ゆかりんHoney bunnyツアー福岡公演 遠征録・感想
まえがき
遠征の朝は早い。いや、今回は必要以上に早い。何も、7時半の飛行機に乗る必要はないと我ながら思う。本当はもう少し遅い便で行くつもりだったのだが、マイルを使ってタダで福岡へ行きたいという欲を前面に出した結果、残り500マイル弱が貯まるのを待っている間にちょうどいい時間の便が埋まってしまったのだった。
某所→羽田空港
寝坊もせず、無事予定通りの地下鉄に乗ってリムジンバスに乗り換える。昨日準備に時間がかかったのもあって、やや睡眠不足感があるから、ここは貴重な睡眠時間に充てる。
羽田空港7:35(遅れ7:55)→福岡空港9:25(遅れ9:55) NH241
なかなか出発しないと思っていると操縦室内の整備士確認実施中のアナウンスが。幸い大事には至らず、20分遅れで出発した。ここは睡眠時間にすることにし、離陸直後に目を閉じる。目が覚めると眼下には福岡市街地が広がっていた。
福岡空港
時刻は10時。一瞬躊躇したが、2階のラーメン滑走路に向かう。朝ご飯を食べていないということもあって、一番手前の店でブランチとしようか。
高菜を途中投入しつつラーメンを食べながら、ここからの行程を考える。適当に30~40分ほど観光できる場所を探すと、福岡城跡の中にある鴻臚館の展示館がちょうど良さそう。大陸の玄関口福岡の歴史が垣間見られそうで、そこに行くことに決めた。時間があれば国宝の金員が見られるという福岡市博物館も心惹かれたのだが、これは次回に取っておこう。
福岡空港10:31→赤坂10:44
福岡の地下鉄はクレジットカードのタッチ決済で乗ることができるという噂を聞いたから試してみることにする。財布からクレジットを出して、交通系ICをかざす場所にタッチしてみると反応がない。どうしたものかと手元を見ると、クレジットのタッチは別のカードリーダーらしい。かざしてみると無事改札を通り抜けられた。混雑したJR九州の黒い新しめの電車に乗ること13分、目的地最寄りの赤坂駅に着く。この駅では駅員の窓口のところにカードリーダーがあり、そこにクレジットをかざすと運賃が表示された。
鴻臚館跡
外に出ると雨、今回のライブグッズの折り畳み傘を実践デビューさせることにする。大通りを歩くと福岡城跡の堀と石垣が見えてきて、平和台交差点から橋を渡ると野球場のような形をした広場に出る。ここは平和台球場の跡地、そのスコアボード裏のあたりに鴻臚館の展示館がある。
入っていくと、右手に建物の実寸大の復元模型が堂々と構え、左手には発掘調査後の遺跡がそのまま保存されている。周りには古代~中世の大陸との交流を解説する展示が並ぶ。今日も朝から2時間ほど空を飛んで気軽に福岡までやってきてしまったが、古代ではこの距離の移動は一世一代の命がけで、元居た場所に戻ることが全く保証されていなかったものなんだろうなと思うと、気が遠くなってくる。今でこそ飛行機で数時間で着く大陸や半島も、古代の人にとっては今の宇宙くらいの心理的距離があったのだろう。
赤坂11:26→中洲川端11:30/11:34→呉服町11:35→福岡サンパレス
時刻を見ると11時15分、そろそろ動かないと物販には間に合わない。来た道を戻り、我が物顔でクレジットカードをタッチして呉服町を目指す。呉服町からは背の高いビルを両サイドに臨みながら歩いていって、お馴染みの円形で構成された福岡サンパレスが見えてきた。
ちなみに、地下鉄のタッチ決済の決済通知が未だに来ないのだが、本当に無事支払えているのだろうか。エラーは出なかったはずだし、支払金額も表示されたはずなのだが。
福岡サンパレス
福岡サンパレスに着き、物販列に並ぶと同時に呼び出された。物販と本人確認、スタンプを済ませるとまだ12時10分、さて今からどうしようか。
石城町12:20→貝塚駅12:35
15時にホテルのチェックイン、16時に会場着として2時間半ある。金印を見に行っても良いのだが、乗り潰しを進めることにしようか。Sd福岡公演の前に地下鉄箱崎線は乗りつぶしているのだが、その先の西鉄貝塚線は未乗だから、それに乗るべく国道3号線を走るバスに乗り込む。数名だった乗客は貝塚駅に近づくにつれ1人ずつ降りて行き、最終的には私一人がバスを降りた。
貝塚12:46→西鉄新宮13:11
