偏愛日記

3月31日(木)

年度末なので、部のメンバーで納会を開催した。

異動者が1人いるので、好きなお店を選んでいいよと言ったら、じゃあ遠慮なく💕と游玄亭が勝手に予約されていた。遠慮ないにもほどがあるだろww

一時は持ち直していたOPHのフクミソンが、今日の午後、さらに拡大していた。

7000円でinした直後から、株価が下落し続けていることは部員全員に知れ渡っているが、その傷口にさらに塩を塗るかのように「ここまで下がったら、今日の焼肉代なんて誤差ですよね?」と、当たり前のように回って来た伝票を見て、変な声が出たのは、言うまでもない。


4月1日の明日は、新卒が配属になる。

ほぼ、親子のような年齢差の新人だが、若者からもらえるエネルギーは計り知れない。その対価として、パーッとお金を投げるのは、意外と気持ちいいものなのだ。

高円寺のカスキャバで、20万円使うあくのさんの気持ちが少し理解出来て、さらに大人になった気がした。


3月30日(水)

高松では、いくつかの物件視察をした。

森ビルがコンサルした市街地再開発を見て、真っ直ぐ商店街を歩いていたら、突如としてミラノのガレリアみたいなドームが出現した。


二つのアーケード型商店街の結節点となるここの角地店舗は、三越がサブリースをしているという。

お隣高知の路面店は潰れたけど、ここでは健在ルイヴィトン

そして、ロレックスとティファニー


いかにも?ミラノ風だ。なお、ミラノに行ったことはない。

ところが、視線を右にやると、突然、ミラノから天津にトリップした。

街づくりに1mmも寄与する気概のない、地主ビジネスここにあり。(どエンド君、謄本取って〜


3月29日(火)

出張で高松に来ている。

初めての高松のつもりだったが、空港に降り立って、デジャヴを感じた。でも、高松で何か食べた、泊まった、仕事や観光をした記憶など全くない。

一瞬考えた末、答えはここにあった。


3月28日(月)

父の葬儀が執り行われた。

父の家は曹洞宗だ。父の両親も兄弟もみな菩提寺の墓に入っていて、かつ、その寺の借地の上に建てられてたのが、父の実家だった。しかし、旧借地法なのに、あれこれ屁理屈をつけては地代の値上をする寺に不信感を持ってたこともあり、俺はあの寺には入りたくねえ、辛気臭い坊主の葬式はごめんだ、と父は常々言っていた

正月は神社に初詣に行き、お盆はお供えをして、クリスマスはツリーを飾って肉を食らう、無宗教日本人を地で行くような人だ。
死んだら坊主を呼んで、お経を唱えて、戒名を付けてもらうのが、一般的な流れだろう。しかし、生前の「坊主葬式はNG」という明確な意思表示とは別に、もうひとつ懸案事項があった。

母が伴天連なのである。

信仰上の理由を盾に、夫の菩提寺の墓なぞ絶対入らねえ、と自分は早々にイグナチオの納骨堂を買っていた母は、父に「添い遂げられたら一緒に入ってもいいわよ」と、男前なことを言っていた。ちなみに、父は婿養子ではない。

その後、特に大きな波風も立たず、そこそこ仲良く添い遂げたと言える父は、母と一緒に、教会に入れてもらえるつもりで死んだのだろう。しかし、ここで問題が発生した。最後に収まる場所は教会と決まっていても、伴天連の母とは違い、当たり前ではあるが無宗教の父は、教会では葬式をやらせてもらえないことが判明したのだ。

坊主も神父も不在の葬式など、前代未聞である。

そこで、困って葬儀屋に相談した結果、火葬をする斎場で、無宗教葬をやることになった

無宗教葬は最近よく耳にはするものの、親戚、関係者一同、お経もアーメンも何もない葬儀など経験した者は誰もいない。式の流れをどうしたものか、どうやって場をもたせるのか、とあれこれ悩んだ末、スライドショー付きでプロフィール紹介をしてから、参列者に父の話を思い思いに語ってもらうことになった。

そう、お気づきかと思うが、完全に結婚披露宴と同じだ。違いは、主役が2人ではなく1人、しかも死んで棺の中で横たわっているけどwww

司会は、何故か葬儀屋の社長が努めてくれることになり、弟とあれこれ思い出話をしながらプロフィール作成の準備をした。出て来るのは、やっぱり

・学生時代飲酒運転で橋の欄干に衝突し、免取及び頭蓋骨骨折
・転勤先の雪国で、大雪の日に母を家に残し徹マンで離婚危機
・NY時代はピアノバー三昧
・株名人の話

など、碌でもないエピソードのオンパレードだった。


そして今日。

弟が読み上げたプロフィールは、予想通りヒドい内容に仕上がっていた上、参列者の父の思い出も、ニギリゴルフで大負けした話、外出NRで頻繁に16時飲酒倶楽部をしてた(血は争えない)話など、さもありなんというものばかりで、葬式なのに爆笑の渦に包まれた。母だけは、横で苦虫を噛み潰したような、微妙な表情をしていたが。

