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ナルキッソス-narcissu-について、どれを買うべきなのか、とか(ネタバレなし)

おはようございます、こんにちは。
この記事はナルキッソス-narcissu-というゲームの概要と、どれを買ったらいいのかとか、勝手に解説した文章です。

見落としている追加シナリオが気になる方向けに、タイトルの収録具合などもまとめていますが100%ではありません。むしろ私が教えてほしいくらいです、なのでDM、コメント大歓迎、連絡待ってます。

各項目、それぞれ目次から飛べますのでどうぞ。

注:この記事にネタバレはありません。
ついでに感想的なものもほとんどありません。
感想は批評空間に投稿しているので、見たいという奇特な方はどうぞ。
ユーザーネーム「HARIBO」です。

※2024年9月現在、私の手持ちゲームとErogameScape -エロゲー批評空間-様から引用したデータを元に書いていますが、間違った内容が含まれている可能性があります。
教えていただけたら修正しますのでどうぞm(_ _"m)


■narcissuシリーズとは

2005年に「ステージ☆なな」というサークルから頒布された同人ゲーム「narcissu」と、そのあとに続くシリーズ作品です。

たぶんこれが第1版。

Wikipediaによれば100万回DLされたそうで、PSPソフト発売が2010年ですからね、これは2024年現在200万DLも余裕でいってますね(適当)

”全世界で100万回以上のダウンロードを記録している(PSP版の作品紹介より)”

Wikipedia「ナルキッソス(ゲーム)より」

死生観をテーマにした作品群で、エロゲーやノベルゲーを知らない人でも認知されている名作(私調べ、偏見)。泣きゲーとしての評価も高いらしいです。
作者は「片岡とも」という人物で、自分の経験から得た死生観を作品に落とし込む表現力はゲームライターの中で白眉。ちなみに「ねこねこソフト」というエロゲーブランドの代表を兼ねています。

さて、narcissuシリーズの作品は基本的に無料、無料です
なので気になった方はとりあえず最初のやつをダウンロードしてみてください、合わなければ「なんだこれ」ってアンインストールすればいいだけですし、容量も300MBぐらいなので。

最初にやるべきなのはこちら(1と2同梱版)

ステージ☆なな、公式サイトのやつ。SSLの設定で弾かれるかも。

こちらはSteam版、英語バージョンとか入ってます。英語の勉強にもなりますよ、私は読めませんけど。
ゲーム用のアカウントが必要。


とはいえ他に有料のものもあったり、それらをまとめたパッケージもあったりするのでどれを買えばいいのかわかりにくいです。
というかわけが分からないです。
わからなくなったのが私です。
だからこの記事を書いているといっても過言ではないです。

narcissuだったりナルキッソスだったり、1stって言ってみたりナルキ1とかナルキ無印とか。「narcissu 3rd -Die Dritte Welt-」は外伝とか書いてありますけどナルキ3。PSP版はナルキ4らしいですよ、公式曰く。そんなの言ってる人見たことないって。

もうお金払うから全部プレイできるのよこせって思うじゃないですか、でもないんですよ、全部入り。

ねこねこソフト「そらいろ」のヒロイン。

■どれを買ったらいいのか


本題ですね、基本的に2択です。

〇PSP版「ナルキッソス ~もしも明日があるなら~Portable」

中古なら結構安い、というか新品売ってない。

2010年、角川書店から発売。
当たり前ですが、PSPを持ってることが前提。付け加えて画面の大きさ、画質に不満がない方向け。

基本的なパッケージは収録されていますし、全部の整合性をとるためにほどほどに加筆がされていますのでテキスト的な完成度は高いです。主人公含めてほぼすべてのメインキャラに声優を起用し、エピソードの追加、ナルキの完成版を目指したのだろうなという印象。

欠点として「ナルキッソス -スミレ-」は収録されていないのですが、これはストーリー的に繋がりが乏しく優先順位は低いです。どうしてもやりたい場合はSteam版、もしくは個別パッケージを探せば良いかなと。

あと、エピローグのうち「蒔絵素子」「ナルキッソス」の2種類はこのPSP版にしか収録されていないように記憶しています。

そして絵柄の変更。
PSP版ではキャラデザを緒方剛志という方に統一していますので、従来の絵に慣れた人には違和感があるかもしれません。これは良し悪しかと思いますが、まぁ好みということで…。
(ナルキ1とナルキ2は原作版モードに切り替えできます)

