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北海道へ亜麻から糸作りの勉強

麻と言っても色々。
モ〇ベルさんの紙糸プラスで使われるマニラ麻
無〇良品さんのヘンプ。説明には麻の一種と書かれているがこれ大麻
同じブランドでリネン。これは亜麻、フレンチリネン。

あとラミー苧麻。越後上布になる植物。
カバンになってるのはジュート麻


今回、北海道で(個人で)亜麻を栽培して糸作りから織物まで行っている工房で勉強させてもらうため相方と2人岩見沢市まで出かけて行った。

行きの飛行機からの眺め
あれは富士山か・・

関西国際空港から飛行機に乗ること約1時間半、午前11時過ぎに新千歳空港に降り立った。まずは腹ごしらえ、北海道と言えば札幌ラーメン。
空港内北海道ラーメン道場へ向かう。

地元の人はバター&コーンは入れないのだとか・・


空港から電車に揺られて幌向駅まで。千歳線白石駅で函館本線に乗り換えである。当日気温は関西よりちょっと寒いかな‥といった感じ。北海道から帰ってきた翌日から札幌市辺りは雪になった・・。

白石駅 寒さはましだ
幌向駅到着 天気が怪しい
街の道路は碁盤目

駅には工房亜麻音の小野田さんが迎えに来てくれていた。
駅から工房までは車で15分程度。道中見渡す限りの畑、畑、畑で和歌山とは違う景色であるが当たり前か。

工房亜麻音到着

挨拶もそこそこに亜麻話。和歌山で栽培刈り取り後乾燥させたものを見てもらったり。こちらの亜麻畑の写真を見てもらったり。北海道の亜麻畑の写真を見せてもらったり・・。やはり知識がないままの栽培&繊維取り出しだったので問題点があちらこちらに。説明を聞くとうまくいかなかった理由が良くわかる。

手前の小さいのが和歌山産の亜麻
大きさの違いが判る

時間もそんなにないので一旦話は置いておいて早速亜麻(茎)から繊維取り出しを教えてもらう。

繊維取り出し準備として・・亜麻は刈り取ってから乾燥させその後水に1週間ほど漬けられる。いい感じに繊維が取り出せる頃合いを見計らって水から上げ洗ってこれまた乾燥させる。

乾燥工程が終わった茎を専用の道具(小野田さん手作り)でバリバリ砕くとそこから繊維が取り出せる。それを櫛(ハンドカーダー)で梳くと短い繊維や細かいゴミが取れてきれいな繊維が残るといった塩梅。
実際やってみると作業はそれほど難しくなないものの繊維をたくさん採るには気の遠くなる作業が必要なことがわかる。

短い繊維とゴミが取れる
きれいな繊維が現れました(右側の繊維)

1日目はココで時間切れ。続きは明日という事で岩見沢駅前のホテルに引き上げた。夜は冷え込むと思いきや和歌山よりちょっと寒いくらいで北海道感あまり無し。

さて夕飯は何処で食べようか・・岩見沢名物は特に無いようなのでホテルからほど近いよさげな店構えのお店に入ることにした。

ひ田まり
なんか上品な店構え

沖縄のゴーヤチャンプルなどがメニューにあったりビールがキリンビールだったり・・なぜサッポロビールではないのだろうか・・という疑問はさておきとりあえずお疲れ様乾杯。

サッポロビールではない生ビール

北海道名物的なメニューは少ないものの注文した料理はどれも上品でおいしく和歌山にあったら通ってしまいそうなお店である。特製コロッケがこれまた絶品。岩見沢へ行ったらまた寄らねばなるまい。

