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芸術関連の記事

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#西洋美術

国立西洋美術館と空想エッセイ《2》 2024年3月【3】

前回に引き続き、美術鑑賞から始まる空想のお話。 *** 絵の表面がテカテカしていて綺麗だ。板に描かれているらしい。これまで観てきた絵はキャンバス、つまり布だった。1520年代に制作されたという。500年前に描かれた絵がこんなに綺麗な状態であることが私には信じられない。 日本では戦国時代にあたる。1521年に武田信玄が生まれた。1523年には毛利元就が26歳(数え年)で家督を継いだ。信長・秀吉・家康が生まれるのは1530~40年代。 プリーゴ(1492-1527)はフィ

国立西洋美術館と空想エッセイ 2024年3月【2】

3月1日、国立西洋美術館の常設展を鑑賞。約2ヶ月ぶり。 年間パスポートを購入した。値段は1300円。前年度は1100円だった。200円値上がりしてしまったが、まだまだ安い。これで2025年3月末まで常設展(一般500円)が見放題。いつでも西洋美術に浸ることができる。 *** では早速、夢の世界へ飛んでいこう。 なお、この記事は作品の紹介ではない。作品を観て私が思い浮かべたことを書く。主体は作品ではなく私。レビューではなくエッセイ。それを了承の上、読み進めてほしい。

東京美術館めぐり 2024年2月【2】

前号2月8日台東区・東京都美術館で「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」という特別展を鑑賞した。 料金は一般2200円。私にとっては大金だ。無職でお金がないので、普段は常設展や公募展しか行かない。今回は値段に見合う感動があると踏んで奮発した。 展示作品は68点。1時間ぐらいで観終えた。 展示室の最初のほうはだいぶ混雑していた。行列に並んで牛歩戦術のように鑑賞するか、人垣越しに遠くから眺めるかの二択。 私は自分のペースで観たいので後者を選んだ。3回ほど戻って

国立西洋美術館の思い出 2022年4月11日~15日

【4月11日】 大学時代、上野の国立西洋美術館はお気に入りの場所だった。 絵画の展示は中世の宗教画から始まる。私はキリスト教徒ではない。でもその文化には惹かれる。 基本的に描かれた年代順に展示されている。平面的な宗教画が立体的になっていく。冷たい顔に体温が通っていく。絵がグラデーションのように変わっていく。いわゆるルネサンスだ。ここではそれを、実物を観ることによって体験できる。 私は、特に西洋美術愛好家というほどの者ではない。ただ雰囲気が好きなのだ。ここに来ると、古い時