改札を抜け、2両編成の電車に乗り込む。定刻になるとゆっくり走り始めて、車内チャイムと自動放送が流れる。車内は座席が半分くらい埋まる程度で、車内にはゆったりとした時間が流れる。暫くすると高架区間に入ってJRと並走する。香椎から先は単線のローカル区間に入る。一応複線分の用地は確保されているらしい。そのままゆっくり走っていくと、1面2線の小さな駅にゆっくり入っていった。
西鉄新宮13:28→……
小雨が降っていたから駅前散策はほぼやらずに電車に乗り込む。和白で香椎線に乗り換えても良かったのだが、千早で鹿児島本線に乗り換えることにしようか。和白を過ぎ、唐の原に停まっていると、運転士が無線電話で話し込んでいる。嫌な予感がしていたのだが、
「お知らせします。先行電車が香椎駅で故障しており、この列車は救援列車になりますので隣の香椎花園前で営業を打ち切ります。ドアが閉まります」
まだ和白駅にその放送があれば、あるいは1駅先の香椎駅までの営業なら、手の打ちようがあったが、香椎花園前駅ではどうしようもない。唐の原駅がどこなのか調べる間もなくドアは閉まってしまったし、どうしようかと必死でGoogle mapを眺めて考えていると、香椎花園前に着いた。久々の大トラブル遭遇である。
香椎花園前→香椎 徒歩
駅前に出てもバス停もタクシーもなく、おろされた大半の人は途方に暮れている。
「いつ動くの?みんな待ってるけど」と私に話しかける地元のおばあちゃん。残念ながら私は西鉄電車の駅員ではない。
ここから九産大前駅まで歩くことも考えたが、快速も止まる香椎駅まで歩くことにした。スマホを頼りに見知らぬ街の細い道を歩き、時に横断歩道のない交差点に当たって迂回してはひたすら道を進むこと25分、香椎駅に着いた。こんなところで暑い中30分近く歩くことになるとは。
香椎14:13→博多14:23
本来はもう博多駅に着いているはずの時間、無駄に時間を食ってしまったが、ちょうどホームに入ってきた快速に乗り込んで博多駅に向かう。車内は吊革すら持てない混雑で、福岡都市圏の規模の大きさを実感する。
博多
駅に着いて構内を適当に歩いているとてちちさんに遭遇した。博多駅でラーメンを食べて4時間弱、さすがに夜まで何も食べないのはつらいから適当なお店に入って軽食を摂る。その後、例のお土産屋に行って例のものを買ったり、通りもんを買ったりするとホテルのチェックイン時刻に。
歩いてホテルに向かっていたのだが、折りたたみ傘(ツアーグッズ)がないことに気が付いた。恐らく先ほどの店に忘れたのだろう、内心焦りつつ後で取りに行くことにして、ホテルに向かう。チェックインの列に並ぶとフォロワーさんがいて、なんと隣の部屋だった。
博多駅前15:27→国際会議場サンパレス前15:41
わすれものの折り畳み傘を心当たりの場所で無事回収して、Googleマップで調べると、数分後にサンパレス方面のバスが出るらしい。少し小走り気味にバス停に向かうとちょうど乗降が行われているところで、乗り込んで後ろのほうの席に座る。バスは大通りをゆっくり走っていって、フロントガラスに映るサンパレスの姿が大きくなってくる。
福岡サンパレス
入場待機列に並ぼうとすると、中学・高校の先輩こと某氏に呼び止められてご挨拶。そういえば初めてご挨拶したのが去年の福岡だったような。時間になり、会場に入って自分の席に行くと、隣の席にはホテルが隣の部屋だったフォロワーさんの姿が。ホテルもライブも自然連番だったのは面白い。今日は中央やや右寄りの席から。
Poppin' Magic
いつものように爽やかに始まるイントロとコーラス、そしてポップアップからはピンクと銀色の衣装を着たゆかりんが登場する。”You are only one”、”We are only one”の声がどこか優しく響いてくる。1曲目から“好きでいてくれてありがとう”の歌声に射抜かれてしまう。
好きしかありえない
けたたましく鳴り響くように始まる2曲目は「好きしかありえない」。新曲のコール本が配られ始めて2週目、早くも”好き好き大好き大好きゆかり”のコールが大きくなってくる。2曲目にして客席が揺れるように動いている。
MC
福岡からの参加者は300人だというが、ゆかりんの「ただいま」に「おかえり!!」と呼応する声は明らかにそれより多かった。ゆかりんの博多弁はかわいい。
Sweet alert
イントロからクラップが鳴り響く。そのスピード感と疾走感が心地いい。サビのところ腕をぐるりと回す振りがかわいい。この曲のように内面的な揺れ動きと重いものが垣間見える詞を歌うゆかりんには魅了される。
