵とみなすことなく住居の間借りをし、あまつさえ人間を警備員兼清掃係に使うとはなんという甘え上手(?)なのでしょうか。

ウチのマンションにも間借りすることを容認されたツバメ達は、せっせと巣を完成させました。ツバメ達は夜間、一羽は巣の中で、もう一羽は巣の近くでスヤスヤ眠っている姿を何度も見かけました。巣の中で一緒に寝ないようです。

何日か経ち、姿を確認出来るのが一羽だけになってしまいました。それまで二羽とも、夜間は巣に戻って休んでいたのに…。一羽は、外敵か、事故に遭って戻れなくなったのか…一日中観察出来ないので昼間の様子は分からないのですが、夜間巣の中で寝てるのは一羽だけになってしまいました。

そのうちに一羽は、明るい時間帯でも巣の中に居るようになり、どうやら卵を温めている様子。本来なら、相方に餌を運んでもらうはずのところ、姿を確認出来ない相方…抱卵中のゴハンはどうしているのだろうかとまたモヤモヤ…。

雨降りの夕方、一度だけ相方らしきツバメが巣の近くに戻って二羽が揃っていましたが、あれが果たして本当に相方だったのか、通りすがりの別のツバメだったのかは不明。

(後に調べたのですが、どうも抱卵を始めると雄は少し離れた場所から巣を見守るようです)

そうこうしているうちに、巣の中から微かな鳴き声が聞こえてきました。気のせい?空耳?と思うほど小さな鳴き声です。しかしその翌日には、雛の姿を確認出来ました。か細い鳴き声をあげる弱々しい姿は、心配になりました。

そんな心配をよそに、雛は次々と孵り、親ツバメがせっせと餌を運び、スクスク育っております。6羽の雛が確認出来ました。あの か細い鳴き声は幻聴だったかと思うほど、今では大口を開けてジャージャー大合唱しています。

羽も、ポヤポヤの綿毛だったのが、しっかりした黒い羽が生え揃ってきました。体つきも大きくなり、巣の中で狭そうにひしめき合っているのが下から見ても分かります。

今週末か、来週には飛ぶ練習を始めるのではないか?と推測しています。

どうか皆が早く上手に飛べるようになり、無事に旅立ちますように。

来年も元気に還ってきますように。

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