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ゆかりんHoney bunnyツアー浜松公演 感想・遠征録
某駅→東京
遠征にしては近距離の浜松、いつもよりも長めに寝ていたかったのだが、早めに目が覚めてしまった。台風の影響もなく、新幹線は通常通り動いているようで一安心する。結局目覚ましの時間まで二度寝はできず、適当に準備を済ませて家を出た。
地下鉄は東京駅が近づくにつれて一人また一人と乗客が増えていく。時期的にはそろそろUターンラッシュだと思うのだが、東京駅から地方へ向かう人も多いようで、東京駅構内は相変わらず混んでいる。
東京10:03→浜松11:27 ひかり507号
10分前くらいにホームに上がってみると、自由席には長蛇の列ができている。私の乗車票には15号車の座席が書いてあって、人をかき分けながらホームを進んでいく。物販にはちょうどいい時間帯だからか、王国民も多い。
新幹線は定刻通りに東京駅を滑り出ていく。新橋、浜松町とビルの隙間を這うように進む。iPadで新潟や石川の感想でも書こうかと思ったのだが、結局あまり気乗りしなくて、スマホを弄っているうちに静岡県に入っていた。概ね快晴だったのだが、狙ったかのように富士山だけ雲に覆われている。
浜松駅のホームに降り立つと、多くの人が降りてきて、駅名標を撮る王国民も多い。それにしても、下りエスカレーターだけ灼熱地獄だったのはなぜなのか。エスカレーターを選択してここまで後悔するなんて人生でもそう多くはないだろう。
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浜松
タイムラインには鰻や餃子の写真が並び、駅前の名店には長蛇の列ができる中、リーズナブルなチェーンの定食屋で颯爽と昼食をとる。さすがに薄給の身にグルメは厳しいものがあるから致し方ない。
アクトシティ浜松
晴天のなか歩くこと数分、すぐに大きな建物が現れてきて驚いた。本人確認のために館内に入るとロビーまでスモークが漏れてきて靄がかかっていた。
新浜松12:36→西鹿島13:08
本人確認からチェックインまでの2時間弱は観光か乗り潰しが定番になりつつあるが、今回は遠州鉄道の乗り潰しを選んだ。少し歩いたところにある遠鉄の新浜松駅は高架駅で、切符を買って有人改札を抜け、階段を上がると少し歴史を感じる対向式ホームのターミナルが現れた。暫く待っていると2両編成の列車が入ってきて、多くの乗客が降りていく。
遠鉄線はワンマン運転ではなく車掌がドアの操作や駅の集札業務を行う形のようで、駅に着くたびに車掌がせわしなく動き回る。浜松駅近くの高架区間は乗客数もそれなりに多いからかなりの業務量だろう。
高架から地上区間に降りていくと、一気にローカル線のような雰囲気になるが、駅間が比較的短い割には一気に加速して減速していくから、路面電車に乗っている感覚に近いかもしれない。
30分ほど地方私鉄の雰囲気を堪能していると、終着駅で天竜浜名湖線との乗換駅でもある西鹿島駅に到着する。
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西鹿島
何もせずに折り返すのは勿体ないような気がして、駅前で地図を見る。少し歩いたところに古来から急流で有名な天竜川が流れているようで、快晴でとても暑い中ではあるが一目見てみようかと歩き出す。天竜川といえば、飯田線の車窓から見える川は迫力があるし、佐久間ダムをはじめ水力発電所も多いというし、ここでも迫力のある景色が見られるのではないか、そう期待して歩き始める。
