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これからの時代に求められる人材

ニュータイプ
〜これからの時代に求められる人材になるためには〜

8月の初旬にグロービス経営大学院というところのセミナーで山口周氏の話が聞けるとあってオンラインで参加してみた。著書を読んでいたこともあって興味深い話が聞けたので書き留めておきたいと思い、noteを書き始めたもののほったらかしていたので再度まとめ直してみた

モノやサービスが過剰に供給されるようになり、問題が複雑に絡み合う時代においてどのような人材が求められているかという話

山口氏の書籍を探して読み始めているけどとてもわかりやすく共感することばかりより多くの本を読みたいと思えるようになるセミナーでした。

正解を出せることが求められた昭和の時代から問題を導き出せる稀少な存在が求められるようになった令和の時代

モノが充足し物質的満足度は過剰になっていて、「役に立つもの」よりも「意味のあるもの」が求められるようになっているとのこと、いくつかの事例等で展開されていた中でも普通の家具屋さんと思っていたIKEAと阪急電鉄の天才プロデューサー小林一三の話が面白かった。

IKEAは、障害により家具をうまく使えない方の生活の質を向上させることに積極的に取り組んでいるというもの、3Dプリンターで作られた補助器具により障害のある方が家具を使いやすくするもの、具体的には低いソファの座面を上げるための脚の高さ調整や、扉や引き手を上手く掴めない方でも簡単に開閉できる補助器具、ガラス戸と車椅子の衝突から保護する物や電気スタンドのスイッチを大きくして押しやすくするものなど多くあり、誰もが設計データを無料でダウンロードし3Dプリンターがあれば生成できるというもの

その補助器具を使うことで誰もが、より良い日常生活をおくれることを目指して、障害のある人々が幅広くIKEAの製品である家具や生活用品を使えるようになるというもの
その取り組みを紹介しているURLが↓こちら

https://www.gizmodo.jp/2019/04/ikea-this-ables.html

https://thisables.com/en/

便利で「役に立つもの」である家具を、障害のある方でもその効用を享受できるようにするユニバーサルデザインで新たな価値を提供する「意味のあるモノ」へと展開した取組み。

もう一つは、sunabacoのなかまこ代表が紹介してくれた1900年代のフォードと、先週末に仕事で講演いただいた阪急電鉄グループの植松氏から伺った阪急電鉄の創設者の小林一三氏の話が比較で出て来たのは興味深かった。

「正解を提出したフォード」と「問題を創出した小林一三」

1900年代、人々が移動するための手段として自動車、電気鉄道を世の中へ送り出したアメリカのフォードと阪急電鉄の創始者である小林一三氏を引き合いに出し、「社会・インフラ」、「ライフスタイル」、「移動需要」、「移動手段」をどう変えていったかについて、

フォードが新規の「移動手段」として馬車から自動車への転換(1913年)を行ったが、移動手段以外のことについては、既存のまま変化もなかったのに対し、

小林一三氏は、江戸時代湿地帯で何もなかった大阪の埋田(→梅田)から田園風景の広がる郊外の池田(宝塚)へ鉄道(1910年開業)を走らせ、その沿線の土地を買い上げ、住宅メーカーと連携して分譲住宅地を開発した

また、当時は月賦で買い物をするのは着物の反物を12回払いで買う程度の時代に金融機関と連携し、住宅を月賦(ローン:20年)で販売するビジネスモデルを構築し、沿線住民を爆発的に増加させたという

週末に旅客を増やすために、ターミナルとなる梅田に阪急百貨店を開業(1929年)し、上階にレストランを設置し「週末に外食する」生活を提案、

また、都心周辺から郊外へ週末の旅客を増加させるため、宝塚歌劇団や東宝、宝塚新温泉といった施設を設立

夏休み時期の旅客の落ち込みをカバーするため、全国から旅客を集めるためのスポーツイベントとして全国高校野球選手権大会の前身の大会等を企画したという

小林一三氏の功績については、阪急文化財団で詳しく紹介されている
http://www.hankyu-bunka.or.jp/about/itsuo/

「移動手段」として、当時の馬車から自動車への転換という正解を提出したフォードに対して

小林一三氏は、郊外の田園都市に暮らし、週末は都市へ出かけて百貨店で買い物をし、映画や観劇を楽しんだ後に、夕食を食べて帰るという「生活文化そのもの」を生み出した。つまり問題を創出して提起したということ。

このセミナーを受講して、2,3年前につくばエクスプレス沿線の都市開発として千葉、茨城の地方都市における駅を中心とした面開発事例の視察を想起した。

新興鉄道の創出により、田園風景の広がる郊外に駅を中心とした開発が広がり都市化を形成していたが、研究学園都市として特色のあったつくば以外は、どこも同じような大規模な区画整理事業で金太郎飴のようだった、駅前の利便性の高いタワーマンションや大型商業施設の立地などで、地区単位、県単位で見ると人口の増加は見られず周辺地域の利便性の低い地区からの転居が主要因とのことであった、筑波大学等を中心として研究学園都市として特色のあったつくばも30年以上経過し、老朽化や人口減少、高齢化を迎え新たな課題に直面している現実が見えた

現状からありたい姿を描いて問題を見つける力が必要とされており、現状とありたい姿の間にある「違和感」を感じ取ることが重要ということ

モノが充足し物質的満足度は過剰になっている時代、「価値あるもの」よりも「意味のあるもの」をどのように創り出していけるか考えていかなければいけない。

山口氏の考える一つの仮説として「安全で快適で便利な世界(文明化)」を目指すのではなく「真に生きるに値すると思える世界(文化)」を作っていくことが提起されていた。

文明化を追い求めてきた時代から文化をつくることが求められる時代へと移り変わっている転換期にあるという

私は、まちづくりの仕事に関わっている、将来大規模に開発され大きなポテンシャルをもった計画、これからの時代に求められる「意味のある」新たな文化を作り上げることできるフィールドを提案していきたい

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