キャラメル
前の曲とは一転、穏やかでゆったりとしたリズム感に乗せられる。甘さの中にほろ苦さがあるようなゆかりんの歌声をいつまでも聴いていたい。
トーキョーキャンディーガール
木漏れ日のような心地よい雰囲気から一転、冷たい風が吹く街に降り立ったように雰囲気が変わる。Bメロの”信号が青になる”の高音の伸びがとても綺麗に聴こえてくる。サビの部分は客席側でも踊っている人が多くなってきて、少しずつ一体感みたいなものができつつある。
映像
今回の映像は格付け。チョコレート、お茶、チーズと見事に全問正解していくゆかりんは紛れもなく”舌神”。
エアシューター(アコースティック)
紫のドレスを着たゆかりんがステージ左側から登場して、「エアシューター」がはじまる。サビの部分では流れ星をイメージしたような斜めに手を下ろして振り上げ、ワイパーをする振りがあって、いくつかペンライトが灯っている。ここだけペンライトを点けてみても良いかもしれない。
MC
ここでは佐賀と北九州の話。私は広島出身だが、”離合する”という言い回しはしないものの意味は分かる。大分県から来たという客席からの声に対して、久住山、飯盒炊飯のところ?と話すゆかりん。飯盒炊飯は”はんごうすいはん”なのか”はんごうすいさん”なのかいつもわからなくなるが、それは余計な話か。
夢色ラビリンス(アコースティック)
少しジャズのテイストが入って優雅に聴こえてくるこの曲はアコースティックアレンジがとても合う。ゆったり目のAメロはゆかりんの歌声がとても綺麗で艶がかって聴こえてきて、多幸感に包まれるような気持ちになる。
you(アコースティック)
ラビさん以外のメンバーが退場すると、少し寂し気なイントロが始まる。ゆかりんの歌声は、おなじ「you」でも今日は大宮よりも優しさが際立つように増して聴こえてきて、寂しさやネガティブな部分が控えめな気がした。ライブで聴くのは6回目の「you」だが、一番優しい「you」だったような気がする。
映像
今回のバーチャルデートは海。海辺でキャッチボールをするが、抜群のコントロールがないと後逸するのは爆笑してしまう。ちなみにホンビノス貝は千葉ブランド水産物に認定されているらしい。
スーパーノヴァ
薄く白い幕が下りてきて、青白い照明の奥にゆかりんが浮かび上がってくる。心地よい3拍子のリズム感の中、スクリーンに映し出される無数の星々は幻想的に映って、もし宇宙の果ての地球が見えない場所まで旅行をする機会があったとしたら、おそらくこんな景色を眺めて呆然として、少しだけ途方に暮れて、心が掴まれたような感覚がするのだろう。
逆蜻蛉
一瞬の拍手をかき消すようにギターが鳴り響いて、「逆蜻蛉」が始まる。ステージ左側からゆかりんが登場して白い幕が落ちて、今までの幻想的な世界観は儚くも崩れ去る。そこに現れるのは冷酷に似た恐怖と青赤の照明が織り成す不気味な世界だった。CD音源よりも歌声にエフェクトがかかっている部分が少ないからだろうか、起伏が少なくて不気味さがストレートに押しかけてくるような気がしてくる。
null
一瞬にして過ぎ去る「逆蜻蛉」の後にこの曲を聴いたときの感覚は、台風一過の街を歩いている感覚に近いかもしれない。街や人の心の何かが確かに徐々に癒えていくのが分かるような、そういう感覚である。何度も書いているが、この歌詞が好きすぎて、ゆかりんの歌声でこの歌詞をずっと聴いていたいのだが、残念ながら曲は終わっていく。後奏で階段をのぼっていくゆかりんの後ろ姿がとても切なく見えてくる。
映像
今回の映像は日本地図にダーツを投じて都道府県を当てるというもの。ギリギリ時間内に成功して、見事”AMASON”ギフトカードを獲得するゆかりん。
You Are The World!
印象的なイントロから続く、少し甘めでかわいいゆかりんの歌声。メイツに煽られるように客席にはクラップが響き渡る。沿道からカーニバルを見ているかのように思えてきてとても楽しい。
聴こえないように
何度聴いても初めて参加したTCツアーを思い出してしまって、とても嬉しくなる。Aメロから振りはとてもかわいいし、ペンライトが一斉に上から振り下ろされるところはとても綺麗に見える。客席の”大好き”の大声援も気持ちがいい。この曲をまた聴くことができたのが嬉しすぎて何も考えられなくなってしまう。
Paradoxx.
