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タイマグラばあちゃん

今まで数多くのドキュメンタリー映画の
英語字幕制作をしてきました。
小川プロダクションの作品や
いせフィルムの作品を数多く
字幕翻訳させて頂きました。

私はドキュメンタリー映画が好きです。
時代とともに失われゆくものを
確実に後世に伝えられる貴重な
ものだと思います。

そんな作品の中でも特に印象深かったのは
澄川嘉彦監督の「タイマグラばあちゃん」です。
岩手県早池峰山の麓にある小さな開拓村
タイマグラ。

戦後十軒ほどの農家が入植したが
東京オリンピックの頃には多くが
山を降り、撮影当時は向田久米蔵さんと
マサヨさんの夫婦2人だけが残っていた。

山の恵みに感謝し、日々を静かに
重ねてゆくふたり。
日の出とともに起きて畑仕事
暗くなったら寝る生活
食べ物は自給自足。

そんな生活をばあちゃんは
「極楽でぇ」と明るく笑う。
そして平成元年、マサヨばあちゃんは
長年連れ添った久米蔵さんの最期を看取る。

一人暮らしを続けていたばあちゃんも
足を悪くし、山を下りて娘のところに
身を寄せることに。

そんなばあちゃんは、死ぬ前まで
タイマグラを夢にまで見ると
懐かしがっていた。

私は、ばあちゃんとは正反対の生活を
しているけれど、大地と共に生きた
ばあちゃんが心のどこかで羨ましい。
まあ、私には出来そうもないんだけれど。

先日、NHKで放送したタイマグラの
ドキュメンタリー番組を再放送していたのを
終了する直前に知った。
録画できなかったのが、とても残念。

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