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歩幅が小さくなる理由

① 午前中に来院の95歳男性は、下顎左側臼歯の欠損。

② 午後一の54歳男性は、上顎前歯部崩壊にて上顎は全部欠損の状態。

95歳と54歳ですが、診療室に入ってくる歩く姿はソックリです。3~5cmほどの歩幅で細かくちょこちょこ歩く歩容をしています。もちろん上体は見出し画像のように前傾ですが、しかしこれほど足を挙げれず、小刻みに前進しています。

①の男性はおそらく、大きな病気は抱えていません。②の男性は多発性硬化症の診断が下りています。前述のように、臼歯欠損であたまが後ろに倒れないように、頭位や上体を前傾させバランスをとっているようです。また、その後方転倒を防止する姿勢において、②の男性には「延髄にヒネリ」が加わっているように見えます。

それぞれ咬合を正すと前傾姿勢が解消傾向を示し、歩く歩幅がグンと延びました。このような現象は「立つヒトの歯科医療」では日常であり、遡って、様々な器質的疾患との因果関係を考えてしまいます。そして思うのは、頭のバランスを取る歯科(歯科医学)と、病気を診る医科(医学)が分かれている「現代の医学システムの大問題」です。ちなみにほとんどの病気は原因不明であり、それらの起源が歯科領域(頭のバランス機構)にあるためと思われます。


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