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名前の話

『世尊寺殿の猫』は、鎌倉末期を舞台とした
足利家をめぐるほのぼのホームドラマ()なのですが、
書くときに直面したのが、名前に関する問題です。

まず、主人公の足利高国くん十六歳。
彼は後世、足利尊氏の弟「足利直義」になる人です。
尊氏の方は、十八歳。当時は高氏という名前です。

「高国」という名に関する色々はまたいつか触れるとして、
作中に高氏・高国の幼いころの場面があって(ホームドラマなのでw)、
そこで必要なのが、幼名。どうする?

この時代、生まれながらにしてかなり高貴じゃないと、
幼名というのはなかなか記録に残りません。
鎌倉武士なら、北条得宗家の御子息とか。

高氏・高国も、そこそこいい家の坊ちゃんとはいえ、
彼ら自身の幼名はわかりません。
幼名の記録が残るのは、彼らの子供の代からです。

畏れ多くも尊氏・直義の幼名を勝手につけました。尊氏は山王丸。

というわけで、結局どうしたかというと…。

つけました

話として必要だったので、勝手に作ってつけました

清子(母)「お前たちを産んだときね、鶴岡八幡宮から鳩が来たのよ。
だから、山鳩の山をとって山王丸、雉鳩の雉をとって雉若丸にしたの」

高氏・高国「それ、どっちも鳩じゃないじゃん

清子(母)「鳩つけて、鳩三郎のほうが良かった?鎌倉だけに

高氏・高国「山王丸・雉若丸サイコー

そんな感じの会話が入っている足利家ほのぼのホームドラマ、
『世尊寺殿の猫』、たぶん近々発売されるはずです。
(細かい情報は、もう1~2週間ほどお待ちください。)

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