旧バージョン
新バージョン

ただ、このクラシックモードはストーリーをあらかた進めた後に解放されるのがネックです。
少なくともナルキ1だけは、旧バージョンを最初に触れてほしいと思っているのでそこがモヤモヤするというか…。

〇Steam版「Narcissu 10th Anniversary Anthology Project - Season Pass」

タイトル名長いっすね。私は英検3級なので日本語でお願いしたい。

2016年発足、クラファン的な。Steam版なので基本的にPCです。

こちらは「ナルキ3」の75%が収録されていませんが、外伝的な扱いなのでとりあえずスルーしていいと思います。必要ならパッケージで買えばいいですし。
あとPSP版の各種エピローグや加筆されたミニエピソードも無いですね。

悲しいことにPSPは2024年現在レトロハードみたいですし、私のPSPも最近壊れてしまいました。
これからのユーザーのハード事情を考えるとこちらをおススメするのが筋な気がします。

ちなみにSteamで「narcissu」を調べるといくつかあって分かりにくいです。

「Ame no Marginal」にはナルキの追加エピソードあります、細部後述。
関係ないですけど「Winter Polaris」おススメです。

すこし解説です。

・Narcissu 10th Anniversary Anthology Project

黄色の枠で囲ったやつ。
この基本パッケージ単体でプレイできるものは「ナルキ1」「ナルキ2」「姫子エピローグ」、そこに追加パッケージを組み合わせていく感じです。
定価350円、セールだと175円で買えます。

起動するとランチャーが立ち上がります。ここから各コンテンツを起動する形。「A Little Iris」「Zero」「Sumire」は追加で買わないとダメ…のはず(いまさら検証できないのです)

・Narcissu 10th Anniversary Anthology Project - Season Pass

で、赤枠で囲ったこれが全部入り(一部除く)です。
定価3400円、セールで1700円ですね。

基本的にこの二つを買っておけばいいです。


・Narcissu 10th Anniversary Anthology Project - Sumire

PSP版をやって、「ナルキッソス -スミレ-」もやっておきたいなという場合は基本パッケージと「-Sumire-」を買えばいいです。緑で囲ったやつ。
でもスミレまで買うぐらい気に入っているのなら、全部入り買う方がおススメです。


※含まれている個別タイトルや、個別のパッケージについては次で解説します。



■各タイトルについて

まず先ほど挙げたPSP版とSTEAM版、そしてパッケージ版ナルキ3の収録タイトルを以下の表にまとめました。雑なのは許してください。

ナルキ1,ナルキ2とかのパッケージは割愛。


各タイトルについて、概要や収録作について解説を。
プレイ時間は私基準です、平均的かなと思ってはいますが参考までに。

〇narcissu

第1作目、無印やナルキ1と呼ばれたりします。私的にナルキ1で。
BGMも絵も最低限、最小要素で構成された「骨と皮」のような、作者曰く「実験的な」作品です。読んだ人が自分なりの解釈をすることを狙っているようで、まさにnarcissuシリーズの原型と言える作品。

できればこれはPSP版の新規モードではなく、最初に同人版をやってほしい。最初から味付けされた料理(PSP)を食べてしまうと、素朴な味付け(同人)の良さが霞んで見えなくなる懸念があるので…。

他のナルキは面白いとか、感動できるとか、画一的なものさしでみることができるのですが、このナルキ1だけは違います。唯一無二、その人の中にしか答えはない。

プレイ時間1時間程度。ボイスありとなしが選べます。

収録作
公式サイト(無料、ナルキ1+2)
Steam(無料、ナルキ1+2)
Steam全部入り
・PSP版(第1章「銀のクーペ」に収録)※結構加筆されていたように思います。
・パッケージ:narcissu 3rd -Die Dritte Welt-に同梱

※ナルキ1のパッケージ版もあるのですが、コレクション的価値しかないと思いますので割愛します。

〇narcissu -SIDE 2nd-

死神の鎌持ってるみたいに見えるよね。

第2作目、時系列的にはナルキ1の前に当たる作品。呼び方はナルキ2で。
ナルキ1に比べてCGが増え、登場人物も増えてくるこの作品は、片岡氏の解釈する「narcissu」世界の発展形なのだと私は感じています。

なお、時系列的に先ではありますがナルキ1の前にこれをやるのはお勧めはしません。ルートロックなどはかかっていないのでやろうと思えばこれからプレイすることもできるのですが、これを見てからナルキ1をやってしまうと自分の価値観を持ちにくいのではないかなと思うのです。

