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ZRX680フルチューンへ踏み切る

エピソード36

令和4年4月

エンジンブロー後の進退を考え続けた結果、退く対策ではなく前に進む対策をし、更に上のステージへ踏み切る事にしました

まず、DARTONスリーブにしたいと思い、取り扱ってる日本の内燃機屋に問い合わせましたが、ブロックの肉厚が薄いとシリンダーが振るので良くないから止めた方が良いとの答えですし、恐ろしい金額を提示されました

DARTONスリーブ

そこで、JCCAのTSサニーのピストンやミッションを設計、製作している、おやっさんに相談です
このおやっさんの設計したサニーのドグミッションは4速→5速はアクセル全回でクラッチも踏まずにシフトアップできます
普通はアクセルをちょい戻して回転を合わせなければ入りません
パドルシフトなんかのドグはシフトアップ時に点火カットさせます(私のZRXもこのタイプで全開、クラッチレスです)
それを構造的にやってのけます
現在は2→3→4→5までクラッチ踏まずに全開でシフトアップできるミッションを開発したので6月に実走テストが待ってます

このおやっさんに、私は同じ匂いがする
と言って懇意にしてもらってます(笑)

話がそれましたが、ライナー回りのアルミジャケット部分を全て削り取り、ライナーを2コ1でウェットライナーを作ろうと言う案になりました

しかし
ライナー同士をどうやって固定するか?
それをシリンダーにどうやって固定するか?
クランクケース内への水をどうやって止めるか?

1番の問題は水です
Oリングを入れて焼き嵌めだけだと強度が持たないので2コ1ライナーをプレートで固定してシリンダーにネジ止めし、水は新たにガスケットとプレートを作り、シリンダーとクランクケースの間に入れて食い止めると言うとんでも無い手法に落ち着きました

しかし、これだと間のプレートとライナーはOリングですが、プレートが薄いと強度不足で水漏れします
厚くするとシリンダーが上がってしまい圧縮が落ちてしまいます

プレートの強度を確保する厚みまでシリンダーの下面を削るとなると1番下のシリンダーのフィンを半分位、落とさなければなりません
それでは外見が著しく変わってしまいます
速さだけを求めるなら良いのですが、純正スタイルは1番のこだわりです

ギリギリまでプレートを薄くして、シリンダー下面とクランクケース上目を外見を損なわない範囲まで削り、後は仮組みしてデッキとヘッドで調整すると言う事で落ち着きました

各パーツの図面です

シリンダーベースプレート
シリンダーベースプレートガスケット
ライナー
ライナーベースプレート
ライナーベースプレート

図面が出来上がった時期が違うので写真うつりが違いますが
新たに一から作るのは
・シリンダーベースプレート
・シリンダーベースプレートガスケット
・ライナー
・ライナーベースプレート

に加えて
・ライナー溶接用固定治具
も作ります

チャレンジはこれだけではありません
バルブのオーバーサイズ化です

エンジンチューニングには2種類有ると思っています
オフェンスとディフェンスです
ボアアップやハイカム等の攻めるチューンと強化バルブスプリングや強化ヘッドボルト等の守るチューンです

冒頭から話したライナーをウェットライナー に作り変えるのは大がかりですが、守るチューンです
バルブのオーバーサイズは攻めのチューンの中でもかなりのトップレベルだと思います

私が思うチューニングの基本は
なるべく高い圧縮で
なるべく多い混合気を
なるべく早く点火するです
ここで言う、なるべくはもちろん限度内の話しです
高圧縮でノッキングしてるのに点火時期をどんどん進めればブローします

バルブの話しに戻しますが、昔はL型で3Lフルチューンだと言っても
ボアアップ、ハイカム、強化バルブスプリング、ポート研磨、各軽量バランス取り、ソレタコデュアルでぶん回してもフルチューンと認めませんでした
ビックバルブまでやって初めてフルチューンです
何故かと言うと、まだやる所が残ってる状態はフルではないと言うのと、キャブやマフラーやハイカムを入れたりするよりもビックバルブは劇的に体感できるからです

長くなったのでバルブの話しは次にと言う事で

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