少し歩いたところで、あまりの暑さに散歩を始めたことに対する悔恨の念が湧くが、ここで引き返すのも悔しい気がして歩いていく。汗が滝のように流れる中、”天竜川”の看板が目に入ってきて、土手を登ってみたのだが、目の前には河川敷のグラウンドが目に入るばかりで肝心の川が見えない。快晴に緑が映えて景色としてはとても綺麗なのだが、大きくて流れのはやい川が見られると思っていた私は拍子抜けした。まあ、おそらく豪雨が続けばこの広い河川敷にも水が流れるのだろうが、長年の治水対策の効果か、普段は平穏な川なのだろうか。
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西鹿島13:36→新浜松14:08
駅に戻り、自販機のジュースを一気飲みすると、来た道を折り返す。運転席のちょうど後ろの席に座って前を眺めていたのだが、建物の裏を疾走していく感じは生まれ故郷広島の可部線の車窓に似ていて、帰省したような気分になった。
走り抜けること30分強、元の場所と同じ新浜松駅の1番ホームに到着した。
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浜松
遠鉄のデパートを見物しつつ、ホールに戻る。看板に楽器博物館の文字を見つけ、気まぐれに歩いていってみるが、かなり大きくて本格的な博物館のようで見学は断念。もう少し下調べしておいて、見学の時間を確保しておけばよかった。
一旦宿に荷物を置き、ホールに向かって歩いているとフォロワー某氏に声をかけられた。そのまま一緒にホールに向かっていくと、別のフォロワー氏が登場して目の前で茶番劇のような何かが繰り広げられたのだが、あれは何だったんだろう……。
アクトシティ浜松
階段を上がってアクトシティ浜松大ホールの客席内に入る。ホールは天井がとても高く、コの字型に客席が何層もあって、芸術劇場のような作りになっている。今日は15列目の中央付近、今回のツアーは中央のあたりの席が多いが、今日も正面から演出を見ることができそう。
Poppin' Magic
私にとっては14回目の「Poppin' Magic」。前回のwith me?ツアーは13公演に参加したのだが、それを超えて今回のツアーが今のところ最も多くの公演に参加したツアーになった。”夢から覚めて聴こえるおはよう”、今日もゆかりんのとてもかわいい歌声がホールに響いていく。新潟から数えて8日間で4公演目、こんな頻度でゆかりんのライブに行くことができるなんて、そんな幸せなことが他にあるだろうか。
好きしかありえない
続く2曲目は「好きしかありえない」。”いつでもどこでも愛してる”から始まる口上は、さすがに八王子から中1日ということもあって、私は声が少し枯れているような気もしたのだが、客席全体の声はいつもと同じようにとても大きい。この2曲で水が一気に沸騰するかのようにものすごい熱気に包まれた。
MC
いつもより客席全体が元気のようで、ヤカラ感がすごいと話すゆかりん。マックスまで空調を下げているにもかかわらず、外が熱すぎるせいかなかなかホール全体の温度は下がらないらしい。
Sweet alert
この熱さを保ったままの「Sweet alert」。いつも以上にクラップに力が入るような気がするし、ゆかりんの歌声には感情がこもっているように聴こえてくる。Bメロとサビの振り付けは何度見てもかわいい。
キャラメル
ステージ全体の照明が明るくなると、落ち着いた優しい景色が目の前に広がってくる。ゆかりんの甘い歌声とかわいい振り付けを浴びるように眺める。この曲を聴いているととても心地よくて、何度でも聴いていたくなる。
トーキョーキャンディーガール
対照的に、ステージの照明が少し暗めになり、「トーキョーキャンディーガール」が始まる。この曲ではサビのところでメイツの振り付けに合わせて客席側もダンスをするのだが、ゆかりんは客席のダンスの様子を見ながら笑っているように見えた。どこか面白い動きをしているお客さんがいたのだろうか。
映像
今日はウサギのプッシュゲームとパズルゲームにチャレンジ。プッシュゲームは上達していくも、目標に達せず悔しがるゆかりん。パズルゲームはゆかりんのナレーションの声が綺麗でずっと聴いていたい。
