日記-2024/08/16

 夜腹痛がひどくてあまり眠れなかった。

 台風、心配していたけど今日は午前にそこそこ雨足が強かったくらいでそこまでひどいことにはなっていない。
 明日どうなるか。

 雨降ってるので今日は家でのんびりしていた。
 今日はというか今日もだけれど。

 おとといあたりから部屋の壁のいろんなところでちっこい蜘蛛を見かける。
 たぶん、おなじ個体。
 経験上、部屋に居ついた蜘蛛とは割と長い付き合いになりがち。仲良くしようぜ。

 おととしあたりだったか、3ヵ月くらい3cmくらいの大きめの蜘蛛と同居していた。たぶん小さめのアシダカグモだったんじゃないか。
 出くわすとぎょっとするので、最初見たときは捕まえて外にはなしたりしたけど、ちょっとするとまた室内に戻ってきたのでそのうち慣れて放っておくようになった。
 当時住んでいたところは山の近いアパートの一階で、たまにゴキブリとかも見かけたので餌が多かったんだと思う。
 ある時、風呂場で掃除をしているときに壁に張り付いていたのを見つけた。
 シャワーを出していたので危ないなと思っていたのだけど、手が汚れていたので逃がしたりもせずそのまま掃除を続けていた。
 そのうち、かさかさ動いて床を這い始めたのだけど、その途中で洗剤がたまっていた場所に差し掛かると、急に脚をすぼめてひっくり返り、ぴくりとも動かなくなった。

 ゴキブリなどは体表を油で覆って呼吸をする穴に水が入らないようにしている。だから洗剤とかがかかって油と水が混ざると窒息する。蜘蛛もそうかは知らないが、そういう知識はあった。
 あるいは、洗剤に蜘蛛にとって害がある成分が含まれていたのかもしれない。
 動かなくなった原因が何かはわからないけど、早めに浴場の外に出しておかなかったからそうなってしまったのは確かである。
 放っておいても排水溝のごみを受ける網までまで流されていくだけなので、泡の中から掬って玄関の外に出した。しばらくしても動き出す気配はなかった。
 数時間して様子を見に行ったらいなくなっていた。復活して自力でどこかに行ったのか、風に吹かれたり何かの動物に食べられたりしたのかはわからない。
 それから、そいつを家で見ることはなくなった。

 別にその命を尊んだり慈しんだりしていたわけでもない。ただ、「ああ、いるな」と思いつつスルーしていただけだ。また、その結末を深く後悔したりしたわけでもない。
 けれど、家の中で蜘蛛を見かけるとふとそのことを思い出す程度には記憶に残っている。
 あのとき掃除の手を止めて浴場の外に出していたら、その後しばらくは室内で見かけて「ああ、いるな」と思うような日が続いていたんだろうか。そんなことも考えたりする。

 何事もなかったように忘れるには、ちょっと(物理的に)大きすぎたんだと思う。べつにどうしても排除したいと思うほどの害を感じていなかったというのもあるはず。あるいはもっと自分本位に、虫が洗剤に落ちたらヤバイという知識があるのに放っておいたためにみすみすそれを引き起こしたという自分の判断のとろさへの嫌悪とかもあるのかもしれない。

 そいつが小指の爪より小さいものだったら、何かしら問題があり排除すべきとされる害虫だったら、たぶんここまで引っかかっていないような気もする。命に貴賤は無いはずだけど、そういう判断基準みたいなものって知らず知らず持っているんだろうな。

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