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恩返し?それとも仕返し?

「倍返しだ」の半沢直樹は一世を風靡しました。

やられたらやり返す、やられた以上にやり返す。

はたから見ていると爽快ですが、これが実社会
自分の身に降りかかってきたらどういうことになるのでしょう。

自分から相手にいやな思いをすることはないにしても、
だれかにいやな思いをさせられたら、あなたはどうしますか?

やられたらやり返す、半沢直樹のように倍返ししますか?

それとも我慢するか無視するか?

ちょっと考えてみてください。


もう一つ質問させてください。

今度は、相手が自分に良いことをしてくれたらどうしますか?

それも倍返しでいただいた以上に恩返ししますか?

それともスルー?


相手のしたことにどのように対応するかで
人生が幸せにも、不幸にもなるということがわかっています。

あなたはこの秘密知りたくありませんか?

私とても気になりました。

で、調べました。



まず、やられたらやり返すのか無視するのか
どちらが生き残れるのか?

こたえは、「やられたらやり返す」です。

アメリカ合衆国ミシガン大学の政治学者
ロバート・アクセルロッドのコンピュータを使った
こんな実験から得られた結果です。

共同で犯罪を行ったと思われる2人の囚人A・Bを自白させるため、
検事はその2人の囚人A・Bに次のような司法取引をもちかけた。

本来ならお前たちは懲役5年なんだが、もし2人とも黙秘したら、
証拠不十分として減刑し、2人とも懲役2年だ。

もし片方だけが自白したら、そいつはその場で釈放してやろう
(つまり懲役0年)。
この場合黙秘してた方は懲役10年だ。

ただし、2人とも自白したら、判決どおり2人とも懲役5年だ。


このとき、「2人の囚人A・Bはそれぞれ黙秘すべきか
それとも自白すべきか」というのが問題である。

なお2人の囚人A・Bは別室に隔離されており、相談することはできない状況に置かれているものとする。

Wikipedia「囚人のジレンマ」からの引用

こんなシミュレーションをしたとき、勝ち残ったのは
しっぺ返しした、つまりこんな選択をしたコンピューターが
最後まで生き残ったというのです。

1手目は協調を選択する。

2手目以降の◆手目は、◆-1手目に相手が出した手と同じ手を選択する。
例えば2手目の場合、1手目に相手が協調を選択していたら協調を選択し、
1手目に相手が裏切りを選択していたら裏切りを選択する。

次のターンでは、前回相手が打ち出した手を使うことが
生き残る戦略なのです。

つまり、やられてもやり返さずに我慢することは
生き残るという観点では正しくなく、むしろ
半沢直樹のようにやり返すのが賢者の選択となるのです。


ただ、これにはまだつづきがあります。

しばらくこの理論が正しいと思われていました。

このロジックで戦うことが最後まで生き残る
唯一の戦略だったからです。

しかし、新たな生き残り戦略が見つかったのです。

それは、

あらかじめ決めた順序パターンで協調、裏切りを5回から10回出し、
相手が自分のチームの仲間か否かを判断する。

<相手が仲間ではないと判断された場合>
常に裏切りを出すことで、可能な限り対戦相手の点数を下げようとする。

<相手が仲間であると判断された場合>
プログラムの内、奴隷の役割が割り振られているものは、常に協調を出す。
プログラムの内、主人の役割が割り振られているものは、常に裏切りを出す。

このうち主人がトップの成績を収め、奴隷が最低の成績だった。

というものです。

ちょっとわかりにくいですが、簡単に言い換えると

・相手が敵だと思ったらば徹底的に裏切る

・相手が仲間に常に賛同しているものは負ける

・勝ち残るのは、仲間をも裏切るもの

ということです。


単なるお人好しは、負け組になってしまうということです。

恐ろしいですね。





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