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マッチングアプリで初めて会った人と京都旅行へ行った話(8話)

旅先の京都で初めて出会ったQさんは、
とても魅力的な方だ。
清潔感のあるオシャレさんで、知的でスタイリッシュで、自身の仕事やものづくりに対して誇りを持っている方だ。

けれども、Qさんに質問されたことに対して
私は自分のことなのにうまく返せなかったりしている。

彼が拾ってくれそうなキーワードを随所に散りばめた話を続ける私。だけど、何もヒットしなくてただただ脈略のない長話を続けているようで自分にがっかりした。

ゲームでいうなら、連続攻撃技を仕掛けるんだけど、うち3発が激弱攻撃でうち2発がミスみたいなもの。

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15.KYOTO GLAPHIE

さて、Qさんの旅の本来の目的は

「KYOTO GLAPHIE(キョウトグラフィー)」という写真のアートフェスだった。

京都の街中、商店街やショッピングモール、世界遺産や文化財、市の公共施設が展示会場となりアートを楽しむことができるイベントだ。

朝食を食べ終えた私たちは、
早速、レンタサイクルをして出町桝形商店街の
ンガディ・スマートの作品を観に行った。

コラージュ作品が商店街を彩る。
商店街の古写真と現在の写真をコラージュした作品が大きくプリントされアーケードの天井へといくつも飾られている。日常にアートが溶け込んでいる。

商店街の中にある「DELTA 」も訪れた。
ここはイベント会期中も終了後も通年で展示などが行われギャラリーカフェ、ホテルとして開かれていくそう。

ホテル美しい....!

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16.出町ふたばの豆大福

近くに、Qさんイチオシの豆大福屋があるので
「出町ふたば」さんへ向かった。

朝に立ち寄ったまるき製パンよりも、長い行列ができていた。30分ほど列に並んだ。

並びながら、SNSに関する世間話をした。
QさんはSNSでアカウントを3つ使い分けていて、自分(見るだけ)、本業の団体のアカウント管理、演劇アカウント管理をしているそう。Twitterもインスタもそんな感じでやってるらしく本当の自分がわからなくなってむやみやたらと好きなこと発言できない...みたいなことを言っていた。色々大変だね。

「豆大福の日持ちはどのくらいでしょうねぇ...?そんなに美味しいなら家族や友達にもお土産にほしいなぁ」
と、私が気にしていたら、Qさんはすぐさま店員さんに日持ちのことを確認してくれた。

日持ちは当日中だったので、自分用に豆大福と福豆大福を購入した。

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17.念願の鴨川でピクニック ①

すぐ近くに「鴨川デルタ(鴨川三角州)」と呼ばれる場所があった。東から流れてくる高野川と西から流れてくる賀茂川の合流地点である。

先程、購入した豆大福をこちらでいただくことにした。
自販機で、京都福寿円のお茶"伊右衛門"を購入した。

ビニル袋をシートがわりにして芝生に腰掛けた。
こういうことに抵抗のない人でよかった。
豆大福はおもちがやわらかくて、塩っけと甘さがちょうどよく本当においしかった。

そして、ここにきてやっとQさんと人目を気にせず
ゆっくりと会話ができた気がする。思えばさっきまでは、少しせわしなかったのかも...。
カフェの隣り合わせの人が気になったり、バスで小声で話したり、並びながらの立ち話だったりしたもので。

住んでいる場所のこと、住んだことのある街のこと、家族のことなどをお互いもう少し掘って話した。少し会話も雰囲気も温まってきた気がしていた。


大学受験の話をしていたら
「僕、大学はエスカレーターで上がったんです」
とQさん。

彼は、マッチングアプリのプロフィールに
【学歴 大学卒(●●大学)】と記載していたので
超難関私大卒であることは前もって知っていた。

私「そうなんですね?付属校に通われていたのですね。
高校からですか?」

Q「中学からです」


幼稚舎からじゃなかったのが、せめてもの救い。学歴で人のことを判断したくないが、私とは育ってきた環境が違う気がした。学力もご家庭の裕福さも。山内マリコさん原作の映画「あの子は貴族」の世界観がどうしても頭に浮かんでしまう。

Qさんは、この映画でいうなら高良健吾の役どころ。

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18.念願の鴨川でピクニック ②

もう少し話を続けた。

私「久しぶりの旅は、気持ちがいいものですね」
Q「そうですね。僕はこのご時世でも長野とか静岡あたりはちょこちょこ行ってましたけど。前の彼女と

ちょっと突っ込んでみることにした。

私「彼女はいつからいないんですか?」
Q「2ヶ月ほど前からですかね〜」
私「わりと最近ですね。」
.
.
.
Q「前の彼女ともアプリ(ペアーズ)で出会ったんですけどね。アプリで1人目に会った人なんですよ。好きなことも近いし、歳も近いし、住んでるところも近いので、他の方とも会わぬままにその人と付き合ってしまったんですよね。」

私「へぇ〜」

Q「マッチングアプリって面白いですよね。趣味とか好きなことを窓口にいろんな人と出会えて新しい発見もあるし。この歳まで独身だったんです。もっと、色んな人に出会っていろんなこと聞きたいと思ってるんです。効率よくたくさんの人に会えする最適なツールですよね。なので、先週も先々週も、アプリで知り合った人と会ってましたよ。ハハ、もちろん彼女ができたら辞めますけどね〜」

私「そうなんですね〜」

なんだろうか、すごく正論のようなこと言ってるけど...
ん?これ、「君とはないから!」って宣言されたようなものなのでは...。


つまりこういうこと。


昨夜から、一緒に過ごした時間【累計2.5時間】といったところだろうか。

旅先の京都にて三行半ならぬ、
プリテンダー(by official髭男dism)突きつけられたどうも私です。 

グッバイ!

もっと違う設定で(例えばW大卒のバリキャリで)
もっと違う関係で(Qさんの仕事関係とかで)
出会える世界線 選べたらよかったっす〜!

続く


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