テレビの備忘録みたいなもの5

最近のお笑いシーンに詳しいわけではないけど、Aマッソは好きだ。特に加納さんは天才だと思っている。ネタでも平場のトークでも、あり得ない発想の飛躍があって、パンチラインの多さにクラクラする。しかし、テレビではまだまだ出演の機会は少なく、たまに見かけても魅力の十分の一も発揮できてなくて、無性に悔しい気分になる。

そんなAマッソが、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」に出演した。「若手芸人発案のゲームをガキ使メンバーが遊ぶ」という企画で、彼女たちはその一組。ダウンタウンとは初がらみ。
登場時の「KinKi Kidsの立ち位置モノマネ」が不発だったので、うへー大丈夫か、と思ったがそこからはみんなで楽しく彼女らの「うんうん形容詞ゲーム」に興じていて、まあ無難な出演といった感じだった。
そんな中でも印象的だったのは、ガキ使メンバーが席替えをし、加納さんと松っちゃんが隣どうしになった時だった。昔焦がれていた天才と、現在進行形で憧れる天才が同じフレームに収まっている。何かが起こりそうな、ワクワクする瞬間。

Aマッソと松っちゃんの三人だけでゲームをしようという流れに。テンポアップするゲーム、村上さん「華々しい」、加納さん「宝塚」から「悲しい」とバトンを渡そうとするも、松っちゃん「けたたましい」と勇み足で大いにかぶる。
期待した何かが起こったその瞬間、すぐさま突っ込んだのは、やはり相方の浜ちゃんだった(いつものことだが、この間がごく自然で、且つ鬼のように早い)。加納さんは遅れて「繰り過ぎてるんですよ」とやんわりと突っ込む。
もし、加納さんがいつもの感覚で誰よりも早く突っ込めていたら、自分の中に脈々と流れる「テレビの歴史」がすこし更新されたかも知れない。でもそれは、まだずいぶん先のことみたいだ。