大阪ストラグル(第1部)第14話
少し冷静さを取り戻した瞬間、俺は何を話していいかわからなくなった。二人の間の距離はまだ少し開いたままだ。ヒロも同じ気持ちだったに違いない。少しの沈黙が続く。と、その時。
「コラァッ松田ぁ!射駒ぁ!何をしとんじゃお前ら!」
典型的な筋肉バカの体育教師、中田が向こうから走ってきた。
「中田やっ! 乗れタケシ!」
ヒロはFXのエンジンを慌てながら掛け、リヤシートを叩きながら俺にそう言った。俺は考える暇などなく、とりあえず飛び乗る。
「お前らたまに顔だしたと思ったら!待てコラ!