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「声明」へのご意見・コメント

「声明」に対し、さまざまなご意見、コメントをいただいています。順次、紹介します。


 天明伸浩(新潟 百姓) 呼びかけ人・事務局

 この声明文のきっかけは、農業に関わる仲間に、有機農業が排外主義と結びついた動きがあることに危機感を持ったので次のメールを送ったことです。

「先日の参院選で参政党が一定の票を得たようです。
   参政党の有機農業指向や安全な食品を重視することなどに賛成して、有機農業に興味ある方が支持した面もあるようです。しかし、参政党の演説などを調べると、日本人を優秀な民族と言ったり、排外的な思想を持っていることが分かります。
   有機農業運動では外国の農業者とも繋がり、相手を尊重して、開かれた運動を指向してきたと思っています。戦前も農本主義が侵略戦争の片棒を担がされたように、農業運動では排外主義でヘイト的な要素を持つことには最大の警戒が必要と考えています。
   可能なのか分かりませんが、農業に関係する皆さんと一緒に、排外主義と有機農業は相容れないと言うことを声明文として発表するべきではないかと思っています。ここでしっかりとした議論をして意見表明をしておかないと、有機農業=排外主義 の印象を持たれます。
    そのことは有機農業運動に大きな汚点を残すことになると思います。
    ご一考いただければと思います。」
    このメールに共感してもらい、声明文が書かれ、呼びかけ人が集まり、さらに賛同してくれる人が増えています。
 私は、人々が差別なく食を享受でき、誰もが差別なく豊かに暮らしていくために、農業はあるべきだと思っています。
         声明文に賛同してくださって、ありがとうございます。



大野和興(農業記者) 呼びかけ人・事務局

 8月11日、大勢の呼びかけ人が集まり、「私たちは農と食が国家主義・排外主義の枠内で語られることを拒否します」という長いタイトルの声明を発しました。この声明を出すに至った経過と私たちの思いを、簡潔に述べておきたいと思います。

 7月の参院選で参政党なる政党が一議席を取り、政党要件を得ました。得票数は老舗の革新政党社民党を上回るものでした。選挙中、オーガニックや食の安心安全に関心をもち活動している人の中に、参政党をひいきに知る人が増えているという話は聞いたので調べてきましたら、綱領に「天皇を中心にまとめる国づくり」を掲げているのがまず目につきました。重点政策に確かに「食と健康、環境保全」とありますが、同時に「外国人参政権を認めない」とも書かれています。この党の本質が国家主義・排外主義であることがわかりました。

 7月下旬、上越の山間の村でコメ作りをしている若手百姓(村のスタンダードからいうと若手です)の天明さんからメールが来ました。有機農業とは参政党がいいようなものではないことをはっきり言わなければ、それを世間に呼びかけたいという。問題だと思いながら動かなかった自分が恥ずかしくなり、即座に賛成、声明案を作り、呼びかけ人を募ろうということになりました。
 ぼくは声明や抗議文執筆にかけては手練れの職人で、いかなる問題を即座にこなす特技を持っているのだけれど、今回は難渋しました。天明さんと何度もやりとりしながら書き直し、さらにそれを仲間にみてもらい、を繰り返しました。自分自身確信を得るため、『ナチス・ドイツの有機農業』を書いた京大人文研の藤原辰史さんとメールのやりとりもしました。藤原さんは「拙著の『ナチス・ドイツの有機農業』で論じてきたことが現実化した感じ」といわれました。

 声明で言いたいことの核心は二つでした。一つは、「国家主義や排外主義で囲われた有機農業や食の安全思想は必然的に優生思想に行き着く」、ということ。その先に差別と民族浄化がある。
 もうひとつは、自分たちの立ち位置をどこに置くかという問題。人権と民主主義しかない。そのことを明確に言い切るために、私たちの立ち位置を、人権宣言の流れをくむ「食料への権利」におくことにしました。声明では「(食料への権利は)人は誰でも、いつでも、どこに住んでいても、心も体も健康で生きていくために必要な食料を作り、手に入れることができる、すべての人が生まれながらにもっている権利として位置づけられています」と書きました。これは食と農の人権宣言であると同時に「食と農の民主主義」でもあると思っています。難民キャンプであろうと路上であろうと、人は食べる権利を持っている、これこそが食の民主主義だと考えたのです。

 天明さんと相談し、呼びかけ人を願いするにあたっては、有名人や権威をもつ人ではなく、農と食の現場で何事かをやっている普通の人をメインにお願いしました。
 長くなってすいません。より多くの方の声明への賛同をお願いします。いま、この列島は、自分たちの言いたいことをいうこと自体が闘いであるような時代に入ろうとしています。ぜひ、ご一緒に。


【ニュース】

今日、飯能市議会で保守系議員二人が参政党を名乗った、という話を飯能市に住む友人から聞き、えーとびっくりしていたら、別の友人が飯能市議会で3人の議員が参政党会派を結成した、と同議会会派別一覧とともに知らせてくれた。こんな形で、この国にもミニナチ党が増えていくのだろうか。

https://www.city.hanno.lg.jp/article/detail/1195

(大野和興)

長野県上田市議会では、議員一人がワクチンへの考え方の違いで共産党→参政党になりました。(市川農園)







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