ハモネプ2021年夏の感想

ハモネプ2021年夏を見ました。個人の感想を書きます。

まず断っておくと、私はアカペラ経験者ではなく、音楽好きでもありません。ハモネプ以外は、音楽を聴くこと自体少ない。そういう人です。というわけで、パフォーマンスがどうこうではなく、運営面を中心に感想を書きます。また、番組や出場者の方を批判する意図はないです。こういう人もいるんだと、生暖かい目で読んでただければ。

今回も15組揃わず

今回の出場グループは14組(学生グループ13組+アナウンサーチーム)。Eブロックで1組欠場の旨が発表されました。

ハモネプは感染症の影響を大きく受けています。2020年はアルペジオとツワブキがリモート出演。2021年冬はシャイエンスと恐縮ですが欠場。今回も全組揃うことはありませんでした。気になるのは出場予定グループがどこだったのかということ。琉球大学が出場できたあたり、緊急事態宣言が出ているから、といった理由ではないでしょう。2021年冬と違いグループ名すら紹介されないということは、個別の理由があったのかもしれません。

アナウンサーチームが「穴埋め要員」だったのかも不明。選曲を見るに、最初からアナウンサーチームは本戦に出場予定だったのかもしれません。

ちなみに2021年冬のアナウンサーチームは穴埋め枠だったと勝手に思っています。もともとは以下のような組み分けだったのでは。

Cブロック:あまつつみ、リメリック、キャラバンナイツ

Dブロック:あまがさ、ヤミツキ、シャイエンス

Eブロック:恐縮です、スペード、ツキミソウ

こう考えた根拠はヤミツキの紹介VTRです。「今、ボカロ系の曲が大人気」という場面で3組のアーティストが紹介されました。そのうち1組の曲をあまがさが披露。もう1組の曲をヤミツキが披露。もう1組の曲をシャイエンスが応募動画で披露していました。この3組がもともと同じブロックで「ボカロ系曲対決」にするつもりだったのでは?準備の関係で歌唱順を大きく変えることができなかったため、あまがさ以降のグループは前詰めでブロック再編。元々のDブロックとEブロックの間にアナウンサーチームが入ったのではないでしょうか。BブロックはK-POP対決だったのでそのまま。その前のAブロックもそのままにするのが自然だったと考えれば納得がいきます。

…と書きましたが、あくまで推測です。本当のところは、スタッフの方しか分からないでしょう。

今回も最近の曲重視

1回戦の14曲のうち、13曲が2017年以降の曲。この傾向は2020年以降顕著になりました。最近の流行を知っていないと、置いてけぼりになりそうです。「あー夏休み」や「ガラスの十代」で久しぶりに馴染みのある曲が出たという方もいらっしゃるのでは。

最近の曲が増えたためか、2020年以降、2大会続けて同じ曲が披露される事象が多く発生しています。白日、炎、紅蓮華、夜に駆ける、等々。2019年以前ではほとんどなかった事象です。

ここで気になるのは、この傾向がスタッフの意図なのかということ。テレビ番組である以上、多かれ少なかれスタッフの誘導はあると思っています。そもそも、アカペラサークルというのは有名な曲ばかり歌っているわけではありません。アカペラサークルのライブに行くと、聞いたこともない曲のオンパレード、ということも。番組として成り立たないので、有名な曲を歌ってもらうということはあるでしょう。それでも、「なんでこのグループがこの曲?」というのが増えた気がします。誘導そのものは仕方ないですが、やり過ぎないで欲しいです。また、伽藍堂ベイベーやアルペジオ、パインアメ、キャラバンナイツのように我が道を行けたバンドもあり、どういう基準で誘導しているのか?とも思います。

私は「選曲も勝負のうち」と思っています。したがって、過度の誘導はせず、知名度のある曲なら何でも可にして欲しいです。

もちろん、誘導があるというのは視聴者から見た推測です。出場グループの方が何を歌いたいかなど、視聴者は分かりません。もしかすると、普段と違う曲を歌おうと思ったグループもあったのかもしれません。

優勝争いは三つ巴

現体制になって以降、5~6組が決勝に進むようになりました。しかしながら、上位3組の顔ぶれは1回戦と決勝で変わりません。

2019年:たむらまろ、ハイスクールバンバン、DUC

2020年:ザ・コンティニューズ、桶川ルマンド、シンフォニア

2021年冬:あまがさ、8Law、リメリック

2021年夏:ブラックムーン、夜にワルツ、8Law

3組の中で順位変動はあります。が、1回戦で4位以下、決勝に3位以上というグループは1組もありません。1回戦の点数で、全体3位以内に入るのが優勝争いのポイントと言えそうです。