映像のエンディング部分が終わりきる前にスクリーンが少し上がってしまい爆笑した。
エアシューター(アコースティック)
アコースティックのセットが準備されて、男爵とゆかりんが登場する。いつものように、可憐な声で「エアシューター」を歌い始めて、サビではピンク色のワイパーが輝く。このままいつも通り終わるかと思われたのだが、最後の”My love for you”のところで歌詞を噛んでしまい、悔しがるゆかりんがとてもかわいかった。
MC
英語の歌詞を噛んでしまったことを改めて悔しがるゆかりん。英語は苦手意識があるらしい。浜松に着いたら鰻の匂いがしたらしい。
夢色ラビリンス(アコースティック)
ラビさんの演奏から始まったのは「夢色ラビリンス」。何度聴いてもこの曲のゆかりんの歌声は綺麗で美しくて、特にAメロとBメロのところは聴き入ってしまう。曲調からは優雅な世界観が漂い、落ち着いた雰囲気のあるアコースティック編成ととてもよく合っている。
you(アコースティック)
ゆかりんとラビさん以外を残して退場し、ゆかりんは立ち上がってマイクを持つ。普段の「you」は暗闇の中で斜め上からピンスポット1つがゆかりんを照らすような形だったと思うのだが、今回はそうではなくて、上から白い照明が3本と少し黄色がかった照明2本で照らされていて、そのうちの一つがゆかりんを照らしている。普段のようにゆかりんだけに照明が降り注いでいて孤独感が際立つような構成とは違って、絶対的な孤独感の中の「you」というよりも相対的で集団の中の一人の心のなかとしての「you」のように見えてきた。今日の「you」を歌うゆかりんの表情はどこか優しげに見えて、涙をこらえながら歌い切っているように聴こえた。
映像
今日のバーチャルデートは山で牧場の回。牧場で子牛にミルクを挙げる体験をした後にバーベキューに行くのは冷静に考えてどうなんだろうとも思うのだが、楽しければいいだろう。子牛に苦戦するゆかりんがかわいい。
スーパーノヴァ
イントロに合わせるように、ポップアップのあたりに青白い光が当たり、ゆかりんのシルエットが浮かび上がってくる。今日は天井が高いこともあって紗幕全体に映し出される星々は壮観だった。ゆかりんの腕の動きに合わせて動き出す宇宙、そのダイナミズムにはいつも息をのむ。
逆蜻蛉
今日は舞台左側の花道から登場したゆかりん。紗幕が落とされるとステージ全体は真っ赤に灯る。今日も曲の途中で舞台真上の赤の照明が明滅する演出があって、曲全体の迫力が増幅される。曲後半ではステージの備え付けの扇風機からの風で衣装全体が揺れ動き、荒涼とした中で強い雰囲気が出ていた。
null
イントロに合わせるように、照明が1つずつ灯っていく。普段は上から3つ、4つ、4つ、2つの合計13個の照明が灯るのだが、今回は照明が真ん中下側(真ん中上側だったかもしれない)の照明が2つだけで、合計11個の少し黄色っぽい照明が灯っていく。ゆかりんは一言ずつかみしめるように、言葉の持つ意味合いを大切にするように「null」を歌い上げた。
映像
今回の映像コーナーは鈴カステラ作り。お好みソースが一番おいしいらしく、お好みソース最強論が確立された。
You Are The World!
ポップアップからゆかりんが登場し、ワイパーとクラップから構成される、普段のライブとは少し方向性の違った熱気に満ちた空間ができあがる。間奏のところで両手を広げてその場で回るゆかりんがとてもかわいい。
後ろから前から
今回のツアーでもう1回は「Jealous」と「後ろから前から」を聴きたいと思っていて、打ち上げでもそういう話をしていたのだが、ここで流れてきたのは「後ろから前から」のイントロ。この曲を歌うゆかりんは妖艶というほかなくて、見惚れてしまう。Aメロでは”ゆかりん”のコールも入る。正確にはカバーの曲だが、自然発生的にコールが広がっていくのはおもしろい。
Paradoxx.
