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写真の意味について

僕は大学院生をやりながら写真屋で働いたり写真を撮るお仕事をさせてもらったりしていて,かれこれ7年くらいは写真に関わってきています。

今日,SNSの流行も相まって紙媒体の廃りが激しく写真業界は低迷期にあります。形は変われども写真というメディアには独自の価値があるはずで,文化としては無くなって欲しくないという思いがあります。

そもそも写真には2つの意味があると思っていて,それは「記録」と「記憶」です。

「記録」はそのまま言葉通りでメディアに使われるインタビュー風景とか学術的な資料など客観的な意味合いを持つもの。

「記憶」は主観的な意味合いのもので,例えば旅行に行ったときに友達と自撮りした写真とか昔住んでた部屋の写真とか。

そもそもこの2つのジャンル分けは微妙ではあってそれぞれ交わる部分はあるんですが,その中でも近頃は「記憶」の写真の方が価値がありそうだなと思っています。というよりは「記憶」が「記録」を侵食しているイメージです。

もはやメディアにおいては主観的な「思い」の部分がなければクリエイティブとして成り立たない状況になってきていると感じてますし,そこにこそ未来があるはずです。いい写真というのは各人の持っているエピソードに語りかける共感性があるか,という部分が大きいのでこの流れは当然です。

ITが主流になっていて数値で何でも測れてしまう世の中ですが,僕としてはもう少し感情論に訴えかけるようなクリエイティブが中心の世界を作りたいなーと考えています。

自戒を込めてそういう写真を撮っていこう,というお話でした。



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