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お腹ペコペコ、天丼どこ?

ああああああー。お腹が空いた。すっかり集中してしまい、ふと気がつくとお腹ヘリすぎ。。そんな時、ふと思い浮かんだのは、カリッと揚がった海老に、しっとりとしたかぼちゃ、それにサクサクのきす。そう、天丼が食べたくなったのだ。それもただの天丼ではなく、街で評判のあの天ぷら屋の特製天丼。早速、スマートフォンを取り出し、お店の場所を調べた。幸い、ここからそう遠くない。早速、出かけることにした。

到着してみると、なんと「準備中」の札が。時計を見ると14:00。公式サイトには14:30まで営業とあったが、どうやらその日は例外だったらしい。しかし、諦めきれず、近場で他に良さそうな場所を探した。すると、なんと近くのお蕎麦屋さんで天丼が食べられることを発見。急いでそのお蕎麦屋さんへ向かった。

到着した時はちょうど14:30。店内に入ると、温かい笑顔でお店の人が出迎えてくれる。この時点で、やっと天丼にありつけると安堵したが、すぐに「あと30分しかないけど、よろしいですか?」と告げられる。考えた末、ゆっくり味わう時間もなく、食後の余韻に浸る時間もないことから、その場を後にすることにした。「また来ますね」と伝え、お店を出た。

しかし、その後も天丼への渇望は止まらず、他のお店を探して歩き回った。だが、どうにもこうにも、思うような天丼には出会えない。そのうちに、風が強くなり、冷たさと空腹、そして求めていたものに出会えない悲しみが重なり、涙がうっすらと目に溜まる。

この時、美味しい食べ物を提供するお店が、昼の時間帯が終わると準備中に入ること、そしてその時間帯に美味しい天丼を求めるのがいかに難しいかを痛感した。理解はしていても、その時の悲しみは簡単には収まらなかった。

疲れて、ふと立ち寄ったのはカフェ。体を冷まそうとアイスカフェラテを注文し、ついでに目に付いたサンドイッチも。席に着き、カフェラテを一口飲む。ほろ苦さがほっとさせる。そしてサンドイッチを一口。期待していなかったが、これがまた思いのほか味がしない。こんなにお腹が空いているのに、この味のなさ。それでも、なんとなく、悲しみが紛れていく。空腹で悲しんでいた顔に、ふと笑顔が戻る。

人は、美味しいものを求める旅に出ることがある。その旅の途中で、思わぬ障害にぶつかることもある。だが、そんな時に偶然出会ったものが、意外な喜びをもたらすこともある。今回の天丼を求めての冒険は、結局天丼にはありつけなかったが、それでも最後には笑顔になれた。食べれば笑顔になるものだ。

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