なのでこれをプレイした後に、ナルキ1をやり直して自分の解釈との差異を感じてみるのが面白くておススメです。

プレイ時間2時間程度。ボイスありとなしが選べます。

収録作
公式サイト(無料、ナルキ1+2)
Steam(無料、ナルキ1+2)
Steam全部入り
・PSP版(第2章「赤いロードスター」に収録)
・パッケージ:narcissu 3rd -Die Dritte Welt-に同梱

※ナルキ2のパッケージ版もあるのですが、コレクション的価値しかないと思いますので割愛します。


〇narcissu 3rd -Die Dritte Welt-

これはパッケージ版の起動画面、探せば1000円ぐらいであると思う。

第3作目、通称ナルキ3。
副題は和訳すると「第三世界」だそうで、本作では「テーマを同じとした作品集」という世界観ですね。
つまりnarcissu世界の「死生観」を複数ライターの解釈に任せて作り上げられたアンソロジー的な作品です。公式の2次創作って感じですかね、昔よくありましたよね、アンソロジーコミック。

外伝なのでそこまで深いわけではないですが「小さなイリス」以外はナルキ1、2とシナリオで共通するところが多少あります。登場人物がクロスオーバーしてみたりとか。
全てプレイしたい場合はパッケージを買いましょう。安いです。

プレイ時間各章2時間強、全体で10時間程度。

◇収録作品

・「死神の花嫁」ごお氏:代表作「ひまわり」

泣きゲー的な要素は一番強い気がする。


・「Ciーシーラスの高さへー」 酸橙ひびき

昔ながらのエロゲーやっている感じだった。察して。


・「メサイア」早狩武志:代表作「群青の空を越えて」

ストーリー的な面白さはこれ、好きな人多そう。ライターの我が強い。


・「小さなイリス」片岡とも:ー略ー

中世的な世界観に面食らう。書いている内容は突き詰めれば「登場人物の死生観と心理描写」なのでナルキッソスはナルキッソス。

収録作
Steam全部入り(片岡とも担当「小さなイリス」のみ収録)
・PSP版(外伝「Die Dritte Welt」に収録)
・パッケージ:narcissu 3rd -Die Dritte Welt-


〇ナルキッソス -姫子エピローグ-

ナルキ2の続編というか、アフターストーリーです。1と2の間の補完的な作品、ナルキ2が気に入ったのなら読んでおきたい。
プレイ時間1時間程度。

ちなみに「小説本 ナルキサイドストーリー」で書かれた内容をノベルゲーム化したらしいです。収録される時期で演出や絵などに違いがあります。

読んでません、すみません><


収録作
Steam全部入り
・PSP版(エピローグ「EP~篠原姫子~」に収録)
・パッケージ:narcissu 3rd -Die Dritte Welt-(演出少なめのやつ)


〇ナルキッソス -ゼロ-

ナルキシリーズの原点。ナルキの舞台と設定が生まれた経緯について描くエピソード。
ボーイミーツガール的な恋愛要素、信念を胸にした主人公の成長もある。感動的という要素に目を向ければシリーズ随一の完成度だと個人的に思っています。

プレイ時間3時間程度。

収録作
Steam全部入り(PSP版のエピローグ「EP~阿東~」もここに入っています)
・PSP版(最終章「DOUGHNUT」及びエピローグ「EP~阿東~」に収録)


〇ナルキッソス -スミレ-

パッケージ版は駿河屋で6000円、クソが。

2024年現在、最新作。でもナルキ5では無いのです。
narcissuシリーズの中でも亜種的存在で、ねこねこソフトの「すみれ」という作品に繋がる内容です。
なので「すみれ」をやっていたほうが楽しめる内容なのですが、本編に「すみれ」のダイジェスト版が収録されているのでまぁなんとかなる…はず。
良ければ「すみれ」やってみてください、ファンザでダウンロード版500円セールをよくやってます。

プレイ時間3~4時間ぐらい。

収録作
Steam全部入り
・パッケージ:ナルキッソス -スミレ-(持っていませんので詳細不明です)


〇1980・1993

ナルキのルーツと言われている作品です、作者の片岡氏もそう書いているので間違いはないのでしょう。
ボイスも絵もない、淡々としたノベルなのですが、それゆえに胸に訴えかける何かがある作品です。
「半分ノンフィクション」だそうですが、誰にとってのノンフィクションなのかは言うまでもないでしょう。

