新型コロナウイルスと日本の医療

自己犠牲の上でコロナと戦っている医療者の方々への感謝の気持ちは尽きません。本当に本当にありがとうございます。
ですが、実際のところ、そんな医療人は現状では極々一部の方々に限られています。
日本の医療は他国に比べ充実しているから大丈夫と安心している方もいると思いますが、実際今回のような感染症にきちんと対応できる病院や医療者は実はとても限られています。
自分の専門外の患者は、見られないと考えるドクターの方が多い上に、一般の病院には、このような感染症に対応できるだけの防護服もなく、全ての医者やナースが感染予防における正しい防護服の使い方を知っている訳ではありません。

ですから、病院ではあっても、街中の普通の医療機関では、コロナ感染者に正しい対応ができません。

院内の一人のドクターやナースに知識や経験があってもあまり意味がありません。全てのスタッフにその知識とテクニックが必要で、そうでなければダイアモンドプリンセスの船内のような状況に陥ってしまうでしょう。

東京都でさえ、感染症専用のベッドは118床しかありません。そして、その病床の大部分はすでに他の患者さんで埋まっています。
無防備な一般病院に感染者が出れば、一気にクラスターが発生します。医療崩壊は、そこまで大量の患者が発生しなくても起きます。すぐ目の前です。

一般病院での患者受け入れが可能になるよう、早急な準備が必要です。

旅行者の急激な減少で宿泊者がいなくなったホテルや、オリンピックの開催延期で使用可能になった選手村を軽症者の隔離施設に使用するなど、専門病院の負担を減らす対応も急務です。
食堂や宿泊用ベッドはもちろん、トレーニング用の器具や診療所もあるのでは?
分譲購入者への理解を求める必要もありますが、今は時間がありません。

人情として当然のことですが、多くのドクターやナース、臨床検査技師なども、出来ればこのような難しい感染症の患者は診たくないはずです。
自分や家族の感染リスク、経営上の問題、防護服の脱ぎ着、書類の作成、報告など想像を超える面倒な手続き。
誰だって嫌です。それが普通です。
現に賞賛されて当然と思われる感染の最前線で戦ってきたドクターやナースが、自分の病院に戻ったところ、同僚からバイキン扱いされた、通院する患者から苦情が出る。残念なことではありますがそれが現実です。

でも、武漢やイタリア、スペインのような感染爆発が起きれば、街中の病院にも感染者が溢れることになるでしょう。今までのように、新型コロナウイルス感染の可能性のある患者はうちでは受け入れないなどと言っていられなくなります。

多くの一般病院でも、コロナ感染者への対応ができるよう準備を急いでいただきたいと思います。


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