ラビさんがやさしくピアノを弾き、前2曲で作り上げられた空気感がゆっくり自然に消化されていく。いつもよりもラビさんの独走が長いような気がしたが気のせいだったかもしれない。今日の「Paradoxx.」は普段よりも落ち着いて聴こえた。
映像
ツアードキュメント映像は新潟から。写真撮影で段ボールに入ろうとして、かわいいというメイツとかわいそうというあややさん。八王子公演ではオリンピック選手並みの全力疾走を披露するゆかりん。
Vanilla Lover
ゆかりんが登場すると、お馴染みのダンスの時間が始まる。今日のバニラバのゆかりんは好き”の連呼のところもダンスのところも含め、とても安定感があって、お手本の映像を見ているかのようだった。客席のダンスのほうも安定感があるように見えた気はしたのだが、ステージからはどう見えたのだろうか。
MC
浜松駅のエスカレーターは灼熱地獄。沸点を越えているのではないかと話すゆかりんだが、同じく新幹線を降りるときに階段とは隔離されたシェルターの中にあるエスカレーターを通った私は完全同意だった。王様のゲームのチームに王国民が入ってきたらしい。
Wonder habit
可憐でかわいい成分が全面的に押し出されたような歌声で歌うゆかりん。それに振り付けのかわいさが加わると最強の領域に入ってくる。無心でコールを叫んで、そのかわいさをひたすらに浴び続けていた。
期待しないで
続く曲は「期待しないで」。Bメロからサビの振り付けがとてもかわいくて、このツアーで何回も聴くことができてとても嬉しい。コールも間奏の歌うような口上も楽しくて、今回のセトリのなかでもかなり好きな曲になってしまった。
La La Love call
もうラストなのではないかと思ってしまうほどの熱気を感じるが、まだこの曲を含めて3曲もある。この曲のBメロの被せや”絶対!”の声はとても大きかったと思うが、ステージ上も全く負けていない。2番終わりの間奏のメンバー紹介での会長とノリさんの2人のギターは稀に見るほど激しかった。メイツのあずささんの回転は今日も全くブレず芸術のようだった。
Exactly
さらにボルテージを上げていくかのように「Exactly」が始まる。今日はこの曲でいつも以上にゆかりんが動き回っていて、両側の花道まで出てきて、客席に手を振りながら歌っていた。ホール自体の音響がよかったのか、コールが発散していくような感覚があって、客席の声自体も相当大きかったはずなのだが歌声が一切負けずに聴こえてきた。
逢うたびキミを好きになる
本編ラストはお馴染みの「逢うたびキミを好きになる」。今日もゆかりんはバンドメンバーやスタッフと歩調を合わせるように楽しく歌っていく。2番のサビでは一瞬歌詞が飛んでしまったようでとてもかわいかった。曲の最後の”太陽はずっとずっとキミだよ”のところでは、客席やメンバーを指すのではなく自分の右手を挙げる。無数のペンライトが伸びる先で片手をあげるゆかりんは、大きな花が咲いたように見えて美しかった。
encore
Only oneのあなたのせいよ
数分間の”ゆかりん”コールののち、ポップアップから登場したのはうさみみをつけたゆかりん。今回のツアーでうさみみをつけていたのは3回目くらいだろうか、回数は朧気だが、何回見てもとてもかわいくて、見入るあまりクラップがズレてしまうのではないかと思うほどだった。
MC
会場の気温か、熱気か、ベッタベタのおじさんと姫がいる空間ができあがった。べたべたになっても冷房が効いている空間に入るとサラサラになる理論にはあまり共感が得られず拍子抜けするゆかりん。
くちびるプラトニック
今日のアンコール2曲目は「くちびるプラトニック」。前のツアーからお馴染みのサビのところで右手を左右に振って、大きく円を描くような振り付けはとてもかわいいし、会場の多くの人が真似をしていて、ピンク色の動きの揃った綺麗な光景になっている。
うらはら兎のねがいごと
いつも以上にあっという間に感じられるが、もう最後の曲になってしまった。早いもので5公演連続の4公演目のラスト、まだ明日もあるのだが、今日が終わってしまうのが惜しくてゆかりんを目に焼き付けるように見ていた。明日は飛び禁でお馴染みのグランキューブ、”ピョンと跳ねて”のところでは、明日の分を前借りするかのようにいつも以上に飛んだような気がしている。
挨拶
台風がきていても無事来ることができて良かったと話すゆかりん。熱中症対策にお水飲むんだよというゆかりんに優しさを感じた。
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打ち上げ
最初は3人でどこかに食べに行こうという話だったのだが、最終的には5人になり、浜松駅近くの餃子が美味しい居酒屋に入る。浜松餃子も鰻も美味しくて、気が付けば22時を回っていた。
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2軒目に入ると別のグループの王国民もいて、店はピンク、水色、紫のTシャツで溢れかえっていた。気が付けば0時を回り、偶然同じ店で飲んでいて同じホテルに泊まるフォロワー某氏と夜の浜松駅前を歩いていく。