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回顧録⑯

2021年1月、これまで個人事業主しか許可されていなかった委託販売契約が応募の上で選ばれた者だけが株式会社にすることが可能になると発表されました。誰もがわかる事実ですが、実際には個人事業主のほうが収益性が高いことも認識していました。

しかし、なぜ株式会社になることを選んだのか、その理由は3つあります。

1つ目は、未来に向けた挑戦が必要だと感じたからです。

コロナ流行から一年が経過し、未来が不透明な中、世界は以前とは異なる方向に進むであろうと考えました。法人である株式会社は、個人よりも多くの資源(ヒト、モノ、カネ)を持っており、新たな世界に適応するのに役立つと思いました。たとえば、新しい店舗契約を結ぶ際、個人では手の届かない貸店舗がたくさんあります。また、借り入れに関しても、個人の場合はさまざまな意味で厳しい条件があります。

2つ目は、新しい事業の機会を捉えたかったからです。

以前は特定の化粧品とフェイシャルエステのみ提供できましたが、これに制約を感じていました。販売が得意でないスタッフがいても、そのスタッフの才能を活かすことができなかったため、彼女らは収入を得られずに辞めざるを得なかったのです。これが20年間にわたり、私にとっての課題でした。

3つ目は、スタッフの生活を守りたかったですからです。

コロナ禍で収入が途絶え、スタッフの中には生活に苦しむ人々がいました。特に、一人で家計を支えるスタッフは大変な状況に直面しました。彼らが不安に感じ、孤独であることを想像するだけで心が痛みました。もし会社がになっていれば…、と考えると、自分の無力さがますます浮き彫りになりました。

悩みました。子供が3人おり、学費などがかかりますし、家族に迷惑をかけないかどうか心配でした。そして、会社を設立するということは、従業員だけでなく、その家族にも責任を負うことを意味します。自己評価が低く、ネガティブな考え方をする傾向がある私は、限界まで自問自答しました。

最終的に決め手となったのは、どちらが後悔するかという点でした。やらないことでのちに後悔するよりも、自分を信じてやろうといってくれたスタッフを信じて株式会社にすることを選択しました。

 

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