・1980

ちょっとした悪ガキと少女の、病気と向き合うショートストーリー。
プレイ時間15分程度。

収録作
Steam全部入り(姫子エピローグの「ATOGAKI」に収録)
・ねこねこソフト「ラムネ」(スタッフルーム、片岡ともに収録)

・1993

看病疲れ、解放され、流された青年が余命いくばくもない人たちと触れ合うショートストーリー。
プレイ時間15分程度。

収録作
Steam全部入り(小さなイリスの「ATOGAKI」に収録)
・パッケージ:narcissu 3rd -Die Dritte Welt-(Productに収録)
注意:パッチをあてないと1993が出てきません。


〇淡路島SA

少しだけ暖かくなるお話。

リクエストに応えて作成されたショートストーリー。
途中立ち寄った淡路島SA、二人のつかの間の穏やかな日常を描いた一幕。
プレイ時間5分ぐらい。

ステージ☆ななの「雨のマージナル」に収録されています。

ここから
ここ。あまりにも強引。

・収録作
Steam「雨のマージナル」:Steamとパッケージ版。



〇その他

PSP版のみに収録されていると思われる「蒔絵素子」「ナルキッソス」について。

・「EP~蒔絵素子~」
ナルキ1のアフターストーリーです、細部はネタバレになるので割愛。
プレイ時間15分程度。

・「EP~ナルキッソス~」
「ゼロ」で始まったナルキッソスを綺麗に終わらせたエピローグ。
結構賛否があるようで、私もあまり好きにはなれませんでした。
ナルキッソスは読んだ人の「想起」を促していた作品だと私は思っていたので、ストーリーの筋書きありきで、こうまでして強引にノートを終わらせるのかと、ちょっとモヤモヤしたのです。

まぁあまり書くとネタバレになりますので、この辺で。
プレイ時間は20分ないぐらい。


■細かい違いとか

途中まで真面目に検証しようかと思ったんですが、多すぎて諦めました。PSPでのプチエピソード追加が地味に多くて多くて…。逆もあったり。

一番多いのは「ナルキ1」ですね、本筋のストーリーに新規のエピソードやCGが差し込まれているので、受ける印象はかなり違うのではないかと。
ゲームとしての完成度はものすごく向上しているんですけれども、そのエンタメ性を高める過程で失われたものが目立ってしまうというか。

なので、PSPでナルキ1と2をやった方は、できたらクラシックモードでもプレイしてほしいですね。
ナルキの最大の魅力は「クラシックナルキ1」に詰まっていると思うので、ぜひ自分なりのナルキを見つけていただけたらなと。

あとおまけやProduct、あとがき等も面白いことが書かれているので、機会があれば同人版を見てみるのもいいかなと思います。
1980や1993とか、パッケージ版、DL版とかプラットフォームやソフトの違いによって入っていたり入っていなかったりするんですよね。
収録されている内容とかも微妙に違ったり。

ちなみにSteam版のナルキ1+2(無料版)のおまけ。

読めないんですけど!!!!英検3級なめんな!!!!

※他にドラマCDとか小説もあるんですけれども、個人的にゲーム形式以外でこの作品に触れようと思えなくてノータッチです。
少しプレミア気味などで手が出しにくいというのもあるんですけど。

そういえば中国で映画化の話があるとかないとか。期待半分、怖さ半分ですがそういう動きがあることは良いこと。


■おわりに

細かいことを気にしなければ、PSP版かSTEAM全部入りをやっておしまいで良いかもしれません、でもできる限りコンテンツを押さえたいというのはオタクのサガと言いますか…言いますよね?

まぁでも、ここまで紹介したコンテンツをすべて詰め込んだ「真の全部入り」を出てくれたら言うことないですね。
この記事の意味の8割は消失してしまいますけど、そのほうが良い。

PSでも、SwitchでもPCでも、最新のハードでも、最初から最後まで、すべてのnarcissuをいろんな人に触れてほしい。
そしてアニメでもなんでも、いろんなメディアミックスをして、さらにいろんな人の目に触れてほしい。

「人が真の意味で亡くなることは、誰からも忘れられること」

職場の若い後輩に「narcissuって知ってます?めっちゃ泣けるんですよ」なんて言ってほしい。

その時は、この記事の内容を老害めいてお話してやりたいな、なんてね。

では、ここまで読んでくれてありがとうございました。

「それじゃあ…さよなら…」

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