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巡禮セレクション 54

2014年10月04日

サスラ姫

一昨日、「【大妄想】シワ人」をアップしまして、スワはスワスチカのスワと同じではないか・・・
さらにサラスヴァティーのスヴァも同じ意味かな・・・と想像したのです。


スワスチカは、サンスクリット語で
स्वस्तिक(svastika スヴァスティカ)又は
श्रीवत्स(śrīvatsa シュリーヴァトサ)

サラスヴァティーは、
सरस्वती

サンスクリットなど、僕が読めるわけありませんが、少なくとも発音部分と一致しそうな場所に同じ文字があります。


まあ、それはそれで良いのですが、
このサラスヴァティーからサスラヒメと連想がつながりました。
因みにサラスヴァティーは、日本では弁天さんです。
水の神としてサスラ姫とは共通項はあります。


地底の神ともされるサスラ姫、火山のマグマや地殻の動きに関係しているのでは・・・というのは◇ちゃんの意見。
記事をアップしたその日、頼んであったサラスバティーの絵画が家に届いたとのこと。
彼女もサスラ姫を連想したというので、少しサスラ姫にフォーカスしてみました。


速佐須良比売(はやさすらひめ)
あまり記録のない姫神です。
瀬織津姫と同じく祓戸四神のトリを勤める女神様です。
知っている方も多いと思いますが、少しウィキを参考にしますと、
祓戸大神は、罪・穢を祓い去る神で、「大祓詞」にはそれぞれの神の役割が記されています。

1、瀬織津比売-- もろもろの禍事・罪・穢れを川から海へ流す

2、速開都比売-- 海の底で待ち構えていてもろもろの禍事・罪・穢れを飲み込む

3、 気吹戸主-- 速開津媛命がもろもろの禍事・罪・穢れを飲み込んだのを確認して根の国・底の国に息吹を放つ

4、速佐須良比売 -- 根の国・底の国に持ち込まれたもろもろの禍事・罪・穢れをさすらって失う


ということで、根の国、底の国でケガレを浄化させる女神ということになります。

ところで、余談ですが、ここでちょっと疑問に思うのですが・・・
根の国でケガレはさすらって消滅することになります。
今でいうなら、根の国で汚染物は希釈され微生物などの働きによって分解、浄化されると考えられます。

ということは、根の国は清浄な国になりませんか?
確かにケガレが舞いこんだ場所は、ホットスポットとして汚染されますが、それが希釈されるほど広範囲であり清浄な場所なわけです。

そうなると、イザナギがイザナミを追って訪れた黄泉の国と根の国は別ものになります。
なぜなら、イザナギは黄泉の国に訪れたためケガレをまとい小戸の阿波岐原で禊を行わなければならなかったのですから。

それとも死は、本来はケガレではないのかもしれません。
死が最上の禊ならば、死ぬことによって世のケガレから解放されるわけで、地とは遺体の眠る国という意味しかなく、魂は浄化されているのかもしれません。
それが黄泉の国、根の国の思想となり死者の国へと繋がったのかもしれませんね。

だから、仏教では誰もが死にさいし涅槃へと導かれ成仏すると説かれるわけです。
その罪は肉体とともに地の国で浄化されるのかもしれませんね。


さて、この根の国の女神ということで、本居宣長は速佐須良比売を素戔嗚尊の娘である須勢理毘売命(すせりびめ)に当てています。
素戔嗚尊もまた根の国の神となります。
そして、根の国を訪れた大国主命にその娘、須勢理毘売命を奪われるわけです。
最後は、素戔嗚尊に祝福され大国主命は葦原中国の王となるのですが。


冥界の女神というと僕はギリシャのペルセポネを連想します。かの女神のローマでの名は、プロセルピナ。
スセリヒメ
プロセルピナ
なんとなく音が似ていると感じるのですが・・・
プロセルピナは、石榴を黄泉戸喫(よもつへぐい)してしまうため地上に戻れなくなります。
これはイザナミに通じます。


余談は、それくらいで・・・

サスラ姫に戻ると、
サスラ姫は、祓戸大神としてセットで祀られることがほとんどです。
サスラ姫がどんな素性の持ち主かもわかりませんし、単神で祀られることも少ないと思います。
式内社を巡っておられる玄松子さんにしても全て祓戸の神として祀られた神社ばかりです。

