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ゆかりんHoney bunnyツアー名古屋公演 遠征録・感想

※ライブの感想の部分はネタバレ回避のため他サイトへのリンクの形で掲載しています。ライブの感想を読みたい方は本文中のリンクから感想サイトへお飛びください(リンク先は私の個人サイトなのでクオリティ面は悪しからず)。ネタバレを踏みたくない方はリンク先には飛ばずこちらのページだけをお読みください。
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まえがき

 2019年6月22日、それは、ゆかりんのライブが”一度は行ってみたい場所”から”また繰り返し来たい場所”に変わった日。私が初めてゆかりんのライブに参加したTwilight Chandelierツアー長野公演が行われたその日からちょうど5年にして、26回目のライブ/イベントの朝。5年前はまだ大学生で、土曜授業終わりに新幹線に飛び乗ったのだが、当時はあの場所に何度も繰り返し行くことになるとは、まあ少しは想像していただろうが、メインシナリオだとは思っていなかったはずで、20回以上通っているということは自分の想像を優に超える特別なものをゆかりんから受け取った気がしたからだと思う。若干の睡眠不足感があるが、まあ万全といってもギリギリ差し支えないくらいのコンディションだろう。少し慌ただし目に準備を済ませて家を出る。

自宅→東京駅

 平日よりもやや早めの電車に乗って最寄り駅を出る。普段の社会人すし詰めのやや殺伐とした車内とは違って、少しだけ空間が広がって時間がゆっくりになったような感覚がする。Xを開くと各地の王国民が続々と名古屋へ向かって動き始めていて、徐々にタイムラインが加速していく。
 ゆかりんの曲を聴いていると、東京駅に着いた。階段を上がって改札を通り、飛び出してきたEX予約票を右手でしっかり引き抜くと、いよいよ遠征が始まったような気分になる。

東京8:33→豊橋9:53 ひかり635号新大阪行き

 夜行バスで行くか、のぞみで直行するか、1円でも安く移動する方法を捻り出すか……、そこまで真面目に考えたわけではないのだが、名古屋に直行するのだけは面白くないだろう。路線図を雑に眺めた結果、いままで名鉄に一度も乗ったことがないことに気が付いて、豊橋までひかりに乗ってそこから名鉄に乗り換える行程に決めた。
 混雑するのぞみ号とは対照的にひかり号の自由席にはかなり余裕があって、ゆったりと座っていられる。少しだけリクライニング機能を使ってこの先の行程を調べてみると、ちょうど乗換のタイミングが合う名鉄特急がパノラマSuperの車両の便で、まだ展望席は空いているではないか。展望車が豊橋側だから後ろ向きにはなるが、躊躇なく展望席をネット予約した。
 小田原を過ぎると富士山が見えてくる。最近新幹線を使う時は曇りか雨が多くて、久しく新幹線から富士山を見た記憶がなかったのだが、このツアーの個人的初日に富士山を見られるとは縁起がいい。
『Altoemion』を聴きながら微睡んでいると、浜名湖を通り過ぎていく。8月の浜松公演の時はこのあたりを散策しても良いかもしれない。

浜名湖。車内から適当に撮ったら電柱が3本入ってくるあたり運が悪い。

豊橋10:15→名鉄名古屋11:08 特急名鉄岐阜行き

 “展望車”の3文字に胸を高鳴らせながら待っていると、流線型でフロントガラスが大きな赤い特急が入ってきた。折り返しの清掃作業でもあるのかと思ってホームで待っていると、そのまま乗客が乗り始めたので、流れに従ってそのまま入ることにする。