さらに、丈夫で頑丈だった父らしく、焼かれた骨のパーツもやたらデカく、骨壺に入り切らなかったところまで、笑いを誘った。

どうなることかと不安だったが、楽しいことが大好きだった父らしいお葬式に仕上がって、本当によかったと思う(多分)。


ところで、わたしも父と同じように、伴天連の配偶者を持つ、無宗教者だ。葬式をどうするか考えておかなくてはならない。

わたしの時も無宗教葬でいいから、棺を前にして故人の悪口で盛り上がってね、お清めはパークハイアットのケータリングとシャンパンタワーがいいな、参列者が泥酔するまで酒を切らさないようにね、あと出棺のBGM(BGM…?)に大学の応援歌とチャンスパターンの生演奏を手配も、と夫に伝えたところ、俺は絶対にあなたより先に死にたい、と真顔で言われた。

息子にも、よく言い含めておこうと思う。

3月27日(日)


週に1回、鳥取の農協アスパルから野菜セットを取り寄せている

旬のものをテキトーにお任せで送ってくれるので、アレコレ考えなくて楽なのと、何よりスーパーで買うものより新鮮なのがよい。

今日届いたのはこんなラインアップだった。
(普段はキャベツが入ってるけど、今週はなかった)

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鳥取は、長年料理を習っている渡辺康啓君の出身地で、存在感はめっぽう薄い県だけど、海も山も近くて、肉も魚も野菜も乳製品もなにもかも美味しいからとにかく行ってみて、と勧められたのが10年くらい前だろうか。

以来、皆生温泉に泊まって、大山の広大なアスレチックに行く、みたいなのをほぼ毎年恒例行事としている。

大山と言えば、グランピングのハシリとも言えるFBIというキャンプ場を、5-6年前にFFのオッサンに教えてもらってからというもの、大層気に入って、皆生温泉とセットでリピートしている。


初めて行った後、とても快適なキャンプ場だったとお礼を伝えたところ、後に、衝撃の事実が明らかになったことはご愛嬌だ。


3月26日(土)


東横線の床に座り、うめき声をあげながら全乗客に向けてヨガの弓のポーズや、花輪のポーズを披露する、マスクとサングラスの女がいた。

木の芽時を感じる。

入社3年目くらいの時に受けた、あの電話を思い出す。

「おたくの●●ビルが建っている土地は、主人が昔、天皇陛下から勲章を賜る替わりにいただいた土地だ。わたしもそろそろお迎えが近いので、あの土地を返して欲しい。社長を出せ!」

と息をつく間もなく叫んでたBBAは、佐藤と名乗っていたか。

東京の桜も、もう五分咲きだ。

3月25日(金)

「パパが亡くなったこと、まだ銀行にもどこにも知らせてないのに、キャッシュカードもクレジットカードも全部停まってて、わたしも死ぬんだけど!!!!!」

と発狂した母から電話があった。さすが陰湿金融機関という感想しかない

#みずほはクソ

3月24日(木)

所用で、初めてコンラッド大阪に泊まった。

人に頼んで予約をしてもらったので、詳細を把握しないままチェックインをしたが、一言で言うとファミリーには全く向かない、不必要にエロいタイプのホテルだった。事業会社の大元は左寄りの朝日新聞社ですけど?

まず、部屋が全て間接照明で、照度もやたら低い。
調光を最大限にしても、せいぜい150ルクスぐらいだろうか。家族で泊まるのにムーディーは1mmも必要ないし、老眼の気がある目には手元が暗くて不便この上ない。

さらに、円形のバスタブが置かれているガラス張りのお風呂は、ベッドから丸見えの位置にある。人が風呂に入ってる様子をベッドから眺めたいなどというは、かなり限られたシチュエーションではなかろうか。今回は、完全に宿の選択ミスだ。

リチャ川ドホ蔵さんがGHするならば、きっとまた違う感想があるのだろう。


3月23日(水) 

ママ友と鉄板焼きを食べた。

生まれてからこれまで出会った、あらゆる女性の中で、とにかくこのママ友は突き抜けてすごい。表現する形容詞が、全然見つからないのが残念なのだが、とにかくすごいの一言で、何一つ敵わない。リスペクトにもほどがあるのだ。

