散財日記 2022-06

6月21日(火)

連日、毛唐に起因する激務が続いてて腹いせに超散財をしたいのに、イマイチ欲しいものがない。欲しいものがないとか有り得ないし、あたし病気かな?と心配になったが、今は夏のセール直前のプロパー品が一通り出揃ったタイミングなので、単純に季節的要因なだけと判明した。

6月は店の商品も新鮮味がないし、梅雨だし、祝日もないし、何をやらせてもダメな月だ。8月のAW立ち上がりまで、しばし大人しくしていよう。

と言いつつ、欲しいものではないけど、必要なものがあったことを思い出した。

ここ1ヶ月ほど重い腰をあげてジム通いに勤しんでおり、毎回筋トレ30分、有酸素運動30分をこなしてる。トレッドミルが苦手なので、かわりにバイクとローイングマシンをえっさえっさと漕ぐことにしてるが、ローイングマシンのような原始的なマシンはテレビや音源が付いてないので、漕いでる時間がとても退屈なのが難点だ。

わたしは無線の安定性をあまり信用してないのでいまだにイヤホンも有線だが、上半身が前に後ろに激しく動くローイングマシンを漕ぐ時は、無線が便利なのは自明だ。というわけで、BoseのQuiet Comfortの無線バージョンをAmazonでポチるよ。

ところで、フィットネス中の音楽。

この前、日曜日の午前にバイクを漕ぎながらテレビを見てたら、ちょうどテレ朝の「題名のない音楽会」の時間で、バレエ音楽の「ボレロ」をやっていた。

「ボレロ」は次々と楽器を増やしながら同じ旋律を繰り返して行く曲で、音量と音の厚みが加わることで徐々に盛り上って行くのが特徴だが、意外なことに、単調な有酸素運動と実にこれが好相性だった。

はじめのうちは、まあまあ楽に漕げるバイクやローイングマシンも、中盤くらいにさしかかると少し疲れて飽きも生じる。それに反比例して「ボレロ」はフルートやクラリネットの木管楽器だけだった旋律に、金管楽器やストリングスが投入されて行くので「おっ、今度はあの楽器が加わったな」とか考えながら聴くのが楽しいのと、終盤の追い込みで曲が転調して、ゴリラにケツを叩かれるみたいに、ジャーン!とシンバルが鳴り響くあたりで、最後までやる気出して漕ぐぞ、という気にさせられる。ああ、不動産屋…

ちなみにApple Musicなどにあるフィットネス音楽のプレイリストはハヤリの洋楽が多いが、どうやらわたしは人の声が入っていない音楽の方が、運動のお供には好みらしい。

カラオケDAMをダウンロードして、有酸素運動のついでに自分のカラオケの練習に充てれば、発声も兼ねてさらなるカロリー消費になるかも知れない。迷惑行為でジムを摘み出されることこの上ない。

6月14日(火)

元宝塚の友達に誘われてグッチレストランに行った。

ドラマティックなアプローチ

自分では絶対に絶対に選ばない、女子度の高いタイプのお店だが、元娘役の美魔女と一緒なんてこれ以上役者の揃ったシチュエーションは滅多にない。

グッチレストランだから当然ドレスコードもグッチね、と友達に念押されたが、柄が実用性に乏しいグッチの服など持ち合わせていない。仕方なく、大豆田とわ子ブラウスを抜擢しようとしたが

予定外の最高気温20度という冷込みには抗えず

という微妙にちぐはぐな組合せと、少し前に実家から窃盗したバンブークラシックを手に、それこそ宝塚の観劇に行くんですか?みたいな出立ちで朝から出勤した。午後、銀行の来訪があるのをすっかり忘れていたが、愛知の地主同様に #金利1%未満倶楽部 なので、着ているのがパジャマだろうと何だろうとまあ関係ない。

会社の同僚には「親指の先くらいの量のパスタと、消しゴムサイズの肉しか出ないらしいよ?先に吉牛とか食べてかなくて大丈夫?」と言われて「またまた〜」と思ったが、全8皿のコースは、噂の通り本当に全てが一口で終了するサイズだった。食べ終わっても腹八分くらいなのが初老の胃にちょうどよかったが、何一つ印象に残る料理はなかった。あー、食った気しねえ。


しかし、意外なことに、最後に寄ったトイレがこの店の強烈な印象を残すこととなった。

1本脚の洗面台の曲がりくねった蛇口、ステンレスのトイレブラシやゴミ箱などの調度品がステキねえ、と思って眺めていたら、突然BGMが流れて来た。音姫的なゴゴゴーの効果音ではない。旧耐震生まれにはおなじみの

チャーラーラーラーララララ ララララー♪

というあの曲だ。

まさかトイレでペールギュントの「朝」を耳にしたせいで「臓器売れ」の日栄が、グッチレストランの思い出になろうとは、誰が想像したものか。何にせよ、明日の朝は、とても寝醒めが悪そうだ。


6月7日(火)

年明けに約20年ぶりにソファを買い替えた。座り心地は最高なのに、いざ部屋に置いたらベージュの貼り地が思った以上に地味で、ソファに置く派手なクッションを同時購入することになった。