これがパノラマSuper

 車内に入ると家族連れがいて、3歳か4歳くらいの子どもがはしゃいでいる。この展望席の解放感と眺めの良さ、自分もそれくらいの年齢だったら同じような気持ちなんだろうなと思う。流れるように出発すると、目の前に明るい青空が開けてきて、しばらくすると草原や田畑を駆け抜けていく。車内の電光表示で現在の時速が表示されて、時速120km近いことに気が付くが、全力疾走感はなくて、悠々と心地よいペースでランニングしているような気分になる。踏切を通り過ぎると、徐々に遠くなっていく踏切の遮断機が開いて、遠目に車が1台2台と横切り始める様子が見えるのだが、その光景が何か爽やか目な曲のMVのワンシーンみたいに見えてくる。岡崎、安城、熱田とグラデーションのように建物が高くなってきて街の密度が高くなっていくと、あっという間に名古屋についてしまった。

わずか300円の追加料金で爽快な景色が楽しめてしまう。

名古屋

 名古屋は東海道の途中がゆえに何度も通り過ぎているのだが、降りたことはほとんどなくて、全く土地勘がない。適当な改札を出たはいいものの、自分の居場所が全く分からない。開き直って、フィーリングに任せて適当に歩いてみたら地下道に出た。適当に周辺を検索してみると、味噌カツ屋が何店舗かあるようで、一番近そうな「さくら亭」を目指してみる。
 入るとカウンター席がいくつもあって”おひとり様”に優しい。若干早めの昼飯だが、量はちょうど良くて、味噌は重すぎず濃厚だった。

おいしい!!!おいしい!!!最高か???

名古屋11:53→太閤通11:55

 物販の集合まで約2時間ある。せっかくだから名古屋城くらいは行ってみようかと地下鉄の改札まで向かって路線図を見る。この地下鉄もほとんど乗ったことがないから、乗り潰しついでに一旦太閤通まで向かって折り返すことにしようか。
 2分ほどで太閤通に着いて、階段を上がって改札を出ると、適当なスペースを探す。そして時計を睨みながらスマホを取り出して、素早く来週の物販整理券を取ると、同じ道を折り返してホームに向かう。せっかく来たのなら地上まで出て軽く外の様子を眺めておいても良かったか。

太閤通12:02→久屋大通12:08/12:14→名古屋城12:16

 やはり名古屋駅はターミナルらしく、この駅で一気に座席が埋まり、吊革を握る人も出始める。そのまま数駅進んで、久屋大通で名城線ホームへ向かうと、見慣れた赤のユニフォームと青のユニフォームの人たちが。広島出身の私的には、この日は良い試合でした。

名古屋城

 名古屋城駅を降りると、階段の手前で大きな名古屋城の写真パネルがお出迎え。県立体育館を横目に東門から場内に入っていくと、大きな二の丸庭園が眼前に現れる。しばらく歩くと、干上がった深い堀と石垣が見えてきて、橋を渡って本丸のほうに入っていく。いくつか角を曲がると、青銅色の屋根に金の鯱が堂々と輝く天守閣が見えてきた。

堂々と構える名古屋城天守閣

 ぜひ中に入りたいところだが、残念ながら耐震の関係で入れないそうで、茶色い木製の壁が目を引く本丸御殿を見学することにする。壁に描かれた松が神々しい表書院や上洛殿に飾られた見事な彫刻に圧倒される。柱にすら触れてはならないという徹底した管理で、本丸御殿は建物全体がとても綺麗だった。

写真の下手さ加減はそろそろ改善したい(本丸御殿内部にて)

 その後は少し正門側に歩いた場所にある城宝館へ。こちらでは銅の鯱や障壁画が展示されているほか、戦禍から再建までが解説されていて、地元からどれだけ名古屋城が愛されているのかよくわかる。

名古屋城13:18→金山13:30

 スマホを見ると物販が早めに進んでいるようで、乗り潰しがてら遠回りで金山に向かうことも考えていたのだが、ここは素直に名城線で最短ルートを取る。全く土地勘がないから名古屋市内のどのあたりを通っているのか見当もつかないが、座席が埋まるくらいの人を乗せた地下鉄は淡々と走っていって、金山駅に着いた。