補足すると、点数が高くても決勝に行けなかったグループもあります。2019年のあまがさ(5位)、2020年のブロス(4位タイ)、2021年冬のあまつつみ(4位)、2021年夏のセルジャム(5位)が決勝に行っていれば、上位争いに加われたかもしれません。ちなみに、全体5位のグループは今の形式になって以降、一度も決勝に行けていません。(2019年のあまがさ、2021年冬のキャラバンナイツ。2020年は4位のグループが2組あったため5位はなし。4位タイの1組であるブロスが1回戦敗退しています)

また今回は決勝で3位と4位の差が2点、3位と5位の差が7点しかありませんでした。三つ巴の構図は弱かったのかと。

ゲストの採点

決勝のみ、ゲストの方も採点に参加します。ゲストの人数が違うため各回の比較はできませんが、少し見てみましょう。

ゲストの採点1位のグループは以下の通りです。

2019年:ハイスクールバンバン

2020年:桶川ルマンド

2021年冬:8Law

2022年夏:ブラックムーン

2019年、2020年、2021年冬はゲストの採点1位のグループ=全体2位のグループでした。2011年以前のように芸能人の方が審査していた場合、優勝グループはがらりと変わっていたかもしれません。が、勝敗の大部分は審査員の方が決めている印象です。2019年はゲストの採点で優勝争いが僅差になりましたが、大勢に影響はないです。ゲストの採点は、審査員の採点が同点(または同点に近い点数)の時に勝敗を決めるくらいの役割なのでしょう。

ちなみに2021年夏はゲストの採点で8Lawが4位→3位に上がっています。

「死の組」はなかった

2020年、2021年冬ではCブロックの全組が決勝進出圏内でした。今回は1回戦の得点1~4位のバンドが別ブロックに分かれており、いわゆる「死の組」は生まれませんでした。それもあってか敗者復活もなし。ちなみに2020年や2021年冬と同じ方法で選んだ場合、セルジャムが敗者復活します。

また、2019~2021年冬はCブロックのグループが優勝しています。今回のブラックムーンはCブロック以外で初の優勝グループです。

アナウンサーチームは本戦ではなくエキシビションにして欲しい

ここ2大会、21世紀枠としてアナウンサーチームが出場しています。

いろいろ意見がありますが、私は本戦への出場に反対です。理由は同じ土俵で争わせるのに無理があるから。

まず、アナウンサーチームが出場した2大会は応募制限(同一大学(院)に通っていること)をしています。応募条件に全く当てはまらないアナウンサーチームが出場するのはなぜ?という疑問がまず生じます。「テレビ番組なんだから芸能人が優遇されるのは当たり前」という意見もあるかもしれません。でも、番組に馴染んでいない。アナウンサーチームの出場部分だけ、別の番組を見ているような気分になりました。「アマチュア大学生グループのNo.1決定戦」と「芸能人が本気で練習してNo.1を目指す」というのは番組の趣旨が違う。別番組を作るか、エキシビションとして決勝の前くらいにパフォーマンスすればよいわけです。

誤解のないように言っておくと、アナウンサーチームが嫌いなわけではないです。番組を盛り上げたい、良いパフォーマンスをしたいという一心で練習したのでしょう。それ自体を否定するわけではありません。でも「芸能人が頑張る番組」は他にいくらでも作れます。一般の方が出場する大会にねじ込むことはないでしょう。

その他に「欠場グループの穴埋めなのでは」という意見もあります。が、これはエキシビション枠にしても達成できます。本戦でもエキシビション枠でも歌唱時間は変わりません。強いて言うなら採点シーンがなくなりますが、それほど長いシーンではありません。トークを多めにオンエアすれば埋められるでしょう。そもそもアナウンサーチームが出場した2大会は、アナウンサーチームを含めても14組しか出場できていません。2組や4組のブロックはどのみち生まれていました。アナウンサーチームが出ていなくても、大勢に影響はなかったわけです。

どうしても穴埋め枠が必要であれば、補欠グループを数組設ければ解決します。すなわち、欠場グループが出た場合という条件付きでパフォーマンス可能とし、スタジオに待機してもらうわけです。「呼んでおいて番組に出さないのは失礼では」という意見もあるでしょう。その辺は補欠グループを事前番組やYoutubeで紹介するようにすれば、ある程度は配慮できるのではないでしょうか。昔のハモネプでは本戦出場したけどダイジェストというグループもいました。もちろん、補欠は嫌というグループもあるかもしれないので、応募時に選べるようにしておく必要はあります。

他に「芸能人が出た方が視聴者を取り込める」という意見もあります。これもエキシビション枠で解決します。

応募動画を公開して欲しい

2019年、2020年は予選敗退グループの応募動画も多く公開されていました。が、ここ2大会は本戦出場グループの動画のみ。他のグループも見たいです。

ちなみに、2021年冬に出場していた恐縮です、スットコ侍、あまつつみ、ヴァナナは2020年にも応募していたことが分かりました。こういう発見があるのも良いですね。

いろいろ書きましたが、楽しめました。応募条件が2大会続けて同じだったことから、今の方式に手ごたえを感じているのでしょう。次回以降も開催して欲しいです。

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