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【映画感想】鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎【ネタバレなし】

総括

「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」観た!
全体のテンポはスローなものの、最終的な印象は隅々まで丁寧に作られた作品でした。話題性だけでフラッと観てまさか涙を流してしまうとは思わなかったわ・・・。

感想

今作は、水木しげる先生の生誕100周年記念作品。
可愛くなりすぎたねこ娘が出てくる、「ゲゲゲの鬼太郎」第6期をベースに置きつつ目玉の親父の過去の出来事にフィーチャーした作品。
戦後日本、血液銀行に務める水木が、日本財界をお牛耳る龍が一族に支配される村に訪れる・・・。そして、不気味な風習と不可解な事件が起こり始める・・・。
そんなストーリー。
正直、自分は鑑賞していて前半は、説明が不足したり意図的に説明を飛ばすようなよくわからない語り口でノれてなかったんだよね。
ただ、後半に行くにつれその違和感が本当に意図的で全ての違和感を解きほぐしてくれて、最終的には丁寧な作品だったと印象付けてくれたんだよね。
あまりに丁寧に解きほぐされるので、伏線ではあるものの・・・そうだったのか!!!っていう爽快感ではなく、鑑賞者全員が覚えた嫌な感じが・・・あぁそれだったんだぁと腑に落ちる形で伏線を回収するのは新鮮だった。
そして、最後の展開は・・・どうしたって涙を流さずにはいられなかったね。
ゲゲゲの鬼太郎がなぜ"人"と"妖怪"の間に立つことを選んだのかの基礎が分かる様になる。
今作の主人公が"人"と"妖怪"のバディにすることで結果そのエッセンスが鬼太郎に受け継がれてるって展開は非常に巧かったよね。

あと、アクションシーンも素晴らしかったね。
意図的に線をゆるくして描画することでより柔軟で迫力のある立ち回りをみごとに描ききってるのよ。
また、圧倒的な人とは違うという力の見せ方としても、ただ殴る蹴るだけじゃなく地形に影響を与えることでインパクトを残してるのは素晴らしかったね。

そんなわけで、話題になるだけあるいい作品でした。
物語の丁寧さも味わい深いし、昭和というものが令和の時代においてファンタジーになり始めたよなって感覚も味わえる作品だった気がしています。

(79点/100点満点中)

別物なんだけどゲームの「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」が近い感覚で昭和オカルトをファンタジー感もあって近い匂いがして・・・。
妖怪パワーバトル漫画の「ダンダダン」もアニメ化するし・・・。
ここにきて、妖怪が一大ジャンルになるんじゃなかろうか?


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