短大を出て、社会人経験のないまますぐ結婚。途中で税理士試験に受かったけど、子育てが忙しくて資格の行使をしたことはないそうだ。ようはずっと、専業主婦。

但し、ご主人の稼ぎだけで生きて行くのは心許ないからと、タネ銭で始めた不動産投資が20年で大きく育った上に、ご主人の起業も大当たりして、いろんな意味でケタ違いに仕上がった系だ。ストリートスマートの権化かな。

届け物があるから、と昼間に連絡をすると

「いま、豊橋にヨット買いに向かってるの。うなぎ食べて、夕方にはうちに戻るよ!」

とか、近所のスーパーに野菜買いに行ってるようなノリで返信が来るし、また、彼女の口癖である

「良い選択よりも、早い決断!」

という肚のすわった名言は、もはや我が家の家訓でもある。その潔さが、きっとたくさんのお金を呼び寄せたのだろう。


ディオールのデニムに、ターコイズのクロコバーキンをクロスボディにした今日の装いがあまりにステキだったので、無粋ながらもおいくら万円なのか聞いてみたら、あくのさんが「お家賃が欲しいから買う!」と絶叫していた、東武伊勢崎線五反野駅徒歩5分の借地アパートが3つ買える値段だった。

クロコバーキンがどんなに換金性が高くても、持ちながらにしてお金を生む借地アパート3つの方がやっぱいいな、とか思ってしまうあたりで、到底、足元にも及ばないのだ。

3月22日(火)

大騒ぎした停電も、無事回避された。

今日は在宅だったダンナが、万が一のためにと珍しくお風呂に水を貯めていたが

「停電がなければ、そのままお風呂に出来ると思って、60度設定にしておいたよ。」

と気を利かせてくれたので(…節電?)夕食後に遠慮なく少しぬるくなったお湯にそのまま入った。

①入浴剤「超炭酸主義」
②ヤクルト1000
③Public Organicのアロマ

という安眠3点セットのおかげで、この半年以上、夜中に一度も目が覚めることなく、毎日23時から6時半まで熟睡が出来ている。

超炭酸主義の会社が出している、ソーダスパフォームという全身に使える炭酸パックも、洗い流すとお肌がワントーン明るくなって、とてもよい。

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さすがに、顔と手にしか使ったことはないが、全身に使いたいという人が行くのは、もしかすると、こういうお店なのかもしれないね。

3月21日(月)

春分の日なので、クローゼットの服の整理をした。

服のサイクルは3年と決めているので、春夏と秋冬の入替の時点で
①どうしても取っておきたいもの
②マリコにあげるもの
の二つに仕分けをするのが恒例である。

マリコは仲の良い後輩で「あつかマリコ」を自称するくらい、厚かましいがそのまま歩いているような女だ。

10年ほど前、仕事中にマリコが突然

「サワー子さんて、要らない服とかどうしてるんですか?」

と聞いてきた。

「だいたい捨てちゃうけど?」

と答えると、

「今度から、もらいに行っていいですか?自分で言うのもなんですけど、サワー子さんの服、わたし似合うと思うんですよwww」

と勝手に自己申告され、以来シーズン毎にIKEAのあのデカい青い袋を抱えては、うちにやって来る。

はじめの頃こそ大人しく、要らないものを有り難がっては

「ありがとうございました〜また来ますね〜💕」

と颯爽と帰って行くだけだったが、最近などは会社で日常的に

「その服、あと何年ですか?🥺」

とわたしが着てる服を指して聞いてくるようになった。てか、アンタが今着てるのも、元はと言えば、わたしの服なんだけど。

厚かましいどころか、ほぼカツアゲ。にもかかわらず、マリコだからいっかと思わせるのはすごい才能だ。さすが板橋の隣町出身である。

一方で、どんな泥棒だろうと、マリコという出口戦略があると思えば、いいものを買っても惜しくないという気持ちになるのも、また事実だ。メルカリで値付けを間違えて、ムゲンのようなプロに転売されるようなこともない。

しかも、やっぱりアレ放出するんじゃなかった〜と惜しくなった時は「返して」と言えるのも、気心が知れた関係性ならではだ(過去に一度だけある)。

あれ?これ、どっかで聞いたことある話じゃない??