僕はなんとなく地震や火山噴火の多かった縄文の大地の神なのではないか・・・と思っていたのですが、
なんと地元にサスラ姫が祓戸神と切り離されて祀られている神社がありまして、僕は一度お参りしています。
しかも、ヒボコ絡みで・・・

草津にヒボコを祀る神社があるというので、お参りしようと思ったのです。
その名は、安羅神社。
僕は、ヒボコは新羅ではなく伽耶だと思っています。
実際、ヒボコと同一だとされるツヌガアラシトは、
日本書紀において大加羅国の王子の都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)とされています。

加羅、伽耶とは、伽耶諸国の総称です。
その中には、六伽耶と呼ばれる六つの伽耶国があったそうです。
その中に安羅国という国が存在していました。
ヒボコは、安羅国の王子という可能性があると思ったのですが・・・


訪れた安羅神社、
御祭神は・・・・ヒボコではなく、

素盞鳴尊と速佐須良姫神。
『創祀年代不詳であるが、社伝によると文武天皇の慶雲元年に牛頭天王がこの地に降臨したと・・・』

このあたりは、昔、安良郡と呼ばれていたそうです。
ヤスラからハヤサスラ姫に繋がった可能性がありました。
(七色堂「草津散策1」参照)

どうやら牛頭天王、素戔嗚尊の娘スセリ姫と勘違いした可能性があります。
全然、縄文の女神ぽくありません。

後日ヒボコを祀るもう一つの安羅神社を訪れました。
(七色堂「栗東散策1」参照)
そこは、確かにヒボコが一時期住んだ場所だったようです。

ヒボコとサスラ姫は繋がるのでしょうかね?
因みに、近くに小安羅神社というのがあります。
そこの御祭神は、惶根尊(かしこねのみこと)です。
惶根尊は、アヤカシコネノミコトとも呼ばれ、オモダルノミコトと共に神代七代の六代目の神です。
オモダルが男神で、カシコネは女神です。

で、小安羅神社は女神を祀っているわけですね。
では、安羅神社は対の男神になるのでしょうか?
わかりませんが・・・・
草津の安羅神社は、スサノオとハヤサスラヒメの男女。
この栗東の安羅神社は、ヒボコで男神でした。

因みに、オモダル、カシコネは六代目ということで、
第六天魔王の垂迹とされているようです。
でましたね・・・・第六天魔王。。。


やはり謎の女神ですサスラ姫


スタート時点にもどって、サラスバティを見ると
「サラスバティは、初めは聖なる川、サラスヴァティー川の化身であった。流れる川が転じて、流れるもの全て(言葉・弁舌や知識、音楽など)の女神となった。」
これが妙音というやつですね。

サラスヴァティーはゾロアスター教のアナーヒターと同起源と推定される。
「アナーヒターはアヴェスター語形で、パフラヴィー語ではアナーヒト(Anāhit)といい、いずれも「清浄」を意味する。」

清浄という名の女神・・・サスラ姫というか祓戸の女神っぽいですね。

「本来は川や水を司る水神である。この女神は世界の中央にそびえたつアルブルス山の頂から流れ出す川を守護するとされ、この川は、あらゆる水路、川、入江、湖沼の源であると考えられている為、アナーヒターはそれら広くの女神とされている。
この川の水が生命を育成する源泉と考えられ、アナーヒターは健康、子宝、安産、家畜の生殖・作物の豊穣の神・・・」

これはペルセポネの
「ペルセポネーが地上に戻る時期は、母である豊穣の女神デーメーテールの喜びが地上に満ち溢れるとされる。これが春という季節である。そのため、ペルセポネーは春の女神(もしくはそれに相当する芽吹きの季節の女神)とされる。」
という間接的に豊穣をもたらす大地母神の性質を持つと思います。

黄泉戸喫をした日本の大地母神と考えられるイザナミ。

やはりこの辺りはなんらかの関係があるように思います。
そうすれば、サスラ姫はやはり太古の女神だと考えられますが、やはり後でその祭祀は変容したのかもしれませんね。

まだまだ謎です。

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