鮮やかなテキスタイルのクッションがたくさん揃うといえばハーマンミラー。まだ仲通りにイルミネーションが点灯していた1月、丸の内本店に出向いたものの、コロナ禍で物流が大停滞してたせいで、現物でお店に売っているものが何ひとつなかった。ほんとは、家のソファがすぐにこんなイメージになるはずだったんだけど。

「お取り寄せで、商品の到着はおそらく半年後になります〜。念のためカード番号だけ控えさせていただきますね。」

と決済は商品と引き換えになることを確認し、支払いが先送りに出来ることをいいことに、じゃあコレとコレとコレとコレをお願いしますー、と半ば空手形だけ切って、その日は手ぶらで店をあとにした。手ぶらだったせいで、途中、蚕糸会館のドゥロワーで要らぬニットまで買ってしまったのを、よく覚えている。


あれから5ヶ月経った今日。

毛唐とテレカンをしていたら見知らぬ番号から着信が入り、留守番電話へ録音されていたメッセージを後から聞いて、変な声が出た。

「ハーマンミラー丸の内店●●でございます。お待たせしておりましたクッション4点が届きましたので、ご注文時にいただいていたクレジットカードで決済させていただき、ご自宅まで配送いたします。」

先送りにしていたせいで、すっかりと記憶の彼方に飛んでた支払いが、知らぬ間に会議中に履行されたと知った瞬間だ。

いつあるか、わからないのが、カード決済(字余り

チャリンチャリーンと、またもや明治安田生命の賃料に売上の10%も貢献してしまった。やっぱりなんか納得いかねーな。


6月5日(日)

少し前に書いた西荻窪のケーキ屋グレースに今週2回も行った。

月曜日は里帰り出産前のよしまいと。よしまいは全チンの不定期連載でもわかるように、誰に臆することもなく思ったことをバンバン口にする潔さがとても気持ちいい子だ。それにたいそう勉強家なので、仕事のプロとはかくあるべき、年次が上がってこそ知識のアップデートは必要だよね、老体にムチ打ってもうちょいがんばろう、という気に会うたびにさせてくれる。

この日食べたのは、やわやわのスフレ生地でできたチョコレートケーキで、よしまいは定番のショートケーキ。ポットサーブの紅茶も頼んだのに2人で2500円というバグった価格だった。

さらに昨日、先月タマタカで一緒にグレースの話をした友人から、6月から始まった夏季限定のグレープフルーツのパイを食べに行かない?と朝イチでお誘いがあった。行かないわけがない。

初めて食べるそれは、ルビーグレープフルーツの柔らかな酸味と甘味、とろとろのカスタードクリーム、そして塩気のあるパリッパリのパイで三層になった、とてつもなく美味しいシロモノだった。出来立てだったせいもあるが、パイがサクサクの食感を保ったままで1mmも水分を寄せ付けていない。この食べた瞬間口に広がるフレッシュ感は、テイクアウトでは絶対に再現出来ないやつだ。


ところで、初めてグレースに行ったのは、なんと中学生の頃まで遡る。西荻窪に住んでた当時のクラスメイトの家に遊び行った時、友達のお母さんが近所のケーキ屋が美味しいから、と連れて行ってくれたのが最初だ。なんでわざわざ店まで行くんだろうと思ったが、看板メニューであるカスタードケーキにフォークを入れた時の、ほぼ飲み物なんじゃないの的柔らかさに、こりゃ運ぶ間に崩れるな、と納得した。

それでも当時の記憶ではせいぜいイタリアントマトの上位互換という程度でしばらく足を運ぶこともなかったが、あれから幾星霜。令和の時代は、イートインができる個人店のケーキ屋なぞすっかり姿を消してしまったので、今や東京では、ものすごく希少なお店だ。

そして調べたら、お店の開業は1984年だった。
40年近くもこの地でがんばっていられるということは、絶対にアレがない店に決まっている。早速アヒル謄本サービスを依頼したら、案の定 #東京いい店乙区ない店 だった。

読み解くと、お店は高齢のオーナーが相続されたご実家らしい。エクストラスーパーなんちゃらよりもずっと希少性の高い、お家賃の味のしないトキのような絶滅危惧種のケーキを、あと一体、何回口にすることが出来るのだろうか。


6月2日(木)

BirkenstockのUnited Arrows別注モデル。

オールブラックのすっきりシャープなソールに大きいシルバーのバックルが大人デザインだ。

去年買い逃したから今年は5/13の発売日にお店に行ったものの、通常モデルのゴールドバックルの方が手持ちの服や小物に合うかなー、とか2日悩んでるうちに、瞬く間に今年も完売になってしまった。

なので、悩んだ方のゴールドを購入。

コルクが見えない方がやっぱシックだよね、来年のUAモデルのバックルだけゴールドに交換出来るかなー、とかブツブツ言ってたら「まわりを黒く塗ればいいんじゃね?」とダンナに圧倒的ソリューション提案をされると共に、マッキーを渡される(´・_・`)