そう、デベがポートフォリオの整理に系列REITを使うとのと同じスキームを、わたしは無意識に、自分の服でも実践していたのであった。職業病かよ。

3月20日(日)

気分転換をしたい時、単純に楽しい気持ちになりたい時は、Tas Yardで日本一うまいハヤシライスを食べて、ロンハーマン本店に行くに限る。

上にサザビー本社、1階に系列店舗が25年前くらいからある場所で、何回かの業態変更を経て、ロンハーマンになったのは10年ほど前かな。都心なのに歩道も車道も広く、2中の高度地区だから、空も広くて解放感がある。何より、たいそう「気」がよい場所だ。

そして、欲しいものに必ず出会ってしまうマジック。

今日はCP Shadesの新色ショッキングピンクがあったので、迷わず買った。何か?

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霊感だけど、サザビーは社員が増えて手狭になったり、交通の利便性云々とか言って生駒やジョンランに事務所移転をどんなに促されても、絶対に本社をここから動かしちゃアカン。おばさんとの約束だよ。

3月19日(土)

未明に、父が亡くなった。

2年半前に一度死にかけてから、コロナ禍を経て、そこそこ元気に生き延びたと思う。介護していた家族もやり切った感があるので、悔いのない最期だった。

わたしは顔こそ母に似ているが、性格や気質は父そのものだ。

細かいことは気にしない、寝たら都合悪いことは全て忘れる。そして何よりも享楽的で、酒とギャンブルが好き。

父は競馬以外の、あらゆる賭け事を趣味にしていた。大学〜サラリーマンの定年まで、お小遣いは全て麻雀で稼いでいたらしいし、小池栄子の実家、下北沢のパチンコミナミが相性がいいと週末ごとに出かけては、堅物な母にイヤな顔をされていた。

そして、言うまでもなく、#株名人でもあった。

バブル末期に祖父が亡くなって、母が幾許かの遺産を手にした。当時の専業主婦家庭には珍しく、父が一切の家計を握っていた我が家は「株で運用した方がいいよ」という父の鶴の一声で、その遺産も大和証券の口座に預けられた。

さすがに、板橋競馬倶楽部の推奨名柄であるアンリツやアバールのような、何を生業としているかもよくわからないような銘柄に突っ込むことはなかったが、たとえそれがどんな安定銘柄でも、時代が悪かった。バブルの崩壊である。

みるみるうちに評価額は下がって行き、目も当てられない状況に陥った。

父はさすがにマズいと思ったのか、その後も新聞の株価欄とにらめっこしては、あれこれ出し入れをしていたようだ。しかし結果から言うと、全く挽回など出来なかった。

晩年まで、父は株式投資についてネチネチと母に文句を言われていたが、まあ、元はと言えば泡銭なのだから仕方ないではないか、と父をフォローしては母をなだめるのが、いつしかわたしの日課となっていた。

なぜなら、娘もまた父に似て、立派な #株名人 に育っていたからなのである。

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3月18日(金)

したんちゃんとマディソンブルーのシャツ沼の話をした。

マディソンブルーのシャツはひとことで言うと "乳のデカい妙齢の女性が着てはならないシャツ" だ(あなたがBカップ以下なら大丈夫)。

若い時にはデカい自慢が出来たどんな乳も、加齢と共に重力に逆らえなくなり、垂れるものだ。それと同時に乳肉が横にも広がり、谷間も浅く広く
なって行く。

すると、その乳の垂れと浅く広い谷間がデコルテの面積を増やし、そこには若い頃にはなかった、イヤらしくない胸元の肌の露出が完成するのだ。

そこに投入すべきなのが、マディソンブルーである。

谷間ギリギリに設定されたボタンの位置、わざと外側に開くような襟の形は、おばちゃんの枯れたデコルテのためにデザインされたシャツだ。

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これに関してはもう「考えるな、着ろ」としか言いようがない。

ダブル印旛よりも、さらに暗くて深い沼が、あなたを待っている。


3月17日(木)

おっさんの吐くビールくさい息と加齢臭、そして何かを彷彿するスルメの香りが充満する夕方の上り新幹線は、マスクをしていても苦痛な道中だ。

間違っても551の豚まんで自らスメハラを起こすようなことはしない。駅のキオスクで買うのは、檸檬堂のサワー、そしてカールのうすあじと決めている。

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カールのうすあじは、世に存在するあらゆるスナック菓子をも凌駕する、わたしの大好物だ。うすあじと謳う通り、塩分過多に配慮したボケ気味の塩味に、コーンスナックの中でも気泡が細やかでしっとりとした食感は、口に入れると舌や歯に貼り付くのもたまらない。そして、なんと言ってもノンフライ。油で揚げていないだけで、罪悪感を感じさせないこの奥ゆかしさは、一体何だろうか。それなのに、関東ではもう手に入らないなんて。