イントロが始まると、ハッとさせられる。外向きの甘美な世界観は儚くも崩れて、内向きのネガティブに揺れ動く心が目の前に現れてくる。ゆかりんの歌声には少しだけ寂しさが乗って、心情に合わせて揺れ動いて聴こえる。この揺れ動きの緩急、透き通った部分とそうでない部分の奥行きの精度の高さには畏れ入る。
映像
ここではツアードキュメント映像が流れる。リハの映像は無くなり、八王子公演の映像からになっていた。大原松露饅頭。大宮公演の「期待しないで」はイントロドンだったらしい。
Vanilla Lover
ついにやってきたダンスの時間。時折歌詞に出てくる”地獄”や”天に召しやがれ”のようなフレーズがクセになって、ゆかりんの歌声で聴くと心地よく耳に入ってくる。自分の席から見る限り、先週よりも踊れるようになってきている気がするのだが、ゆかりんの評価やいかに。
MC
今週末はみみちゃんをペットホテルにあずけているらしい。自動で出てくるペレットは止められない仕様とのこと。減っていたら怖いね。
先週の大宮を受けてメイツのうち2人の衣装が入れ替わっていたが、微妙にサイズが違うらしい。支障があるということでじゃんけん制度はわずか1回で廃止となった。
Wonder habit
一気にかわいいが押し寄せてきて、毎回ここで頭が処理落ちしている気がする。ペンライトの振り方もよくわからなくなって、ただステージを眺めるだけになってしまう。口上の声は少しずつ大きくなってきている気がするが、まだ覚えられていないから次までに修練を積まねば。
期待しないで
好きな曲にランキングをつけるならば、最近大きく順位を上げてきたのはこの曲な気がしている。2番の冒頭だったと思うのだが、コールを聞こうとするあまり歌詞を飛ばしてしまったゆかりんがとてもかわいかった。サビのゆかりんの振りに合わせて一斉にピンク色のペンライトがまっすぐ伸びるのはとても綺麗に見える。
La La Love call
映えるように鳴り響くエレキギターから始まるのは「La La Love call」。客席側の声の大きさも一気に上がってくる。もはやこの曲を聴かないとライブは成り立たないといっても過言ではないのではないだろうか。間奏ではメンバー紹介があった。
Exactly
間髪入れずに始まったのは「Exactly」。この日も紛れもなく声が一番大きかったのはこの曲で、ゆかりんの歌声が聴こえにくく感じるほどだった。前にも書いたが、声出し解禁になった今、この曲で自然に声が揃って一体感が生まれたのは感慨深いものがあって、このまま続いてほしいなと思う。
逢うたびキミを好きになる
銀テープが舞う。今日は自分のところにも飛んできて、いくつか左手で掴み取る。左手でテープを掴みながら曲を聴いていると、ライブ終盤の全開で爽快な感覚が増してくる。未来に向かっていくようなこの曲は今日もとても明るく聴こえてくる。”太陽はずっとずっとノリだよ”これは風の香りと太陽に期待しても良いということか、それは勝手な勘違いか。Dメロのところではワンフレーズ間に合っていなくて、こういうところがめちゃくちゃかわいいし愛おしい。
encore
Only oneのあなたのせいよ
数分間の“ゆかり”コールが鳴りやむとポップアップからゆかりんが登場する。ゆかりんの腕とペンライトがまっすぐ上を指し、疾走感のあるこの曲が始まっていく。サビのところのワイパーは客席とステージの空気感が完璧に合ったような感じがしてとても爽快感がある。
MC
サブウェイでサンドイッチを買ったという話。ちなみにハニーオーツよりセサミ(ゴマのやつ)のほうが微妙にカロリーは高いらしい。
くちびるプラトニック
MCの後は「くちびるプラトニック」。ここまで来れば全力で楽しむだけ、無意識のうちに間奏では全力で”ハイ、ハイ”と叫んでいた気がする。
うらはら兎のねがいごと
ついに最後の曲になってしまった。今日もコールのところでは耳に手をやるゆかりん。全力の”かわいいよー”がホールに響き渡った。アンコールの最後ということもあるのか、どこか明るく上向きに聴こえてくるような気がする。
福岡空港の井出かつ丼が美味しいというMCがあって終演となった。今度機会があるときに食べてみよう。
打ち上げ
ライブが終わり、バス停の場所でろかるのさん、てちちさんと待ち合わせ。去年のwith me?福岡公演のあとにこのお2人を含めた4人で打ち上げに行ったのが、初めて王国民の方々とご一緒した飲み会だったのだが、その時に行ったのと同じお店に行くことになった。2時間ほど飲んでいたのだが、なんと店主さんが覚えてくださっていたようで、「また来てくださいね」と言われて店を後にした。
そのまま解散するのは惜しい気がして、歩いて中洲の屋台のあたりへ。生憎屋台は埋まっていて、一蘭の本店に辿り着いた。それなりに胃が限界に近づいていたから、味や量をカスタムできる一蘭は意外とちょうど良かったのかもしれない。
時刻は0時過ぎ、博多の夜を遊びつくすという夢も叶えられて、宿に戻ってきた。
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