好き?嫌い?

僕が愛してやまないボカロ制作グループHoneyWorksの『スキキライ』という歌をモチーフにした小説を書いてみたいと思います。
原曲→ https://youtu.be/aBQKINmwteQ

♡♥♡♥♡

「好きだ」
僕の告白に君は何も言わず走ってどこかに消えていった。

一体昨日はなんだったんだろう。学校の登校中に昨日の出来事を振り返る私。あいつの言葉が耳に残り、頭の中をぐるぐると回っている。
もう、なんなの。
別に嫌いなわけではない。もちろん、好きでもない。同じクラスの元気の良いの男の子。そんなふうにしか考えていなかったし、まさか私のことを好きと思っていたなんて思いもしなかった。真ん中という答えはないのだろうか。
彼のあの表情、たぶん本気なんだと思う。だからこそ、なおさら、頭に残る。
ああ、もう、忘れよう。あいつももう、私のこと何とも思っていないだろうし。

そう決心した矢先、ふと前を見ると、なんと彼が歩いている。いつも一緒にいる男子2人と並んで歩いている。
はー、なんでいるかな?幸いにも私の存在には気づいてはいない。
3人は大きな声で話しているため、聞こうとしていなくても話し声が聞こえてくる。
「お前、本当に昨日告ったのか?」
「もちろんだとも。男だからな。返事は決まってるはずさ」
何を根拠にあんなことを言っているのだろう。ずいぶんと自信があるものだ。関心するしかない。
「ウエディング姿が思い浮かぶぜ」
「ウエディング?」
け、結婚!!!!?周りの男子より私の方が驚いているはずだ。なんたって想像している姿は私だろうからだ。
「そうだ。住むのは松涛あたりがいいな。子どもは3人かな」
「ずいぶんと具体的だね」
だって待って、何で?だって14歳です。ですよ?
付き合うとかも考えたことないのに結婚なんて。

そんなこんな考えていると学校に着いた。
教室に入るなり
「おはよう」
あいつは懲りずに私に笑いかける。いちようおはよう、と返しておく。
自分の席に座り、隣の席に座る親友が話しかけてきた。
「でさ、付き合うの?」
なんで知ってるの。驚きを隠せない私は声を震わせて、
「付き合うとか…」
「好きだ」
彼はなんと薔薇を一輪ポケットから取り出した。それを私に差し出す。
なんで教室でこんなことやるの?皆がいるのに。
「話聞いて、バカ」
驚いたことになんとクラスのほとんどがこのことを知っていたようだ。誰も邪魔しない。
全く、ノーガードとか隙が多いの。

恋してみたいわ、たぶんふわふわしたものなんだろう。
好きとか嫌いとかわからない。わからないよ。
嫌い?でも好き?

♥♡♥♡♥

次の日。
「ほい」
「え?」
僕はレインボークォーツを彼女に渡す。なんでレインボークォーツかって?それは……
昨日、彼女の帰りを尾行した。すると彼女は雑貨屋の前で足を止めた。五分近く覗きこんでいたと思う。彼女が去った後、見てみると、そこにはレインボークォーツが置いてあった。値段は……高い。店の中に入ると小さいものが置いてあったのでそれを買った。
通学路反対だけどそれは気にしないで。

♡♥♡♥♡

てゆーか。あんまり好きじゃないタイプ。私はもっと知的な人がいい。少しバカっぽい感じがする。といってもレインボークォーツは欲しかった。嬉しくないと言ったら嘘になるが、どうして欲しいとわかったんだろう。まさか、ストーカーされた!?
急に優しくなんてされたら、私の心はぐらついて動揺する。

♥♡♥♡♥

僕だって、薔薇を持ってきたり、レインボークォーツ買ってきたりするのは恥ずかしい。でも彼女の喜ぶ顔が見てみたかった。ただそれだけ。

タって、グって、ソっと、ヌいて、賢者になってみても、間違いなく、理屈抜きで好き。
僕はこんなことやる人間だなんて去年まで思ってみなかった。彼女だからこそこういうことをやっているのだ。ノープロブレム、僕を信じて。
君に火をつけるのは僕だ。ゆらゆらとした火。だから君は僕に萌えてハイになって僕に対してパイロマニアになるはずだ。
夜の空に僕は叫ぶ。
「愛しているんだ!!」
よくわからないけど、おそらく正解。

♡♥♡♥♡

やだな、染められそう。彼は本当に私のことが好きなんだろうか?そう思わずにはいられない。でも、彼の優しさを知ってしまった。だから本気なんだと思う。そして私は……好きかもしれない。時に変態だとしても好きに染まっていく自分が自分でもわかる。
恋してみたいわ、たぶんそれは毎日ギラギラと輝いているはずだ。恋は愛して出して水をあげて初めて育つの。花と一緒。どちらも美しく光っている。

♡♡♥♥♡♡♥♥

ぶつかる2人と同時の好き。まるで絡み合うフロマージュのよう。好きと嫌いは裏表。だから2人は今、恋している。

♡♥♡♥♡

好きよ嫌い、わかってる、好きよ。私はもう彼のことが好き。これが恋。心がウキウキする。

♥♡♥♡♥

好きだ以外、ありえない、好きだ。もう決まってる。彼女がたとえ僕を嫌いと言っても僕は一生好きであり続けるだろう。

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これで終わりです。もし気に入ってくれれば他の曲も聞いてみてください。

#スゴろくnote #スゴろく5の8

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