ちょうど20年前の夏、実家を出て初めて独り暮らしを始めた。

「酔っ払って帰るなんて、はしたない」「早く結婚しろ」等々、親のお小言が一切発生しない、自由を最大限に謳歌していたあの夏、当時あらゆる独身女性が見ていたドラマSex and the Cityにどハマりして、海の向こうの知らない毛唐のヤッた、食った、致した、上から突き刺した…云々をゲス顔で、毎晩夜中まで夢中になって見ていた。

ダバダ火振の一升瓶と、カールうすあじと共に。

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そして、昨年末からSex and the Cityの新シリーズが、11年ぶりにU-NEXTで再び始まった。配偶者の死、思い通りに行かない育児、夫婦の倦怠期と、加齢臭すらしない枯れ切ったテーマのオンパレードで、いささか肩透かしをくらう。

タイトルから考えると、同じコミュニティの中の違うパートナーと、組んずほぐれず…みたいになりそうなものだが、不倫のエンタメ化には厳しいキリシタン国アメリカなので、残念ながらその手の色気や肉感のある展開には、微塵もならなそうである。

それでもわたしはテレビの前に正座待機をして、婆さんの入口に差し掛かった、当時イケてたとされるバリキャリ()の末路を、自分の10数年後と重ね合わせながら、見守るのである。

ダバダ火振の一升瓶と、今は、関西の業者から箱買いする、カールうすあじと共に。


3月16日(水)

出張で西に向かっている。大阪なら迷わず飛行機だが、京都の場合は仕方なく新幹線だ。

横揺れが苦手というのもあるが、数年前、一緒に大阪で飲んだ帰りに、自らのチ●コサイズ自慢を車内で絶叫する狂人、DJあかいと席を同じくしてからというもの、新幹線がすっかりトラウマ化した乗り物となってしまった。

愛知の地主に言わせると、あれは最終手段の乗り物なのだそうだ。

ある日、地主とグリーン車に乗り合わせたら、ふかふかの席に座り、両腕を肘掛けに乗せた瞬間、突然青ざめた顔で「うっ…気持ち…悪い…」と言い残し、下車駅に到着するまで、トイレから出てこないことがあった。銀行員が担ぐ、駕籠の乗り心地にスポイルされたせいなのだろうか。

そんな新幹線時間を紛らわすのは、もはやツイッターしかない。30分で接続が切れるJR東海のクソwifiは無視して、5Gと電源に繋いでiPhoneに向かう。

お気に入りはHappy-NesのLighteningケーブルだ。たくさんの種類があるポップな配色と、2メートルもある長さが特徴で、ちょっと引っ張ったくらいではプラグがコンセントから外れないのがよい。

apple純正品でないせいか、コネクタ部分が2年弱でダメになってしまうので、今使っているものはすでに4代目だ。

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それでも、このデザインに愛着を感じずにはいられないから、次もまた色違いで同じものを買うと決めている。意外なことに、この商品はトルコのECサイトで発売されているのだ。


トルコといえば、トルコで植毛手術をしたといういしだ壱成の話が、Yahooニュースに出ていた。ハゲにとって80万円が安いのか高いのか、皆目見当はつかないが、ミノキシジルを毎日1シート分飲んでいるという全●ツイのグルも、いっそのこと、飛んでイスタンブールをしてみてはどうだろうか。


3月15日(火)

板橋競馬倶楽部内で、突然の日記ムーブメントが起きている。流行りに乗り遅れるわけには行かない。

何かに固執する性格ってわけじゃないのに、一度気に入ったものは、飽きもせずに同じものを何度も何度もリピートしてしまうので、その偏愛っぷりを日記としてみるか。

誰ですか?

「慣れ親しんだものから冒険をしなくなるのは、歳のせいですよ。」 

と言ったのは?


今日の会社のおやつは、週末に買ってきた松之助のバナナチョコチップコーヒーケーキ。

コーヒーケーキという名前だけど、コーヒー味ではなく、単にコーヒーと一緒に食べるケーキだからこう言うらしい。まぎらわしいし、ついでに言うと、わたしはコーヒーを飲めない。かわりに少し苦味のあるホットの伊右衛門を、ビルの共用部にある自販機で買う。

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しっとりしたバナナケーキの中に、大粒のチョコチップが入っていて、上にはホロホロとしたココア味のクランブル。それぞれの食感を楽しむ、焼き菓子だ。

少しだけ感じる塩気とシナモンの香りが、伊右衛門の渋みとよく合う。が、このケーキは、上のホロホロがすぐに崩れ落ちるのが難点である。

気がつけば、会社のデスクの上に目視できる食べカスがいっぱい落ちていたので、後輩に見つからないようにそそくさとウェットティッシュで拭いた。

今朝、シリアルを食べこぼした子供を注意したことは、誰も知らない。