【映画感想】THE FIRST SLAM DUNK【ネタバレなし】

総括

「THE FIRST SLAM DUNK」観た！
凄まじいものを観た。
純粋に、”映画”として素晴らしい作品です。
原作を知らなくても、アニメを知らなくても、バスケを知らなくても緻密な構成とストーリー演出によって映画として絶対に楽しませてくれる作品です。
自分はスラムダンクリアルタイム世代って感じでもないし、ファンじゃないし舐めていったら予想だにしない方向からガツンとヤラれました。
すごいです。

感想

今作は1990年から連載されていた井上雄彦先生が週刊少年ジャンプで連載していた「SLAM DUNK」を原作にした映画です。
監督、脚本を著者である井上雄彦先生っていうのも気合が入ってるって感じするよね。
自分は、時々やってるTVアニメは見ていたけれど、コミックスは友達の家で読んだぐらいのゆるーい知識しかない。
正直、ファンじゃない。
話題性もあるし、とりあえず観に行くか～という舐めた姿勢
でも・・・今、完全に熱に浮かされてる。
漫画の「リアル」、「バガボンド」を経た井上雄彦先生だからこそ描き出せた物語が今作にはあります。
少年ジャンプだったらスピードが早くて歩幅が合わず載せられないストーリー。
けれどウィークポイントを絞り、映画という媒体を使うことで、青春ドラマとスポーツの面白さ。
さらにヒューマンドラマをガッチリ練り込んで仕上げてる。
マジで超感服。
構成も見事。
1本の映画としてすばらしいのよ。
前半スローテンポ。
だけど、芯になる部分をしっかり描く。そうすることで、新規の人も感情移入しやすくなるように工夫してる。
丁寧な芯を構築した後は、みたこともない素晴らしいバスケ描写。
本当の試合を見ているように拳を握る瞬間、息を止める瞬間がマジである。
有名で、知っているシーンなのに驚きが隠せないんだよ。
CGであるからこそのバスケットコートにいる全員の動き、ふるまいが細やかにわかる。
最初のうちは浮いてる気がするのよ・・・だけど途中からは、そんな些末なことはどうでも良い。
演出の素晴らしさによって”グンッ”って擬音が自分の脳みそで流れるぐらいに入り込まされる。

音楽も素晴らしいんだぁ。ロック調の荒さのある音が、切磋琢磨してる青春を盛り上げる。
あの意図的に爆音にする演出は卑怯よ！！！！！！！！！！最低だよ！！！！！！！！最高だよ！！！！！！！！！！

声優さんに関して、結構炎上していたけれど、個人的には今、井上雄彦先生が描きたい「SLAM DUNK」においてピッタリの声優だったと自分は思います。
逆に描きたいものが明確にあったから、旧キャストの起用をしていたならばあきらかにノイズになっていたと思います。しらんけど。

正直、連載当初から井上雄彦先生の脳内では、この試合が繰り広げられていたんだろうな。
でも、どうしてもコマ割りがあるから省略したところがたくさんあったんだろうな。
今だから、自身の脳内の断片を映画という媒体にして、"完璧"な形の「SLAM DUNK」を描きたかったんだろうなって勝手に思ってしまったよ。

本当に最高でした。ネタバレになるから内容は一切書いてないがスポーツ映画として、青春映画として、ヒューマンドラマ映画として凄まじく優れいている作品です。
ファンじゃない人、知らない人大丈夫。
観に行きましょう。映画として素晴らしいです。

ファンの人、観に行きましょう。
想像とは違うと思いますが、「SLAM DUNK」です。
確実に完璧に「SLAM DUNK」を味わえます。

今更だけど・・・「SLAM DUNK」ファンになっていいですかね？
全巻買うとこからはじめるかぁ

（80点/100点満点中）

あまりに作品が良く出来すぎたので勿体ぶって自慢げなプロモーションをしてミスったって感じを見終わったあとだとめっちゃ感じます。
声優さんのとか制作サイドのコメントとかね。
プロモまわりだけは本当に反省してください。