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のんびり地学基礎 #37 地球史④「新生代」

新生代に入ると、
爬虫類に変わって
哺乳類が繁栄します。

植物は、
綺麗な花を咲かせる
被子植物が多様化しました。

白亜紀の最後、
隕石衝突のために
地球は寒冷化しましたが、
それはごく一時的なもので
すぐにまた
温暖な気候に戻りました。

新生代
(6600万年前~現在)


新生代は
古第三紀、新第三紀、第四紀の
3つの「紀」に分かれています。

ちなみに第四紀はさらに
更新世、完新世に区分され、
現在は
顕生代ー新生代ー第四紀ー完新世
となります。

現代は人類の活動が原因で
地質や生態系までもが
変化してしまったため、
完新世のある地点、
(20世紀半ば以降)から
人新世とする議論がなされています。

①、古第三紀
(6600万年~2303万年前)

哺乳類が大型化、多様化します。
現在の哺乳類のほどんどの種類が
出現しました。

メタンハイドレードによる温暖化

5500万年前、突然ぐっと
暖かくなった時期がありました。

理由は、
メタンハイドレードです。

メタンハイドレードは
現在、石油に代わる
将来のエネルギー資源として
注目されているのですが、、、

地層の中には、
メタンガスと水が混ざって
シャーベット状になっている
メタンハイドレードがあります。

それがこの頃、
何らかの作用によって
大気中に大量に溶けだして、
大気のメタンの濃度が
急激に上がりました。

メタンガスは、
二酸化炭素の25倍といわれる
強い温室効果があります。
二酸化炭素に分解されるまでの
短期間ではありましたが、
とても暖かい時期がありました。

メタンハイドレードは
「燃える氷」とも呼ばれ、
常温で気化したメタンガスに
着火して燃えます。
メタンガスは、都市ガス
としても利用されています。

古第三紀の暖かな海では、
大型有孔虫のカヘイ石が
繁栄しました。


一転して、約3500万年前の
古第三紀の後半からは
寒冷な気候に変わりました。
それ以降、地球は寒くなります。

寒い時代に入った原因

パンゲア大陸がジュラ紀中ごろに
分裂を開始して、
南極がアフリカ、南米、
オーストラリアから分離しました。
そして、古第三紀には
南極が今の位置に来たため
地球が寒くなったとされています。

南極大陸が極に移動すると
何で地球が寒くなるの?
ですよね。

南極が極地に移動、独立すると、
緯度に沿って南極を周回する
海流が邪魔をして、
南極への熱輸送が遮断されました。

次第に南極は寒くなり、
氷床が成長しました。
白い氷床の面積が拡大すると、
太陽光を反射してしまい、
地球が受け取ることのできる
太陽からのエネルギーが
減ってしまいます。

これを
アルベドが大きくなるといいます。
(※アルベドとは、天体の入射光に対する
反射光の比を表したものです。)
極地など氷床に覆われている場所は
アルベドが80%に達しました。

その結果、
南極大陸の周りの水温も冷やされ、
そこから始まる
冷たい深層海洋大循環が生じました。
それが海洋を巡って地球を冷やし、
北半球の氷床形成
つながったとされています。

②、新第三紀
(2303万年前~258万年前)

チベット高原と梅雨の関係

古第三紀に、
インドがアジア大陸に衝突して
標高8000mの
ヒマラヤ山脈ができました。

衝突後もインドはさらに
大陸を押し続け、
1000万年前、
ヒマラヤ山脈の北側に
標高5000m級の
チベット高原を作りました。

それにより、
東アジアの大気の流れが変わります。
チベット高原は
偏西風をせき止めてしまうため、
日本に梅雨をもたらす
季節的な大雨、
モンスーン気候が生まれました。

こうして東アジアでは、
モンスーン気候に適した
稲作文化の発達につながります。
地形は、気候も変えて
私たちの食文化や
生活も変えるのですね。

新第三紀の後半、
約700万年前の地層から
二足歩行をした
最古の人類の化石が
発見されました
(アフリカ、チャドにて)。

サヘラントロプス・チャデンシス
です。
また、350万年前の地層から
猿人(アウストラロピテクス属)
二足歩行の足跡の化石が
見つかっています。

新第三紀の海(汽水域)では、
巻き貝のビカリアが生息しており、
日本でも多くの化石が見つかりますよ。


③、第四紀
(258万8000年前~現在)


マンモスと対決

第四期は人類の時代です。
そしてずっと寒い時代。
氷河時代です。

温暖化?寒冷化?

氷河時代の中で、比較的
氷床が発達している寒い時期を
氷期といいます。
氷床が衰退し、
ちょっと暖かい時期を
間氷期といいます。

第四紀は、
氷期と間氷期を交互に
繰り返しており、
直近の70万年間は、
約10万年に1回の周期で
氷期が来ています。
そのうち間氷期は
1万年程度です。

今は間氷期ですが、すでに
1万年ほどたっているので、
次の氷期がそろそろ来ます。

ええっ!?
寒くなるんですか?
はい、
なんとも言えませんが(^_^)

しかし、ちょっと寒くなる
ミニ氷期はいつ来ても
おかしくないそうです。

温暖化がすすんでいますが、
氷期が来るとすると、
地球はどうなるのでしょうね?

人類の出現

人類の進化

約230万年前には、
脳の容量が増えた
ホモサピエンスにつながる原人、
ホモ・ハビリス
が現れました。
この頃には、原始的な
石器を使っていたと
考えられています。

また、190万年前に出現した
ホモ・エレクトスなどは、
脳の容量が飛躍的に増え、
旧石器や火も扱うようになりました。
彼らは、アフリカ大陸を離れて、
ユーラシア大陸へ進出しました。


そして、約30万年前、
原人から進化した旧人、
ネアンデルタール人が現れ、
彼らは、約20~3万年前に
ヨーロッパを中心に広く
分布しました。

約16万年前には、
旧人から進化した新人、
ホモサピエンス
ついに現れました。
彼らは、世界各地へ
拡散していきました。

現在、地域によって
生活様式や外見が
異なりますが、
他の種は残念ながら
滅んでしまったので、
私たちは全て同じ種
ホモサピエンスです。

そして、
猿人から新人まで
私たちの祖先は全て
アフリカの東部から
生まれました。
必ずです。

アフリカを離れる時は
必ず中東のシナイ半島を通って
さまざまな地域に
広がっていったのです。

地球史、
ざっくりでしたが
いかがでしたでしょうか。

同じホモサピエンス
同じアフリカ出身
人類はみな同じはずなので、
自然にのっとって
平和に暮らせる
地球でありたいです。

次回は、
島弧日本の歴史
「日本列島の形成」
です。

謝辞~星屑の子供たちへ~

マグマオーシャン以来、46億年間地球は冷却の歴史でもあります。マントルはこのままずっと冷却し続けます。冷えたマントルは次第に動かなくなり、いずれプレート運動も止まります。地球の未来は月や火星のようになるでしょう。宇宙にとってはほんの小さな一瞬の生命の瞬きのような地球。そこで私たちは奇蹟の瞬間を共に過ごしています。

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