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【映画感想】フェイブルマンズ【ネタバレなし】

「フェイブルマンズ」観た!
多くの場面が日常の映画。
だけれども、幼少期の体験から撮影、編集という作業によって気づきたくないことにも気づき、日常をフィクションに作り変える様を見ていくことでドラマが生まれていくのは面白かった。
ヒューマンドラマとして素晴らしく、派手さはないがじんわりと染みるような作品でした。
スピルバーグ監督の伝記ということを知っているとより深く楽しい作品です。

今作は、スティーブン・スピルバーグ監督作。
自身の伝記のような作品。
映画監督になる以前の幼少期の体験を映像化したのが今作です。
全体の匂いとしてはニュー・シネマ・パラダイスを思わせるような雰囲気だけれど、スピルバーグのフィルモグラフィーをセルフオマージュしならエンタメ感を保持しつつ過去語りをしているような作品でした。
全体的には、ヒューマンドラマ。
カメラを通していくことで、現実に対してフィクションの視点が侵食してくるような描き方はおもしろかった。
フィクションとし撮っていたのに、現実が浮き彫りになり突きつけられる。
切っても切り離せないけれど見せることは選べる”編集”というのを物語として観させられる。
映画というものが監督自らの欲望を反映できる手段という描かれ方も面白かったね。

日常が多くて、朗らかめな映画なんだけれど、ヒューマンドラマの要として苦しみや辛さを楔のように打ち込んでくる作品。
何も知らなくても楽しい作品。
ただ、スピルバーグ監督の背景を軽くでも知っていると、いろいろなところに紐づいてよりおもしろくなる作品でした。

今作を鑑賞して思ったのは、アップルのスティーブ・ジョブズのように後世が勝手に語るじゃん?
スティーブン・スピルバーグ監督を映像化した作品が絶対に生まれるのを考えると当人がこうやってフィクション多めで人生を示した映画を作成することは正しい気がするわ。
それにしてもポール・ダノ演技がうますぎんかね。
最近光り輝いてるわ。

(100点満点中/70点)



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