絶品コロッケ(あくまでも私の主観)
ホタテのカルパッチョ

そんなこんなで夜は更けて行き、2件目という事でモツそばのお店食事処希林に行ってみたらとっくに売り切れ閉店。これはリベンジですな。


2日目
ワンマンディーゼル機関車1両編成の室蘭本線で岩見沢駅から工房最寄りの栗沢駅へ向かう。駅は無人なのでICOCAなどの電子マネー系は使用不可。料金は電車の中で精算するので岩見沢駅で切符を買い求める必要がある。電線のない単線路はなかなか風情があって良い。15分ほどの乗車で栗沢駅に到着。雪国らしく出入り口の戸は厳重だ。がら~~~んとした駅前広場に人影はなし。
工房は駅から線路を挟んで反対側(徒歩5分ほど)なので連絡橋を渡って行く。連絡橋は自転車も通るようでスロープが取り付けられていて階段の傾斜も緩やか。

岩見沢駅はでかい
改札はこじんまり・・
9:03発 苫小牧行きに乗る
車両はこれ
この辺りは単線
栗沢駅に降りる
上り下り1日に各7本・・・
JR栗沢駅正面
ストーブ(煙突)完備は雪国ならでは
連絡橋を渡って振り返る
自転車も渡れるように緩やかなスロープ
工房へは栗沢駅から徒歩で到着

さて亜麻からの糸作りの続きを行う。
昨日、茎を専用道具でがしゃがしゃして繊維を取りす際に結構ゴミが出たのをそのままにして帰ったのだが工房はきれいに掃除されていて今度は糸紡ぎ機が用意されていた。ご面倒おかけします・・といった感じである。

糸紡ぎ機がセッティングされた工房
セッティングから・・・
鮮やかな手さばきで糸を紡ぐ先生

なんでもそうだが上手な人がやると簡単そうに見えるもの。天然の繊維は安定したものではないので手の感触で微妙な調整をしているのだが素人の我々にはわかるはずもない・・。だいたい手順を把握して糸紡ぎに望むが糸車を足ふみで回しながら左手で繊維の束を持って右手でそれを引き出していい塩梅に糸を送っていく・・・。そんな動きにいきなり脳みそが対応できるはずもなく、糸がぐりぐりなったり途中で切れたりお世話する先生は我々以上にこれまた大変だ。
そんこんなで時間の経つもの忘れて夢中になって糸を紡ぐ。途中でお茶休憩をはさみつつ、きれいにできているかどうかは置いていて少しづつではあるが糸ができていくのは嬉しいもの。何かを作りだす作業はなんか良い。
今回は糸を作るまでの講習ではあったが、自分の紡いだ糸で生地を織ったならばもっと感動があるかもしれない。そのためには途方もない時間が必要だとは思うが・・。

一応糸になってます
2本の糸をより合わせて双糸にして完成
それなりに雰囲気のある糸になった

講習はお昼まで。
昼食は先生と一緒に近くのラーメン店へ。
昭和の雰囲気を前面に押し出した店内、コップやお盆は小学校の給食の時に使ってやつ。北海道なんだけどなんだか関西チックなお店だった。

北海道なのに関西風な店の名前
小鳩ラーメン ミニかつ丼付き


1泊2日の北海道岩見沢亜麻糸作り。1日目はまだよかった天気は2日目には雨となり北海道の広大な景色はそんなに見えず・・このあたりの名物(?)のモツそばも食べれなかったし・・前回の栃木訪問みたくリベンジとなる予感を抱きつつ北海道を後にしたのだった。

昼食後ちょっと寄り道などしてから新千歳空港まで先生に車で送っていただ
いた・・道中色々お話できて楽しゅうございました。

この度は本当にお世話になりありがとうございました。



手仕事での亜麻糸作り・・綿花よりは面倒だが、大麻、苧麻よりは楽・・・といった感じだろうか。手績みと糸紡ぎとではでは直接比較にはならないが・・。
時代の流れとともに移り変わっていった糸づくり。大量生産効率化の元にいろいろな事、物が失われていく現代。日本国内にはもう亜麻を紡績する機械がなく日本製亜麻糸は北海道の手紡ぎでしか作られていない(と思う)。
今後和歌山から広がりを見せるのかどうか・・・は・・誰にも分からない・・・。


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