金山

 案内表示に従って進んでいくと、ホールまで直結する通路に進むことができて、2分足らずでホールに着いてしまった。階段を上がって扉を開けると、すぐ隣が物販と本人確認の区画で、流れるようにスムーズに物販、本人確認、スタンプの3点セットが完了してしまった。長い階段を下って、さてここから開演までの2時間何をしようかと思ったのだが、適当に地図を見てみると、ここからほど近い名古屋港に海洋博物館というのがあるようで、気まぐれに行ってみることにする。

金山14:00→名古屋港14:13

 近隣には水族館もあるらしく、車内は名古屋港エリアで楽しもうとする人たちがそれなりにいて、座席が半分くらいは埋まっている。真っすぐに6駅ほど進むと終点の名古屋港に着いてしまった。

名古屋港

 例の海洋博物館のある建物に進んでいくと、途中で南極観測船”ふじ”の保存展示館を見つけた。ここまで気まぐれの行き当たりばったり観光もいいところだが、博物館よりもこちらに心惹かれてチケットを買って入ってみた。

気まぐれ行き当たりばったり観光の成果
8,991,518人目の乗船者だったらしい

 船の居住区内は、ここで何十人もの人が数十日の航海をしていたとは想像がつかないほど簡素な設備だったが、理髪店に病室に通信室と、狭いスペースに多くの機能がコンパクトに収められている。耐氷性の都合上、横揺れが普通の船より激しいらしく、船内は過酷だったと思うが、そんな中この船は何度も氷に体当たりして南極を目指したのだという。乗組員は命がけの思いだっただろう。この船ではないが、以前船員さんとお話しする機会があって色々なエピソードを聞いたが、仮にいくら船が好きだったとしても数か月も船の中で生活するのは想像を絶するものがある。それを楽しめる人たちが羨ましくもあり、尊敬するところもある。

居住区内部。奥には3段ベッドが連なる。

名古屋港15:17→金山15:30

 ほどほどの時間になって、来た道を引き返す。環状線の先に伸びる盲腸線だから、あまり本数もないのではないかと思ったが、地図を見ると沿線は住宅街のようで、10分に1本のペースで地下鉄が走っている。名古屋港は全くノーマークだったが、会場からも近いし初っ端から当たりを引いたような気分になる。

ライブの感想はこちら(ネタバレ回避のため個人サイトに飛びます)

金山20:24→名古屋20:28 新快速米原行き

 終演後は何度かご一緒しているてちちさん、うご凛さんと打ち上げをすることにしていて、現地集合の予定だったのだが、傘を差しながら駅に向かう途中でてちちさんを見つけ、そのまま横を見るとうご凛さんを見つけた。予定外に随分と早く集合できて、そのままJRに乗って名古屋駅へ向かう。

名古屋

 名古屋駅にほど近い地下の居酒屋で打ち上げ。手羽先の唐揚げが美味しい。22時過ぎの新幹線に乗らないといけないということもあって気が焦ったのか、普段よりやや早めのペースで飲んで、私は途中抜け。今回もお疲れさまでした!

うまい!!!!!!

名古屋22:12→品川22:38 のぞみ64号東京行き

 頭は痛いものの、売店でお土産を一つ買うくらいの余裕はあって、無事最終の新幹線に乗り込む。正確性なんて皆無だが、今日のセトリと内容を簡単にスマホに書き起こしていると(そしてそのメモをもとにこれを書いているのだが)、のぞみ号は豊橋駅を駆け抜けていく。そのまま仮眠をとることにして、次に気が付いたのは新横浜駅到着前の放送が鳴ったところだった。

品川→自宅

 予定通り品川で降りて、やや遅れ気味の終電に乗って自宅最寄り駅へ向かう。まだツアーは始まったばかり。初回の遠征は無事終了、明日からの”6年目”が始まることになる。


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